
今回は、スロージギングに使用する両軸リールのカウンターについてご紹介したいと思います。
カウンター付きのリールといえば、以前は電動リールやカレイ等の餌釣り用両軸リールがほとんどでしたが、近年はスロージギング等のオフショア用のリールにも採用されることが多くなりました。
カウンターが付いていることによるメリットやデメリット、そして上手な使い方などを詳しく、そして分かりやすくご紹介して行きますので、是非最後までご覧下さい。
それでは始めましょう。

カウンターとは
両軸リールに付いているカウンターとは、ラインの放出量(=水深)をリアルタイムで表示する機能の事です。
ラインの出た長さを数字で表示するデジタルメーターが搭載されており、表示される単位はメートルとなっていて、ほとんどの場合ディスプレイはリール本体の上部にあります。
また、カウンター付きのリールは、レベルワインド機能が付いているリールにしか付いておらず、Shimanoのオシアジガーなどの大型の両軸リールには付いていませんのでご注意ください。


これがディスプレイのアップになります。
ラインの放出量(水深)の他に、巻上げスピードも表示されるため、どのくらいの速さで巻いているのか確認することも出来ます。

カウンターの特徴
それではカウンターの特徴、メリット・デメリットを見て行きましょう。
カウンターのメリット
主なメリットは以下の通りになります。
それぞれのメリットを詳しく見て行きましょう。

水深の把握
ラインの放出量(水深)がデジタル表示されるため、メタルジグが現在どの水深にあるのかを簡単に把握出来るため、魚探に反応が出た水深に素早くジグを送り込むことが可能となります。
また、遊漁船の船長が「水深〇〇mの、ボトム(底)から〇〇mを探って。」などと指示が出た場合も素早く対応出来ますので、その分釣れる確率もアップします。
カウンターが付いていないリールの場合でも、10m毎に色分けされたPEラインを使う事である程度の水深は把握できますが、カウンター付きに比べて対応はどうしても遅くなってしまいます。
それに、記憶力が弱いYobo爺の場合は「青色って何mだっけ?赤色は?」などなど、どの色が何mかを覚えられないと言うか、すぐに忘れてしまうので意味がないのです。
メーカーによっても色分けや色の順序が違うので、出来れば統一していただければ助かるのですが、そう思っているのはYobo爺だけ?

ヒットレンジの再現性
ヒットしたレンジ(水深)を確認できるため、再投入時に同じ水深へ素早くジグを送り込むことが出来るため、時合を逃さず効率的に釣る事が可能になります。
船上での情報共有
釣れた水深を同船者と共有することで、ポイント全体の状況把握に役立ち、戦略的な釣りが可能となります。

根掛かりの回避
船長から「水深〇〇mの、ボトム(底)から〇〇mを探って。」などの指示が出た場合、カウンターが付いていない場合は一旦底まで落とし、それからPEラインのマーカーを確認しながら巻上げてその棚に合わせます。
そのような釣り方の場合、どうしても根掛かりの危険は避けられません。
しかし、カウンターが付いている場合、底までジグを落とす必要は無く、カウンターを見ながらその指示棚(水深)にダイレクトに送り込む事が出来るため、根掛かりを回避する事が可能になります。
巻き上げ速度の把握
一部の高機能なカウンター付きリールでは、巻き上げ速度を数値で表示する機能があります。
ヒットした時の巻き上げ速度を把握する事によって、同じ様な釣り方を再現できますし、意図したアクションを演出したりすることが容易になります。

初心者にとっての安心感
水深が数値で明確に表示されるため、「今どのくらいの水深を探っているのかわからない。」などの不安が無くなり、初心者でも安心して釣りに集中することが出来ます。
また、船長からの指示や、魚探の情報とカウンターの数値を照らし合わせることで、より正確な釣りが可能となります。
疲労軽減
PEラインの色分けされたマーカーを注視してラインの放出量を確認するよりも、カウンターの数値を見る事で視覚的な疲労を軽減出来る。

カウンターのデメリット
カウンターのデメリットは以下の通りとなります。
以上が挙げられますが、それぞれ詳しく見て行きましょう。

価格が高価になる
同じようなサイズや性能のリールを比べた場合、カウンターが付いている分どうしても高価になり、購入時の負担が大きい。
重量が増える
カウンターユニットや電池などが搭載されるため、同クラスのリールと比較して若干重量が重くなってしまう。
凡 例
Shimanoのオフショア用両軸リールに、サイズも性能も同じようなリールで、違いはカウンター有無だけという2つのリールの重さを比べてみると、
●オシアコンクエスト 300HG 355g
●オシアコンクエストCT 300HG 395g
以上となり、差は40gになります。
この40gの違いをどう見るかですが、スロージギングに慣れている方であればそれほど問題ないと思いますが、初心者の方にとっては長い時間釣りをするとなると、疲れ方が違うのではないでしょうか。
しかし、何度も釣りに行っているうちに、40gの重量の差はほとんど感じなくなると思います。

電池交換が必要
カウンターを作動させるための電池交換が必要になります。
電池が無くなると当然作動しなくなりますので、釣行前に電池残量を確認したり、予備の電池を準備したりする手間が発生します。
誤差の発生
ジグが真っ直ぐ下に落ちていくという事はほとんど無く、潮流によって若干ジグが流されますので、船の魚探とリールのカウンターの水深が違う場合があります。
これに関しては避けられない事で、多い時には数mの差が出てくることもありますので、魚探と違うから壊れているなどと思わないで下さい。
また、ラインの太さや巻取りのテンション等によっても多少の誤差は出るみたいですので、その辺を頭に入れておいて釣りをして下さい。

故障のリスク
電池で動作するものですので、当然故障するリスクというのは付きものになりますし、どんなに優れた製品でも、絶対に故障しないという機械はありません。
しかし、Yobo爺の周辺でもかなりの方がカウンター付きのリールを使っていますが、故障したとか壊れたという話は聞いた事がありません。
考えられることは、電池交換の際に蓋の締め方が甘かったり、よほど扱い方が乱暴だったりしない限りは故障したり壊れたりすることは無いと言えると思いますので、その辺を気を付ければ問題ありません。
意外にうるさい
使ってみて分かった事ですが、「ピッピッ」という音が意外にうるさいんです。
10mで「ピッ」20mで「ピッピッ」など、10m毎に音が鳴りますし、巻上げている時も10m毎に「ピッ」と鳴るので、隣で釣っている友人に「うるせー」と言われることもしばしばです。
根魚や底物だけを狙うのであればカウンターのスイッチを切って使えますが、サクラマスを狙う場合などはどうしても切るわけにはいきませんので、周りの方には我慢してもらうしかありません。
カウンターを見なくても何mというのが分かるので、非常に便利ではあるのですが、自分だけ分かればいいのでもう少し音を小さく出来ないものかと思います。
それか、振動で手に使わるようにとか・・・、今後はその辺も改良してもらえれば嬉しいのですが。

選択肢が少ない
カウンター付きの両軸リールは、ハイエンドモデルが中心なため高価なものが多く、また機種も限られるため選択肢が少ないのが現状です。
今後は比較的購入しやすい価格のカウンター付きリールが発売されることを期待します。

カウンターは必要か否か
カウンターは必要か否かと問われた場合、Yobo爺の答えは、
「カウンターは有るに越したことは無い。」となります。
先ずは、カウンターが最も優位に働く場面としては、魚探にターゲットの反応が出た場合で、ブリなどの青物の反応や、三陸であれば春のサクラマスジギングが当てはまります。
ハッキリと魚探に反応が出た場合、その棚に素早くジグを送り込む事でバイトの確率が上がりますので、この事からもカウンターの有効性が認められると言えるでしょう。
その他にも、魚が掛かったり、バイトしてきた水深がわかりますので、それを皆で共有する事によって、より多く魚を手に出来る確立が上がります。
カウンターが付いているとはいえ、それをOFFにすることで普通のジギング用リールと同じに使用する事が可能ですし、いざとなればONにして使用できるなど、使い方は自由です。
なお、カウンターが付いた両軸リールは、レベルワインダーが搭載されている中小型リールになりますので、15kg程度、最大でも20kgほどの魚がターゲットの場合に限られますので注意して下さい。
リールは高価であり簡単に買い替えることは出来ませんので、長い目で見れば少々お高くてもカウンター付きのリールがあれば様々な釣り方に対応できます。
以上の事から、初心者の方や、予算的に可能な方はカウンター付きのリールの購入をお勧めします。
おすすめのカウンター付きリール
Shimano:オシアコンクエストCT 300HG(301HG)
先ずは、ShimanoのオシアコンクエストCTのご紹介です。
Shimanoのフラッグシップモデルであるオシアコンクエストにカウンターを搭載したモデルで、高精度金属ボディ&マイクロモジュールギア、それにデジタルカウンターとフォールレバーを搭載した、高度な戦略とその再現性を可能とした両軸リールになります。
その中でもおすすめは、300HG(301HG 左ハンドル)で、近海でジギングを楽しむには十分な糸巻き量があり、魚とのファイトの際に力を入れやすいパワーハンドルを搭載しているモデルです。
巻きの軽さやドラグ性能、何より頑丈で壊れにくいという、リールに必要な基本的性能を全て満たしたリールと言えます。

Daiwa:ソルティガIC 300H-SJ(300HL-SJ)
リールの大きさや性能的には、オシアコンクエストCTとほとんど同じで、堅牢性やドラグ性能に優れたハイギア仕様の両軸リールで、Yobo爺が使っているリールでもあります。
ネイビーカラーのボディにゴールドの縁取りとハンドルが印象的な、非常に美しいリールです。
おすすめのモデルは300H-SJ(300HL-SJ 左ハンドル)で、パワーハンドルを採用していますので、10kgを超える大きなブリとのやり取りも問題無くこなすことが出来ます。
また、ハンドル1回転のラインの巻き取り長さが98cmと大型両軸リール並みとなっており、スロージギングには持って来いのモデルです。
Daiwaを代表する近海用のジギングリールです。

Daiwa:ティエラIC 300H-C(300HL-C)
次もDaiwaの製品で、ティエラIC 300-Cをご紹介します。
SW CONNECTED REELということですが、これは「電動モバイルセッティング」と「DAIWAコネクティングシステム」の、2つのテクノロジーで構成された「スマートフォンとつながるリール」の事だそうです。
アナログ爺ちゃんにはよくわかりませんが、リールとスマートフォンを連携させる事が出来て、スマートフォンでリールの様々な機能を設定できるものらしいです。
また、足下の水深はもちろんのこと、仕掛けが斜めに落ちていくドテラ流しでも、演算で導かれたルアーの位置する水深がイメージできるということです。
さらに、ヒットマーカーという機能があり、魚がヒットしたときやランディング後、アタリがあったときなどにマーカーをタップすることで、水深グラフに記録することができる機能もあるそうです。
これは、釣行中にヒットパターンを掴むことに役立つほか、釣行後に詳しくパターン分析することで、自身のスキルアップにも役立つということです。
おすすめのモデルとしては、300H-C(300HL-C 左ハンドル)で、ソルティガICの300H-SJ(300HL-SJ 左ハンドル)と同じサイズで、ハンドルも同じようなパワーハンドルが搭載されたモデルです。
唯一心配なことがあるとすれば、Yobo爺のようなアナログ釣り師はフルに使いこなせるかどうかですが、これからは釣りもこんな感じになっていくのでしょう。
Daiwaのテクノロジーを結集した最新のリールです。

まとめ
今回は、スロージギングに使用する両軸リールのカウンターについてのご紹介でしたが、いかがでしたか?
カウンター付きの両軸リールは、どうしても高価になりますが、スロージギングを行う上でのメリットは非常に大きく、一度使うとその便利さに驚くこと間違い無しです。
特に慣れない初心者の方にとっては、自分が今探っている水深が一目で分かるというのは非常に大きなメリットですし、それによる安心感ははかり知れないものがあります。
キハダマグロやカンパチなどの超大物を釣る場合を除き、最大のターゲットがブリの10kg~15kg程度である場合、レベルワインダー機構とカウンターが付いた中型両軸リールがおすすめになります。
同じサイズで同じような性能であれば約1万円ほど高価になりますが、1万円以上の価値は十分あると個人的には感じていますし、おすすめの機能になります。
次回は両軸リールのハンドルについてご紹介しようと思いますので、お楽しみに。
それではまた。

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