
今回の週末トレッキングのすゝめは、みちのく潮風トレイルの【浄土ヶ浜・田老ルート】についてのご紹介となります。
前回ご紹介した【八戸市ルート】に比べて非常に起伏に富んだコースとなっていて、三陸のリアス式海岸を代表するような変化に富んだ景観が魅力のコースです。
それでは始めます。


浄土ヶ浜・田老ルート
岩手県の沿岸部の中央付近に位置する宮古市の浄土ヶ浜周辺は、三陸海岸を代表する有名な景勝地であり、田老の山王岩と共に三陸ジオパークにも認定されている素晴らしい場所です。
震災を機に訪れた方も多いと思いますが、実際にみちのく潮風トレイルを歩いた方は少ないと思いますので、是非一度は歩いてみて頂きたいと思いご紹介します。

コース紹介
みちのく潮風トレイルの【浄土ヶ浜・田老ルート】のコースは以下の通りとなります。
このコースの総距離は24.8kmで、所要時間は片道10時間12分と非常に時間が掛かりますので、浄土ヶ浜・姉ヶ崎周辺、そして田老の山王岩周辺と2つに分けて歩いて見るのもいいと思います。

海岸線とは起伏のあるコースですので、自分達の体力や予定に合わせて、無理のない予定を組んで楽しんで下さい。

浄土ヶ浜・田老ルートの景観
浄土ヶ浜の美しい景色を写真でお伝えしたいのですが、どうしても観光客の方々が写真に写っているので、今回は掲載しませんでした。
他のサイトでたくさんの美しい写真が掲載されていますので、そちらをご覧になって下さい。

ちなみに、この写真は浄土ヶ浜を海側から見た写真です。
当然船に乗って撮ったのですが、釣りに行った時に釣り船から撮った写真です。

この写真は、宮古市にある本州最東端で有名な魹ヶ崎灯台を海から眺めた写真です。
浄土ヶ浜とは関係ありませんが、参考のために

蛸の浜
浄土ヶ浜レストハウスからみちのく潮風トレイルを北に向かうと、人しか通ることの出来ない小さなトンネルがあり、そこを抜けると蛸の浜漁港という小さな漁港があります。
その漁港周辺も非常に奇麗ですが、その漁港の一角に奇麗な海の色をした小さな洞窟が現れます。
本物の青の洞窟はさっぱ船などでしか行くことが出来ませんが、蛸の浜漁港にある小さな洞窟は歩いて行けますし、船が苦手な人には持って来いだと思います。

地元の漁師さんが言うには、太陽の位置や天候によってもっと青く見えるそうです。
浄土ヶ浜を訪れて、もしも時間があるようでしたら行ってみるのも面白いと思いますよ。

山王岩
山王岩は宮古市田老地区を代表する景勝地で、ダイナミックな景観と入り組んだ海岸線を楽しめる起伏に富んだコースが特長です。

この写真は遊歩道から山王岩を見下ろした写真になります。

ここから遊歩道を下って行けば山王岩を間近で見ることが出来ます。

服 装
服装に関してはレイヤリングが基本になり、暑さや寒さに合わせて着たり脱いだりしながら体温を調整します。
可能な限り、汗を吸収して素早く拡散出来る吸湿速乾性を持った素材のシャツ等をレイヤリングします。
なお、三陸は「やませ」と呼ばれる海からの冷たい風が吹く場合がありますので、ウインドブレーカーや防水透湿素材のレインジャケットを用意する事をおすすめします。
パンツはストレッチ性を備えた吸湿速乾性に優れたものが快適でおすすめですし、季節に合わせて薄手や厚手のものを選んで下さい。
シューズに関しては、ぬかるんだ場所を歩くこともありませんので、ローカットの動きやすいトレッキングシューズで問題ありません。
ほとんどが整備された遊歩道を歩くことになりますので、普段履いているスポーツシューズでも問題ありませんが、不意の雨などを考慮するとトレッキングシューズのほうがいいと思います。
車で移動しながら、景勝地のみ歩いて見たいという方は、特にバックパックは必要ありませんが、ある程度の長距離を歩いて回りたいという場合には水や食料などを入れるバックパックは必要になります。
長時間背負っていても疲れない、アウトドアメーカーのしっかりしたものが疲れにくくておすすめです。

観光地に熊が
近年、熊の出没が多くなっていますが、三陸を代表する観光地である浄土ヶ浜でも熊が目撃され、全国ニュースにも出ていました。
目撃されたのは海の方ではなく第4駐車場という浄土ヶ浜から離れた場所だという事ですが、近くには浄土ヶ浜ビジターセンターや訪れた観光客の方が最も車を停める第1駐車場があります。
地元の方々が散歩する場所でもありますし、ゴールデンウィーク直前という事もあり、皆さん驚いたのではないでしょうか。
熊が現れたのは今回だけではなく、2023年の7月には浄土ヶ浜近くのみちのく潮風トレイルの遊歩道で観光客の方が襲われるという、非常にショッキングな出来事もありました。
観光地は人が多いのでそう簡単には熊も出てこないと思っていましたが、今は人慣れしたアーバンベアと言われる人を怖がらない熊が増えて来たみたいですので、気を付けないといけないですね。
熊にこちらの存在を知らせるためにも、最低でも熊鈴はバックパックに付けたり持って歩いたりした方が良いのではないかと思います。
今は簡単に音を消せる熊鈴もありますので、人が多いところでは音を消し、人が少なくなったら音を出すようにするなどして、周りに迷惑が掛からないように使う事が出来ますので便利です。
仙台の住宅街の近くや、盛岡の市街地にも出没する時代ですので、何かしらの対策を行ってトレッキングを楽しむ事をおすすめします。

震災遺構
田老周辺を訪れたら震災遺構の田老観光ホテルを訪れて見て下さい。
巨大な津波によって3階まで破壊されて、鉄骨がむき出しになった田老観光ホテルが震災遺構として残されているので、改めて津波の恐ろしさを再確認する意味でも重要な場所だと思います。
事前に予約すれば、所有者自らがホテルの部屋から撮影した津波襲来時の映像を、撮影した部屋で見せてくれるらしいです。
また、明治三陸津波と昭和三陸津波という2度の大津波により壊滅的な被害を受けて建設された田老地区の旧防潮堤は、その当時は「万里の長城」と呼ばれ、長さ2.4kmの長大な防潮堤でした。
しかし、東北地方太平洋沖地震による津波はこの防潮堤を破壊して乗り越え、再び田老地区に甚大な被害をもたらしました。
その旧防潮堤が今でも一部残っていますので、立ち寄ってみるのもいいと思います。
田老観光ホテルと田老地区の旧防潮堤はいずれも道の駅 田老のすぐ近くですので、トレッキングとは関係が無い方も車で気軽に訪れてみてはいかがですか。

遊覧船
宮古市には、「ウミネコ丸」という浄土ヶ浜周辺を巡る遊覧船が運航しています。
以下がその運行コースとなり、道の駅みやこ「シートピアなあど」近くの出崎埠頭と、浄土ヶ浜の発着所のいずれからも乗船が可能という事です。
普段は見ることが出来ない素晴らしい景色を海から眺められますし、ウミネコ丸の船内ではうみねこパンと言うパンが売られていて、うみねこの餌付けが体験できます。

なお、詳しい情報などは「ウミネコ丸」のHPで確認して下さい。
Yobo爺は釣り船などで沖側から景色を眺めた事がありますが、釣りをしながらも素晴らしく奇麗な景色を観られるので、釣れても釣れなくても十分楽しむことが出来ます。
宮古を訪れたら是非乗船してみて下さい。

おわりに
今回の週末トレッキングのすゝめは、みちのく潮風トレイルの【浄土ヶ浜・田老ルート】についてご紹介でしたが、いかがでしたか?
断崖絶壁あり、起伏あり、そして絶景ありと、これぞ三陸海岸と言う景色を見ながらのトレッキングコースになっていますので、是非一度訪れてみてはいかがですか。
それではまた。

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