
今回は、釣りやキャンプで大活躍のクーラーボックスの、様々な用途に応じた選び方について詳しくご紹介して行こうと思います。
釣りやキャンプはもちろん、子供の行事や家族や友人たちとのBBQなど、クーラーボックスが無ければどうなるか想像してみて下さい。
釣った魚はやBBQの肉は腐ってしまうし、ビールは温くなって美味しくないし、クーラーボックスがなければせっかくの楽しいアクティビティも台無しになってしまいます。
そんな重要なアイテムですが、「取りあえず何でもいいや。」ということで安価なクーラーボックスを用意している方は少なくないと思いますが、結果的に「安物買いの銭失い」となる危険性もあります。
そうならないようこの記事を最後まで読み、クーラーボックス購入の参考にしてみてはいかがですか。
それでは始めます。
クーラーボックスとは
クーラーボックスとは、食材や飲み物を冷たいまま保つための保冷容器のことで、主にアウトドアやキャンプ、釣りや子供の行事など、電源のない屋外で活躍します。
中には保冷剤や氷を入れて使うのが一般的で、外気の熱を遮断しながら中身の温度をキープしてくれるため、釣った魚の鮮度を保ったり、キャンプで冷えたビールを飲むためには必須のアイテムと言えます。
一見するとただの箱に見えるかもしれませんが、保冷力・容量・耐久性など製品ごとに大きく違いますので、用途に応じた選び方がとても重要になってくるアイテムでもあります。

クーラーボックスの用途
クーラーボックスには様々な用途や使い方がありますのでご紹介します。
釣り
●釣った魚の鮮度保ち家に持ち帰る。
●餌の鮮度を保つ。
●持ち込んだ弁当や飲み物の保冷。
キャンプ
●食材や飲み物を冷やして運搬、保冷。
●連泊キャンプでは冷蔵庫代わり。
●食材を入れて匂いを防ぎ、獣が寄ってこないようにする。
BBQや焼き肉パーティー
●BBQの食材や飲み物の運搬、保冷。
●余った食材の持ち帰り。

子供の学校行事など
●弁当や飲み物、デザートの保冷。
買い物
●氷や冷凍食品などを家まで冷たいまま持ち帰る。
●ドライブ先で購入した食材の持ち帰り。
緊急時や防災用として
●停電の際の食材等の保管(冷蔵庫代わり。
●停電時の薬や衣料品などの保管。
以上のようにクーラーボックスには様々な使い方がありますので、普段はあまり使わなくても持っていて損はないアイテムと言えます。

クーラーボックスの種類
クーラーボックスにはハードクーラーとソフトクーラーがありますので、それぞれの特徴をご紹介します。
ハードクーラー
クーラーボックスと言えば、このハードクーラーの事を指す場合が多く、またハードクーラーの事を思い起こす方が多いと思います。

以上がハードクーラーのメリット・デメリットになりますが、断熱材による保冷力の高さが魅力でもありますが、その反面かさ張ってしまうというデメリットもあるということです。
釣りやキャンプ等、保冷力が必要な場合にはハードクーラーを選択する事になります。

ソフトクーラー
近年は、比較的保冷力に優れたソフトクーラーボックスも発売されていて、見た目もスタイリッシュなデザインのものが多く見られるようになりました。

以上、ソフトクーラーのメリット・デメリットでした。
使い方としては短時間の食材の保管や持ち運びに限られます。

保冷力(断熱材)
ここからは断熱材に関してご紹介して行きます。
中に配置されている断熱材の種類によって保冷力が決まり、保冷力が高いほど高価になります。
断熱材
クーラーボックスには主に4種類の断熱材が使われていて、それぞれに特徴がありますのでご紹介します。
発泡ポリスチレン
発泡ポリスチレンとは発泡スチロールの事で、今回ご紹介する断熱材の中では一番保冷力が劣りますが、コスパに優れているため多くのクーラーボックスに使われています。
非常に軽いのが特徴で、衝撃に弱く壊れやすいですが、非常に安価なのも特徴です。
発泡ポリプロピレン
発泡ポリプロピレンは、発泡ポリスチレンより若干保冷力が強く、その分価格も少しですが高価になります。
衝撃に強くなりますが、重量は若干重くなります。

発泡ウレタン
断熱性は高く、耐久性にも優れていますが、重量は重く高価になります。
ハイエンドモデルのクーラーボックスに使われていて、長時間の保冷性能に優れています。
真空断熱パネル
断熱性能は非常に高く、家庭用冷蔵庫にも使われている先進素材でもあります。
一部の高級クーラーボックスに使われることが多く、断熱パネルを全面に採用している製品は10万円を超えるものもあり、非常に高い保冷能力を誇ります。

断熱材のまとめ
下の表は断熱材の比較表になりますので、クーラーボックス購入の参考にして下さい。
材 質 | 断熱性能 | 重 量 | 価 格 | 耐久性 | 主な用途 | ||||||||
発泡スチロール | 中 | 軽い | 安い | 低い | 安価なクーラー | ||||||||
発泡ポリプロピレン | 中~高 | 軽い | やや高い | 高い | 比較的安価なクーラー | ||||||||
発泡ウレタン | 高 | 重め | 高い | 高い | 高価格帯のクーラー | ||||||||
真空断熱パネル | 非常に高い | 中程度 | 非常に高い | やや低め | 超高性能モデル |

クーラーボックス改造
断熱材の種類によってかなりの価格差があるため、実際には高価格帯や超高性能のクーラーを購入するのは無理という方が多いと思いますし、Yobo爺もその中の一人です。
そのような状況ですので、保冷力を求めるのを諦めている方が多いと思いますが、諦めるのはまだ早いですよ。
一番安価な発泡スチロールのクーラーボックスでも、上手に改造すれば保冷力をアップする事が出来ますし、誰でも比較的簡単に出来ますので、次回その改造についてご紹介したいと思います。
釣り具メーカーの安価なクーラー、そしてホームセンターの安価なクーラー、それぞれを改造して保冷力をアップさせていますので是非お楽しみに。

予冷の重要性
予冷とは、事前にクーラーボックス内を冷やしておく事を言い、保冷力を最大限に引き出すための非常に重要な作業です。
室温のままのクーラーボックスに直接冷たいものを入れても、ボックス内部が冷えるまでにかなりの冷気が奪われてしまうため、事前に内部を冷やすことによって本来の性能を引き出します。
予冷の方法
●前日の夜に、クーラーボックスに大量の氷や冷凍したペットボトル、又は不要な保冷剤を入れる。
●蓋を閉めて放置(※できれば風通しのよい日陰に)
●当日朝、予冷に使った氷や保冷剤を一度取り出し、本番用の新しい保冷剤・食材を入れる。

保冷剤
クーラーボックスに入れる保冷剤は、保冷効果を高めるために非常に重要なアイテムで、いくら保冷力に優れたクーラーボックスでも、保冷剤を入れないとただの箱ということになります。
保冷剤にもさまざまな種類があり、用途や使用シーンに応じて選ぶことで、クーラーボックスの性能を最大限に引き出せます。
ハードタイプ
ハードタイプとは、パネル上のケースに入った保冷剤の事を言い、それにも保冷力の違う2種類がありますのでご紹介します。
0℃タイプ
「-〇〇度」というような温度の表記が無いものは0℃タイプとなり、このタイプは野菜やパンなどの冷やし過ぎるといけないものを保冷するのに向いています。
割と短時間で凍るものが多いですが、念のため2日前には冷凍庫に入れて凍らせておくことをお勧めします。
保冷時間も短いため、短時間の食材等の持ち運びなどに使用します。
氷点下タイプ
このタイプは「-〇〇℃」とか「氷点下」などという表記がしてあり、しっかりと冷やす必要がある魚や肉、そして氷やアイスなどを保冷するのに向いています。
保冷力が高く、長時間保冷するのに適しています。
凍るのに時間が掛かるため、最低でも2日前には冷凍庫に入れて凍らせないと本来の性能を発揮できませんので注意して下さい。
釣りやキャンプ等、主に長時間の保冷に使用します。

ジェルタイプ
柔らかく、隙間にフィットしやすいのが特徴ですが、穴が開きやすいので取り扱いには注意が必要です。
手軽で安価ですが、保冷力が弱いので長時間の保冷には適さず、弁当などを保冷して持ち運ぶのに使用されることが多い保冷剤です。
氷
氷を袋に入れて簡易的に使用したりしますが、保冷力は弱く袋に穴が開くと水漏れの原因になったりしますので注意が必要です。
また、ペットボトルに水を入れ、冷凍庫でガッチリと凍らせて使用すると、氷が溶けても水漏れの心配もいりませんし、融けだした水は飲料水としても使えます。
氷の場合は保冷剤としてより、予冷剤として使う事が多くなっていますし、短時間の保冷剤としてはコストも掛かりません。

メンテナンス
クーラーボックスは、マメにメンテナンスをしないと、魚の臭みなどが残ってしまいますので、そうならないようメンテナンスはしっかりと行う必要があります。
特に釣りとキャンプに併用するなどしている場合、キャンプに使用する場合に魚の生臭ささが非常に気になりますし、他の食材に匂いが写ったりしますので注意が必要です。
洗浄
内側の魚のヌメリや外側の汚れを水でガンガン洗い流し、その後中性洗剤とスポンジなどを使って細部まで丁寧に洗浄しますが、その際に蓋を外せると非常に便利です。
この時、硬いブラシやスポンジを使うと細かな傷が付き、そこに汚れが付いて取れなくなる可能性がありますので、出来る限り柔らかいものを使用して洗浄する事をお勧めします。

乾燥
洗浄が完了したら乾いた布などで水滴を拭き取り、風通しが良い日陰で十分に乾燥させます。
消臭・防臭
何度も使っているうちに生臭さが消えなくなってきたりします。
その場合は、水で2倍に薄めたお酢をスプレーボトルに入れて散布するか、布に染み込ませて内部を拭き、その後お酢の臭いが消えるまで十分に乾燥させます。
その他に爺が行っている方法としては、柑橘類の皮をボックス内に入れておくという方法で、蓋を開けた時の柑橘系の香りはお勧めですが、皮を取るのを忘れて腐らせてしまわないよう注意して下さい。
その他にも、市販されている防臭スプレーや防臭剤を使うというのも有りです。
買うなら釣り用?それともキャンプ用?
クーラーボックスは、主に釣り用とキャンプ用(アウトドア用)に分かれますが、それぞれに特徴があり、それらを比較してみましたのでご覧下さい。
クーラーボックス購入の際、どちらのタイプが自分に向いているのか参考にして下さい。
比較項目 | 釣り用クーラーボックス | キャンプ用クーラーボックス |
主な用途 | 魚や餌を新鮮に保存・運搬 | 食材・飲料の保存・保冷 |
保冷力 | 〇魚の鮮度を保つため、保冷力の高いものが多い | △連泊にも使用出来る保冷力を持った製品もあるが、全般に釣り用に比べて若干劣る |
頑丈さ | 〇船上や磯でも耐えられるタフな作りのものが多い | △釣り用ほどの強度を持つ製品は少ない |
排水機能 | 〇魚の血などを排水できる機能が付いている | △排水機能付きの製品もある |
滑り止め機能 | 〇揺れる船上でも滑らないよう滑り止めが付いている | △滑り止めが付いているものは少ない |
付加機能 | 〇魚のサイズを測れる目盛り付き。ロッドホルダー後付け可能なものもある | 〇ドリンクホルダーを取り付け可能なものもある |
密閉性 | 〇魚の血や匂いなどが漏れないよう密閉性は高い | △釣り用ほど密閉性は高くない |
デザイン性 | △実用性重視のものが多い | 〇デザインが豊富で選択肢が広い |
カラー | △保冷力重視のため光を反射しやすい白いカラーのものが多い | 〇様々なカラーの製品があり選択肢が広い |
機能性 | 〇蓋に座れるものや機能性重視のものが多い | △機能性よりデザイン性を重視したものが多い |
携行性 | 〇25ℓ以上のものはキャスター付きが選択できるものが多い | 〇キャスターや伸縮ハンドル付きで移動が楽なタイプが多い |
コスパ | 〇安価でも比較的保冷力が高いものが多い | △デザイン重視で、保冷力に対して価格が高価なものもある |

釣り用のクーラーボックスが適している方
釣り用が適している方
●保冷力重視の方
●釣りに使用する方
●釣りにもキャンプにも使用したい方
●費用は押さえたいが保冷力は欲しい方
●デザイン性よりも機能性重視の方

キャンプ用クーラーボックスが適している方
キャンプ用が適している方
●機能性よりデザイン性重視の方
●ほどほどの保冷力があればいいという方
●個性を主張したい方
●同じキャンプ用品メーカーで揃えたい方

クーラーボックスの大きさ
クーラーボックスはどのくらいの大きさがいいのか、初めて購入する場合はわからないと思いますので、Yobo爺なりの経験からくる最適な大きさについてご紹介したいと思います。
しかし、同じ容量のクーラーボックスでも、釣り用とキャンプ用では形状などが違いますので、一概に語れないところもあります。
釣り用クーラーの特徴は、同じ容量のものに比べて細長く出来ているのが多く、容量の割に大きな魚を入れられるのが特徴です。
キャンプ用クーラーの特徴は、一般的によく見られる箱型や小型のものには縦型のものがあったり、デザインが豊富でいろんなカラーのものがあり、選択肢が広いのも特徴です。

クーラーボックスの大きさの目安
それでは、クーラーの容量によってどのくらいのサイズの魚が入れられるのか、またどれくらいの人数の食材などを入れられるのかの目安をご紹介します。
容 量 | 釣り用(魚のサイズ) | キャンプ用(1泊の人数) | |||||
15L~25L | キスなどの小物釣り | ソロキャンプ | |||||
25L~35L | 根魚やイナダ・ワラサ | ソロ~2人 | |||||
35L~45L | ワラサ・ヒラメ | 2人~3人 | |||||
45L~60L | ブリ・大ヒラメ | 3人~4人 | |||||
60L~ | 大型青物 | 4人~6人 |
あくまでも目安ですしYobo爺の主観も入っていますが、今までの経験からいくとこんな感じだと思います。
大は小を兼ねると言われますし、確かにそう思いますが、極端に大き過ぎるのはかえって使いずらいと思いますし、自宅の保管場所にも困りますので、ほどほどにしたほうがいいと思います。
釣り用に関しては、そのままクーラーに入れられるサイズで考えてありますが、船上で頭を落としたりして入れるのであれば、同じ容量でもワンサイズ大きな魚を入れる事が可能です。
それと、クーラーには魚や食材はもちろん、保冷剤なども入りますので、クーラー本体と合わせると相当な重さになりますので、それを加味して購入して下さい。

おすすめのクーラーボックス
15L~25L
Shimano:ユニフリーズ 20L
先ずは、Shimanoのユニフリーズというクーラーボックスをご紹介します。
20Lと小型のクーラーですが、内寸で45cmと非常に長さがあるため、グッドサイズの魚を曲げずに持ち帰ることが出来ます。
密閉性に優れて保冷力も高く、座る事が出来る蓋は左右両開きで、さらに簡単に外すことが出来、ワンタッチで水抜きも出来る、コスパに優れたクーラーです。
Igloo:IMX 24
次は、アメリカのクーラーボックス No.1 のブランドであるイグルーのクーラーボックス IMX 24 をご紹介します。
非常に頑丈で、武骨な見た目でキャンプ場でも映えること間違いなしです。
25L~35L(程度)
Shimano:スペーザベイシス350キャスター
Shimanoのスペーザ ベイシス 35L キャスター付きです。
内側の幅が60cmあるので、ワラサや食べ頃のヒラメまでそのまま入れることが出来ますし、いつものように?大漁でもキャスター付きなので楽に運ぶことが出来ます。
Yobo爺はこのワンランク下のスペーザライトを改造して使っていて、次回この改造についてご紹介しようかと考えています。
Coleman:ホイールクーラー/28QT
次は、コールマンのホイールクーラー/28QT のご紹介です。
スライド式キャリーハンドル&ホイール付きなので、キャンプ場での持ち運びも非常に楽に行なえますし、非常に安価なのも魅力です。
35L~45L
Shimano:スペーザ ホエール 45L
Shimanoのスペーザ ホエール 45L のご紹介です。
大物狙いのあらゆる利便性を追求したオフショアクーラーで、内寸70cmの長さがるためワラサもそのままいれることができますし、キャスターとハンドルが付いていますので持ち運びも非常に楽です。
Coleman:ポリライト48QT
45Lと非常に大きなクーラーですが、キャスターが付いていないため持ち運びが大変なので、オートキャンプ場などの車を横付けできるキャンプ場で使用する必要があります。
使い方は限られますが、非常に安価なのも魅力です。
45L~60L
Daiwa:トランクマスターHD II 6000
DaiwaのトランクマスターHD II 6000 のご紹介です。
トランクマスターと言えば、Shimanoのスペーザホエールシリーズと共に大型クーラーボックスの代名詞的な存在で、内寸85cmですのでブリもそのまま入れる事が可能です。
キャスターやハンドル、水抜き栓や両開きの蓋、それに優れた保冷力と、クーラーに求められる性能を全て持ち合わせたクーラーです。
Coleman:54QTステンレススチールベルトクーラー
コールマンの54QTステンレススチールベルトクーラーのご紹介です。
丈夫でスタイリッシュな大容量約51Lスチール製ハードクーラーで、非常に人気の高いクーラーボックスで、キャンプ場でも見掛ける事が多く、スタイリッシュで美しいクーラーです。
このクーラーもキャスター等が付いていないため、オートキャンプ場などの車を床付けできるキャンプ場で使用するのがおすすめです。
60L~
Coleman:エクストリームホイールクーラー/85QT
コールマンのエクストリームホイールクーラー/100QTのご紹介です。
クーラーボックスとしては最大級の容量95Lとなっていて、さずがアメリカンサイズだなと思わされるクーラーです。
サイズの割に重量は9kgと非常に軽く、価格も安価なのが魅力で、大人数でのグループキャンプにはおすすめのクーラーです。
クーラーのまとめ
今回は、魚やビールをキンキンに冷やすため絶対必要な、夏に大活躍するクーラーボックスについてでしたが、いかがでしたか?
クーラーボックスには釣り用とキャンプ用、機能性を重視したものやデザイン性の高いものなど、様々なタイプのものがありますので、この記事を読んでクーラー購入の参考にしてくれれば幸いです。
高価なアイテムですので、「これ買うんじゃなかった。」とならないよう十分に検討して下さい。
次回は安価なクーラーの保冷力アップのための改造についてご紹介したいと思います。
それではお楽しみに。

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