
「キャンプを始めたいけど、道具が多すぎて何から買えばいいのか分からない」。
これは、キャンプ初心者の多くが最初にぶつかる悩みではないでしょうか?
ネットやSNSを見ると、おしゃれなギアや便利そうな道具が次々と登場し、「これ、全部必要なの?」と不安になってしまいます。
しかし実際にキャンプをしてみると、最初から全てを揃える必要が無い事がわかりますし、むしろ、必要以上に道具を買ってしまい、後悔する初心者の方も少なくないのが現実です。
この記事では、これからキャンプを始める初心者の方に向けて、「本当に必要なキャンプギア」だけを厳選してご紹介します。
最低限これがあればキャンプは成立する、という視点で解説していきますので、これからギアを揃える方はぜひ参考にしてみてください。
それでは始めましょう!
初心者が陥る「底なし沼」
キャンプ初心者がギア選びで失敗しやすい最大の理由は、「キャンプ=道具がたくさん必要」というイメージを持ってしまうことです。
それは、メーカーのマーケティングやSNSの「映え」も大きな要因で、キラキラした写真を見ると「あれもこれも必要」という錯覚に陥り、結果初心者の方は「キャンプギアの底なし沼」にはまるのです。
例えば、「冬キャンプをする予定がないのに、極寒仕様の高級シュラフを買う」、「ソロキャンプがメインなのに、大家族用の巨大なタープを買う」といったケースです。
キャンプギアは、用途に合っていなければただの重い荷物になってしまいます。
断言します!「高価なギアを持つ事と、キャンプを楽しめる事は別問題です。」
初心者の段階では、自分のキャンプスタイルすら固まっていませんので、最初は「最低限で始める」という考え方がとても大切なのです。
そして、回数を重ねるごとに「自分に足りないもの」を足していく、これこそが、沼に沈まずにキャンプを長く楽しむための唯一の戦略です。

「命を守る道具」と「楽しむための道具」
道具を揃える際は、「命を守る」「不快を避ける」「楽しむ」という3つの要素について考える事をおすすめします。
命を守り、不快を避ける(予算をかけるべき場所)
キャンプは自然の中で過ごす行為です。
急な雨や気温の変化、地面の凹凸などは、想像以上に体力を奪います。
【予算をかけるギア】
◆ テント:雨風を凌ぐシェルターであり、快適に過ごすためのリビング。
◆ 寝具(マット・シュラフ):睡眠の質を左右し、翌日の体調に影響を与えます。
◆ 雨具・防寒着:山の天気は変わりやすいものです。
これら、自分の身体のコンディションに直結する道具には、ある程度の予算を割くべきです。
安すぎるノーブランド品で「夜中に寒くて眠れなかった」「雨漏りした」となっては、二度とキャンプに行きたくなくなってしいます。
楽しむための道具(代用や節約が可能な場所)
一方で、調理器具や食器、装飾品などは、工夫次第でいくらでも節約できます。
【代用が可能なギア】
◆ 食器:100円均一や家にあるプラスチック容器で十分。
◆ 調理器具:家で使っているフライパンやカセットコンロが意外と優秀。
◆ 椅子や机:まずは安価な折りたたみ式でも、キャンプの楽しさは損なわれません。
この「掛ける所には掛け、抜くところは抜く」というメリハリが、賢いギア選びの鉄則です。
【最優先】本当に必要なギア5選
それでは、具体的に「これだけは揃えてほしい」という5つのギアを紹介します。
テント:広さと設営のしやすさのバランス
テント選びで最も重要なのは、スペック上の「収容人数」に惑わされないことです。
【テント選びのポイント】
◆ 選び方のコツ
快適に過ごすためには、実際の使用人数+1人分のサイズを選ぶ事が重要です。
そうする事により、荷物を置くスペースが確保できます。
◆ おすすめのタイプ
初心者は「自立式」のドームテントや、設営が極めて簡単な「ワンポールテント」がおすすめです。
特に、雨風に強い「ダブルウォール(内帳と外張りの二重構造)」のものを選んでください。

寝具(マット&シュラフ):実はテントより重要?
初心者の方が最も軽視しがちなのが「マット」です。
実は、寝袋(シュラフ)よりもマットの方が睡眠の質に影響を与え、 地面からの冷気は、冬場だけでなく春や秋でも体温を奪います。
【寝具選びのポイント】
◆ マット
地面の凸凹や硬さ、そして冷気を遮断してくれます。
快適に過ごすにはエアマットやインフレーターマット、地面がフラットな場合はクローズドセルマットでも大丈夫です。
◆ シュラフ
使用する季節の「快適温度」をチェックしてください。
迷ったら、予定している最低気温より5℃低いものを選ぶのが安全です。
チェア:キャンプの8割はここに座っている
キャンプ中、寝ている時間以外で最も長く接しているのが椅子です。
【チェア選びのポイント】
◆ 選び方のコツ
自分の座り心地を最優先してください。
立ち座りが多いなら「ハイタイプ」、ソロなどの少人数や焚き火をゆっくり眺めたいなら「ロータイプ」が適しています。
「ローチェア」であれば、雨の時でもテント内で使用できます。
◆ 注意点
必ず一度、アウトドアショップで実際に座ってみることを強くおすすめします。
見た目が良くても、実際の座り心地が悪ければ快適に過ごせません。
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ランタン:メインとサブ、最低2つ必要
キャンプ場の夜は、都会では想像できないほど真っ暗になります。
【ランタン選びのポイント】
◆ メインランタン
サイト全体を照らすメインランタンは、最初は光量の強いLEDランタンがおすすめです。
誰もが扱いやすく、安全だからです。
◆ サブランタン
手元を照らしたり、テント内で吊るして照らしたりするための小型ランタンです。
最近は充電式のLEDランタンが主流で、火災や火傷の心配がないため初心者には最適です。
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テーブル:調理と食事を支える縁の下の力持ち
地面に直接物を置くと、虫が付いたり汚れたりしまので、小さくてもテーブルは必要です。
【テーブル選びのポイント】
◆ 選び方のコツ
熱い鍋を直接置ける「アルミ製」や、雰囲気がいい「ウッド製」がありますが、初心者の方には軽くて手入れが簡単なアルミ製の折りたたみテーブルから始めるのが無難です。
「ローテーブル」であれば、雨の時にはテントの前室やテント内でも使用可能です。
【調理・食事編】スマートなキッチンギア
「キャンプ飯」は大きな楽しみの一つですが、最初から本格的なアウトドアクッカーを揃える必要はありません。
カセットコンロは最強の初心者ギア
多くのアウトドア雑誌などでは、コンパクトな「シングルバーナー」が推奨されます。
しかし、初心者に一番おすすめしたいのは、実は家庭用のカセットコンロ(または屋外対応のタフまる等のモデル)です。
【カセットコンロのメリット】
「家で鍋料理の際に使い慣れている」、「五徳が安定していて大きな鍋も置ける」、「燃料(CB缶)がどこでも安く手に入る」などの「安心感」は、慣れない屋外調理において何物にも代えがたいメリットになります。
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クッカーは家にあるもので代用
【クッカーは代用可能】
「メスティン」や「クッカー」は格好いいですが、最初は家のフライパンや小鍋で十分です。
ただし、焚き火で調理する場合は、煤で真っ黒になるため、専用のものを買うか、アルミホイルを巻いて保護する工夫が必要ですが、焚火調理は慣れが必要ですので、カセットコンロを使用する事をおすすめします。
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あると劇的に快適になる「地味な必須アイテム」
カタログのメインページには載りませんが、これがあるかないかでキャンプの「疲労度」が激変するアイテムがあります。
ペグ:付属のペグは卒業しよう
テントを買うと、細いアルミペグが付いてくることが多いですが、これらは地面が固い場所では全く役に立ちません。
【ペグ選びのポイント】
◆ 鍛造ペグ
どんなに固い地面でも突き刺さる頑丈な鍛造ペグを、最低でも8本は持っておく必要があります。
◆ ペグハンマー
パワーの有る方はDIYで使用している普通のハンマーでも問題ありませんが、パワーのない方は、しっかりと重みのある専用のペグハンマーを使うことで、設営時間が大幅に短縮され、体力も温存できます。
頑丈な収納ボックス(コンテナ)
バラバラになりがちな小物を一つにまとめられる収納ボックスは必須です。
「トランクカーゴ」のような頑丈なタイプなら、踏み台やサイドテーブルとしても活用できます。
厚手の銀マット
テントの下に敷く「グランドシート」とは別に、テントの中に敷く「インナーマット」があると、地面の凸凹を解消してくれて快適です。
専用品は高いので、ホームセンターで売っている厚手の銀マットを敷くだけで、地面の凹凸が消え、断熱性も格段に上がります。

「最初は買わなくていい」キャンプギア
欲しくなる気持ちはわかりますが、1回目、2回目のキャンプでは我慢しても良いものをリストアップしてみました。
【買わなくていいキャンプギア】
◆ 高価なハードクーラーボックス
1泊程度のキャンプなら、家にある安価なクーラーボックスや保冷バッグ、それにソフトクーラーでも工夫次第で十分乗り切れます。
また、安価なクーラーボックスを改造し、「保冷力をアップ」させるのもおすすめです。
◆ 専用の食器セット
洗う手間を考えると、最初は使い捨ての紙コップや紙皿が使いやすいでしょう。
環境への配慮は、キャンプに慣れてからで遅くありません。
◆ 複雑なキッチンテーブル
調理用の専用台は、場所を取る上に設営が面倒ですので、メインテーブルの端で調理すれば事足ります。
◆ 大量のランタンスタンド
木に吊るしたり、テーブルに置いたりすれば、専用のスタンドがなくても何とかなります。
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失敗しないギア選び3箇条
最後に、道具を買う際の「3つのルール」をご紹介します。
スペック(数値)よりも「自分のスタイル」
「耐水圧10,000mm!」と言われても、台風の中でキャンプをしない限りそこまでの性能は必要ありません。
それよりも「車に積めるか?」「自分一人で設営できるか?」という、自分の現実的な利用シーンを想像して購入する事が重要です。

購入前に「レンタル」や「デイキャンプ」を挟む
いきなり高級テントを買う前に、キャンプ場のレンタル品を使ってみるのが最も賢い方法です。
「自分にはこのサイズは大きすぎるな」とか、「この椅子は腰が痛くなるな」という気づきが、最高の買い物への近道になります。

「軽さ」と「丈夫さ」のトレードオフを理解する
一般的に、軽くて丈夫なものは非常に高価(チタン製や最新の軽量素材など)です。
車で行くオートキャンプなら、多少重くても安くて丈夫なスチール製やアルミ製を選んだ方が、財布にははるかに優しいです。
ギアは「一気に揃えない」が正解
キャンプギアは、一度に揃えようとしないことが大切です。
キャンプを重ねる中で、「次はこれが欲しい」と感じたものを少しずつ追加していくプロセスも、キャンプの楽しみの一つでもあります。

まとめ:最小限の装備で、最大限の思い出を
今回は、キャンプを始めるために最低限必要なキャンプギアについてでしたが、いかがでしたか?
ご紹介してきた通り、キャンプ初心者に本当に必要なギアは、思っているほど多くありません。
完璧な装備を揃えてから出発しようとすると、いつまで経ってもデビューできませんので、先ずは寝るための場所と、座るための椅子、そして少しの明かりを持ってフィールドへ飛び出してみてください。
不便さを楽しむ中で、「次はこれが欲しいな」「これがあったらもっと便利だな」と感じるものこそが、あなたにとって必要なキャンプギアになります。
そうして手に入れたキャンプギアは、あなたにとって一生モノの相棒になるはずです。
大切なのは「最初の一歩を踏み出すこと」。
この記事が、最初の一歩の助けになれば幸いです。




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