
今回は、キャンプ初心者におすすめのガスストーブは、OD缶ストーブなのか、それともCB缶ストーブなのかについてのお話です。
前回までキャンプ用ガスストーブについてあれこれご紹介してきましたが、「結局のところ初心者にはどっちなの?」という、ある意味永遠のテーマとも言えるテーマです。
コスパや使いやすさなど、いろんな角度から検証していきますので、最後までご覧になりガスストーブ購入の参考にしてくれれば幸です。
それでは始めましょう。
ズバリ、初心者におすすめはCB缶ストーブ!
結論としては、初心者におすすめはCB缶ストーブと言う事になります。
これはあくまでもYobo爺の意見になりますが、コストなどいろんな視点から見た結果、CB缶ストーブが初心者にはおすすめという結論になりました。
それでは、その詳しい理由などについて解説して行こうと思います。

燃料缶の特徴
先ずは、OD缶燃料とCB缶燃料の特徴を現した表になりますので、これを基に一つ一つの比較項目について解説していきます。
比較項目 | OD缶燃料 | CB缶燃料 | ||||||
価格の安さ | × | 〇 | ||||||
ランニングコスト | × | 〇 | ||||||
入手のしやすさ | × | 〇 | ||||||
低温での使用 | 〇 | × | ||||||
強風での使用 | 〇 | × | ||||||
サイズ(容量)の種類 | 〇 | × | ||||||
スタッキングのしやすさ | 〇 | × |

燃料缶の価格
次の表は燃料缶の本体価格を表した比較表になります。
なお、価格はネット通販の一般的な価格になります。
項 目
| OD缶(Prims) | CB缶(FOREWINDS) | ||||||||||||
ノーマルガス | ハイパワーガス | ノーマルガス | ハイパワーガス | |||||||||||
250G | 250T | ノルマル | イソ | |||||||||||
価格(1本当り) | 550円 | 700円 | 270円 | 370円 | ||||||||||
価格(3本パック) | - | - | 800円 | 1,100円 |
ノーマルガス、ハイパワーガスのいずれもCB缶の実売価格がOD缶の約半値となっていますので、これは購入を検討する上で非常に重要な点だと思います。
CB缶は一般家庭でも普通に使われており流通量も多いことから、余計にも価格が抑えられているという事だと思います。

ランニングコスト
燃料缶の本体価格を見ても分かる通り、長期的に見るとそれなりにランニングコストに差が出てきますので、毎週のようにキャンプを行っているヘビーユーザーの方にとっては重要な点だと思います。
逆に言うと、キャンプはせいぜい年に数回という方にとっては、そこまで気にしなくて大丈夫ではないでしょうか。

入手のしやすさ
CB缶はコンビニやスーパー、ホームセンターそして100円ショップなど何処でも手に入りますが、OD缶はアウトドアショップやネットで購入する必要があり、入手のしやすさは圧倒的にCB缶のほうが簡単です。
一部のホームセンターでもOD缶を置いている店もありますが、万が一キャンプに燃料缶を忘れた場合、最悪は火を使えないという事もあり得ますので注意が必要です。
また、CB缶のハイパワーガス缶については何処でも手に入るという訳ではなく、OD缶と同じようにアウトドアショップやネットでの購入となりますので、これについてもご注意ください。
しかし、高地や冬期の気温が低い時期にはキャンプはしないという方にとってはノーマルガスで十分ですのでこの点についてはOD缶でもCB缶でも問題無いという事になります。
厳しい環境下での使用
基本的に家庭用として作られているCB缶と違い、OD缶はアウトドアでの使用を想定して作られているため低温や風などにも強く、火力が安定しているのが特徴です。
登山家の方々がOD缶燃料のストーブを使用していることからも分かるように、現在のところ厳しい環境下ではOD缶燃料一択と言っていいと思います。
しかし、キャンプ初心者の方は登山や高地、そして冬期などはキャンプしないと思いますし、おすすめもしませんので、そうなるとOD缶である必要は無く、CB缶でも十分という事になります。
収納性やスタッキング
燃料缶サイズ | OD缶 | CB缶 | ||||||
250 | φ110×H90mm | φ68×H198mm | ||||||
110(ジュニアサイズ) | φ90×H65mm | φ65×H129mm |
燃料缶の径などを見るとOD缶の方がコンパクトなのが分かると思いますし、ソロクッカーの多くはOD缶をスタッキングできるサイズに出来ていると言っても過言ではありません。
特に登山では、OD缶とストーブ本体をクッカーに収納して持ち運ぶことで荷物をコンパクトにすることが可能になり、厳しい環境の中でこれは非常に大事な事になります。
このように、あくまでもスタッキングという観点から見た場合はOD缶が優れているという事になりますが、そこまで収納性にこだわらない普通のキャンプでは、CB缶でも特に問題ないとも言えます。
災害用として
災害時の備えとしては、収納性を考えた場合はOD缶燃料のほうがクッカーにスタッキング出来るなどスペースも取らないので適していると言えます。
ただし、燃料缶の調達の事を考えると圧倒的にCB缶が優れていますので、どちらも一長一短と言ったところでしょうか。

燃料缶のまとめ
燃料缶としての特徴は以上の通りとなります。
登山や高地での使用、またバックパックなどの厳しい環境下での使用は、アウトドア用に開発されているOD缶燃料のほうが適していると言えます。
しかし、キャンプ初心者の方の使い方を考えた場合、それほど厳しい環境でキャンプを行う事はほぼ無いと思いますし、そうなると入手しやすくて価格が安いCB缶が適しているという事になります。
ストーブとしての特徴
実際には一体型が分離型なのかによっても違ってきますが、今回はあくまでも一体型として比較しています。
比較項目 | OD缶ストーブ | CB缶ストーブ | |||||||||
ストーブ本体の価格 | △ | 〇 | |||||||||
燃料缶との接続のしやすさ | 〇 | 〇 | |||||||||
ストーブ本体の収納性(携行性) | 〇 | △ | |||||||||
調理時の安定性 | × | 〇 | |||||||||
見た目のアウトドア感 | 〇 | △ | |||||||||
低温や強風時の使用 | 〇 | △ | |||||||||
省スペース | 〇 | △ | |||||||||
出力(火力) | 〇 | △ |
それでは、この比較表を基に一つ一つの項目について解説していきます。

ストーブ本体の価格
ストーブ本体の価格は、CB缶ストーブのほうが全般的に安価だと言えます。
非常に人気の高いFOREWINDSのコンパクトキャンプストーブは、実売価格で3,600円程度で売られていますし、同じく人気の高いSOTOのST-310は6,000円台と、非常に手に入れやすい値段となっています。
OD缶ストーブでもキャプテンスタッグのオーリック小型ガスバーナーのように4,000円台で売られているものもありますが、人気の機種は9,000円程度のものが多くなっています。
燃料缶との接続にしやすさ
これに関してはどちらも超簡単で、甲乙つけがたいと言えます。
OD缶は回してはめるだけ、CB缶は押し込んで回すだけと、どちらも誰もが簡単に接続可能です。

ストーブ本体の収納性(携行性)
ストーブ本体の収納性や傾向性を考えるとOD缶ストーブのほうが優れてはいますが、登山やバックパックを楽しむ方以外であれば特にそこまで収納性を考慮する必要も無いと思います。
ソロキャンプに行くと言っても車やバイク、もしくは自転車で移動する方がほとんどだと思いますので、そこまで携行性にこだわる必要もありません。
そもそも初心者キャンパーがいきなり登山やバックパックに挑戦することは無いと思いますし、おすすめもしませんので、OD缶であろうがCB缶であろうが問題無いと思います。
調理時の安定性
調理時の安定性は、重心の低いCB缶が圧倒的に優れていますし安全です。
OD缶ストーブは、ガスカートリッジの上にストーブ本体をセットして使うため、クッカーを載せるとかなりの高さになり、慣れないと使いにくく感じると思います。
一方CB缶ストーブは、ストーブ本体を接地させて、その上にクッカーが載りますので、ガスカートリッジが無い分低く出来るので安定感があり調理しやすくなっています。
特にキャンプに慣れていない初心者の方にとって、調理の際の安定感は非常に有難いと思います。
見た目のアウトドア感
見た目のアウトドア感という事になると個人の嗜好の話になってしまいますが、Yobo爺のような還暦を過ぎているキャンパーにとっては、ガスストーブと言えば昔ながらのOD缶ストーブとなります。
しかし、CB缶ストーブも今では認知されて、キャンプ場でも今ではCB缶ストーブのほうが多いのではないかと言うくらいですし、昔のような家庭用というイメージは無くなってきたのも確かです。
この辺は嗜好の問題ですので、どちらでもお好きなほうをどうぞ、という事になります。

低温や強風時の使用
低温や強風などの厳しい条件のもとでは、基本的にアウトドア用として作られているOD缶を燃料とするOD缶ストーブのほうが火力が安定しています。
しかし、何度も言うようですが、初心者キャンパーさんはそのような厳しい条件下でキャンプをするようなことは無いですし、おすすめもしません。
ですので、OD缶ストーブだろうがCB缶すとーぶだろうが、基本的にはどちらでも問題無いという事になります。

省スペース
省スペースとは、ガスストーブを置いて調理するのに必要なスペースで、これについてはガスカートリッジの上にストーブ本体を接続してクッカーを載せるOD缶ストーブのほうが省スペースとなります。
CB缶ストーブは、ストーブ本体の横にCB缶を接続するので、横にしたCB缶の上がデッドスペースとなり、調理に必要なスペースがより必要になります。
これを解決するには、CB缶ストーブ用の遮熱テーブルを使用する事によって、CB缶の上部をテーブルとして使用出来るようになり、デッドスペースを解消できます。

出力(火力)
出力(火力)に関してはOD缶ストーブのほうが一般的に大きくなっています。
CB缶ストーブの場合、Yobo爺の知る限りではSOTOのレギュレーターストーブ Rangeの2,800kcal/hが一番大きく、一般的には2,000~2,500kcal/hとなっています。
OD缶ストーブの場合は、EPIガスのNEO STOVEは何と最大で4,500kcal/hもの出力を誇るものもありますし、平均しても2,800kcal/h前後のものが多くなっています。
ただし、初心者は低温などの厳しい環境下でキャンプを行う事はまず無いと思うので、そうなるとそこまでの火力は必要としないので、CB缶ストーブの火力でも十分だと思います。
と言うか、CB缶ストーブの実際の火力は相当なもので、数値だけでは計れない素晴らしい性能を持っていますので、いつか実際の火力を比べて記事にしようと考えていますのでお楽しみに。
ストーブのまとめ
ストーブとしての性能に関しては、OD缶ストーブのほうが優れていることが分かると思いますが、調理時の重心の低さなどの扱いやすさに関してはCB缶ストーブのほうが優れていることが分かると思います。
初心者の方が登山などの厳しい環境下でキャンプを行う事は無いと思うので、必要十分な火力と調理時の安定性と扱いやすさを考えた場合、初心者におすすめはCB缶ストーブと言う事になります。

初心者におすすめのCB缶ストーブ
FOREWINDS:コンパクトキャンプストーブ
IwataniのアウトドアブランドForeWindsから発売されているコンパクトキャンプストーブです。
Iwataniのジュニアコンパクトバーナーと言えば分かりやすいと思いますが、それをさらにアウトドア感を高めた製品がコンパクトキャンプストーブです。
ガス栓のつまみがワイヤーに変更されたくらいで、見た目や仕様などはほとんど変わっていません。
バーナーヘッド部がすり鉢状で、さらにゴトクが風防の役目を果たしていたりするため風に強く、カタログ上の火力は2,300kcal/hと小さ目ですが、実際に調理する時の火力はもっと大きく感じます。
ガスを燃料とするシングルバーナーでは日本で一番売れてるという話からも分かるように、その使い勝手の良さがわかりますし、セミハードケースが付属しますので、持ち運びの際にも安心です。
SOTOのST-310と双璧をなすストーブで、最初の1台にお勧めなCB缶ストーブです。
SOTO:レギュレーターストーブST-310
次は、SOTOのレギュレーターストーブST-310です。
IwataniのジュニアコンパクトバーナーやForeWindsのコンパクトキャンプストーブと常に比較されますが、甲乙つけがたい素晴らしいストーブです。
火力は2,500kcal/hとなっており、今回紹介する一体型ストーブの中では一番大きい製品です。
脚が4本で安定性が高いですが、ゴトクと一体となっているため使用していると脚が熱くなり、場合によっては接地箇所を焦がしたり溶かしたりしてしまう危険性がありますので注意が必要です。
脚に付ける耐熱のシリコンゴムを使用する事をお勧めしますが、それでも手を触れると火傷の可能性がありますので注意して下さい。
また、ストーブを設置した状態で点火するには、オプションのアシストレバーを付ける必要がありますし、これについては必須と言えます。
FOREWINDS:マイクロキャンプストーブ
次は、ForeWindsのマイクロキャンプストーブをご紹介します。
非常にコンパクトなストーブで、重量は僅か186gとなっており、出力は2,000kcal/hと今回ご紹介する機種の中では最も小さいですが、実際に使った印象では数値以上の火力を感じました。
また、バーナーヘッドはすり鉢状になっていて、周囲には風防も付いていますので風に強い構造となっています。
本体が小型で見た目は不安定に感じますが、CB缶を接続する事によって安定しますので全く問題ありませんし、ゴトクも小さいですが、2人用のクッカー程度であれば問題無く調理可能です。
このストーブもセミハードケースが付属しますので、持ち運ぶ際にも壊れる事が無く安心です。
SOTO:レギュレーターストーブ トライトレイル
最後は、Yobo爺が今もっとも注目していると言うか最も欲しいストーブで、SOTOのレギュレーターストーブ TriTrail ST-350です。
非常にコンパクトなストーブで、ForeWindsのマイクロキャンプストーブの186gより軽い135gとなっていますし、ST-310と比べると約200gも軽くなっています。
また、これだけ小さくても出力は2,200kcal/hあり、カタログ上のスペックではコンパクトキャンプストーブとマイクロキャンプストーブの中間的な出力で、バーナーヘッドは風に強いすり鉢状になっています。
メーカーが登山用と記しているという事は、それだけ自信があるという表れだと思いますし、サイズを見ても本気で登山用のCB缶ストーブを作ろうとしたことがわかります。
コンパクトさを優先にしているためか、ゴトクが3本なので調理時のクッカーの転倒には注意が必要です。
爺も、そして周りでもまだ使っている方がいないので、実際の使い勝手の事は何とも言えませんが、一度は使ってみたいと思いますし、出来れば購入したいと思っています。
まとめ
今回は、初心者キャンパーさんにおすすめのガスストーブは、OD缶ストーブ?それともCB缶ストーブ?と題してお送りしましたが、いかがでしたか?
結論は、「初心者のおすすめはCB缶ストーブ。」となりましたが、これはあくまでも初心者が取り扱いやすいストーブと言う事ですので、OD缶ストーブはダメと言っているわけではありません。
ストーブとしての性能や収納性はOD缶ストーブが優れていますので、キャンプを経験していくうちに必ずOD缶のストーブも使ってみたいと思うはずです。
初心者キャンパーさんは、先ずはキャンプを楽しむ事、そしてキャンプ飯を作る楽しさを味わいながら経験を積んで行って下さい。
それではまた。

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