
キャンプ用のシングルバーナーといえば、必ず名前が挙がるのが、SOTO の レギュレーターストーブ ST-310 です。
発売から10年以上経った今も、多くのキャンパーに支持され続ける名機で、コンパクトながら安定した火力、CB缶が使える手軽さ、そして無骨ながらも機能的なデザインが魅力です。
この記事では、そんなST-310の特徴や他モデルとの違い、実際の使用感、そしてさらに快適に使うためのアクセサリーまで徹底解説しています。
これから購入を検討している方にも、すでに愛用中の方にも役立つ内容でお届けします。
前回のFWのコンパクトキャンプストーブと同様に、「今さら紹介してどうするの?」と思われる方も知ると思いますが、改めてその魅力を掘り下げたいと思いますので、是非最後までご覧下さい。
それでは始めます。
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ST-310とは?SOTOを代表する名機の魅力
SOTO(ソト)は日本の新富士バーナー株式会社アウトドアブランドで、信頼性と実用性を兼ね備えた製品ラインナップが特徴です。
中でもレギュレーターストーブ ST-310は、2008年に発売されて以来、長年にわたって愛され続けるロングセラー商品です。
最大の特徴は、「コンパクトさ」と「安定した火力」の両立ではないでしょうか。
折りたためば手のひらサイズになり、収納性は抜群で、それでいて寒冷時でも安定した火力を発揮し、キャンプ飯から湯沸かしまでこなす万能ぶりが魅力です。
見た目はシンプルですが、無骨なステンレスの質感や低重心デザインも人気の理由で、使い込むほどに味が出る「実用的な美しさ」が多くのキャンパーを惹きつけています。
ST-310の特徴や魅力
それでは、ST-310の特徴や魅力などをみていきましょう。
✦ 製品仕様
先ずは、製品概要のご紹介です。
【スペック】
●最大発熱量:2,500kcal/h
●本体重量:330g
●連続燃焼時間:約90 分(ST-760を1本使用時)
●使用時寸法:(幅)166×(奥行)142×(高)110mm
●収納時寸法:(幅)140×(奥行)70×(高)110mm
●点火方式:圧電点火方式
●使用燃料:CB缶ガス燃料(カセットボンベ)
✦ 外 観
ST-310の外観は、前回紹介したFORE WINDSのコンパクトキャンプストーブと比べて、武骨でアウトドア感が強いのが特徴です。

右がST-310のハードケース、左がコンパクトキャンプストーブの収納ポーチになります。
やはり、ハードケースの方が見た目もいいですし、持ち運びの際も安心ですね。
SOTOの製品にも、今後ハードケースが付くことを期待します。

ケースから取り出した状態の写真です。
どちらの製品も、折りたたみ方を考えた方には感心します。

組立てた状態のストーブを、上から写した写真です。
右側のST-310は、脚がどっしりしていて、見るからに安定感があることが分かります。
一方、コンパクトキャンプストーブは、ゴトクが大きいことが分かります。

CB缶をセットした写真です。
ST-310の見た目の安定感が写真からも分かりますが、コンパクトキャンプストーブにCB缶をセットすれば、安定感が増しますし、調理に問題は全くありません。
✦ 携行性
収納時の寸法は、幅140×奥行 70×高さ110mm と小さく、重量も330gと軽いので、バックパックなどにも全く問題無く収まるサイズです。
しかし、FORE WINDSの製品のようにハードケースが付属されておらず、収納ポーチに入れて持ち運ぶことになるため、ストーブ本体の損傷には十分注意が必要です。

✦ 火力の強さ
ST-310の出力は2,500kcalとなっていて、一体型のCB缶ストーブとしては比較的高出力な部類に入り、どんな調理もスムーズにこなせます。
しかし、FORE WINDSのコンパクトキャンプストーブのように、バーナーヘッドの周囲に風防が付いていませんので、風に対しての強さは若干劣るものと思われます。

これがST-310のドーム型のバーナーヘッドです。
周囲には風防が付いていませんので、風がそのまま当たります。

ST-310を全開にした写真です。
バーナーヘッドがドーム形状なので、コンパクトキャンプストーブに比べると若干炎が広がりますが、ヘッドの径が小さいため、直噴型の炎となります。
炎の勢いからも、出力が強いことがj感じ取れます。

✦ マイクロレギュレーター
ST-310は、マイクロレギュレーターというものを搭載しています。
これは、気温が下がってもガス圧を一定に保ち、火力の低下を防ぐ技術です。
一般的なOD缶バーナーやCB缶タイプのストーブは、気温が下がるとガス圧が弱まり、火力が落ちてしまうことがありますが、このレギュレーター機構により、低温下でも安定した火力を維持できます。
風防は付いていませんが、マイクロレギュレーターによる火力の安定性は、非常に大きなメリットです。
ST-310の使用感レビュー
それでは、ST-310の実際の使用感を見ていきましょう。
✦ 組 立
実際に取り出して組立ててみると、直感的に誰でも組立が簡単に出来ることが分かり、初めても全く迷うことなく、10秒もあれば組立出来ます。
CB缶もセットしやすく、非常に良く出来ていると思います。
✦ 点 火
ST-310には、他のCB缶ストーブと同様に、圧電点火装置というものが付いていますが、正直に言うと使い勝手が非常に悪く、そのままでは使い物になりません。

白丸で囲んだ部分が点火装置ですが、ストーブを置いた状態では押す事が困難です。
実際に点火するためには、本体を持ち上げ、点火した後にストーブを置いて調理をしなければなりません。
そのため、一旦火を消し、再度点火する場合は、一度クッカーを他の場所に置き、再び本体を持ち上げて点火する必要があります。
そのため、スムーズに点火させるために、黄色の矢印が示すアシストレバー(オレンジ色の部品)という、別売りの装置を取付ける必要があります。
これを取付ける事で、点火の作業がスムーズに行えますので、アシストレバーは必須と言えます。
なお、アシストレバーには様々なカラーのものがありますので、自分の好みのカラーのものを取付けて、個性を出すのもおすすめです。
ちなみにYobo爺はご覧の通りオレンジ色のものを付けていますが、個人的には気に入ってます。
✦ 本体の安定性
ST-310を置いた時の安定性は、写真を見ても分かる通り抜群です。

ゴトクと一体型の脚は、下に行くに従って広くなっているため、見るからに踏ん張りが利き、安定性が高いことが分かります。
しかし、設置にも広いスペースが必要となりますので、少しでもデッドスペースを解消するために、遮熱テーブルが有ったほうが良いと思います。
✦ 調理時の安定性
ST-310の特筆すべきは、低重心による安定性の高さです。

本体の高さをコンパクトキャンプストーブ(左)と比べたものですが、ST-310のほうがゴトクの高さが大分低いことが分かります。
これにより、調理時の重心が低くなるため、安定性が高いことが分かります。
しかし、本体を置いた時の安定性は抜群なST-310ですが、意外にゴトク径が小さいため、大き目のクッカーを載せて使う場合には注意が必要です。

ゴトク径は約12cmですので、あまり大きなクッカーは注意が必要な事が分かると思います。
ただし、次の写真のように、2~3人用のクッカーであれば何の問題もありませんし、ソロやデュオキャンプには持って来いの大きさのストーブです。

ST-310に、スノーピークの2~3人用のクッカーであるアルミパーソナルクッカーセットのLポットを載せた写真です。
ゴトクの大きさに対し、クッカーの大きさがジャストフィットしていることが分かりますし、4人用のファミリークッカーであれば、調理は可能だと思います。

写真は、30年程前に購入した、子供たちが小さい時にキャンプで使っていた、エバニューのアルミ製の4人用ファミリークッカーのLポットです。
クッカーの底径がφ16cmですが、特に不安定には見えませんし、転倒に注意すれば問題無く使えます。
✦ 調 理
先ほども触れた通り、ST-310の火力は2,500kcal/hで、コンパクトながら火力が強く、実際の調理には何の問題もありません。
火力調整用のバルブも使いやすいですし、火力調整の微調整も楽に行う事が出来ます。
特に、低重心設計による安定性は、4本のワイヤー脚が広く支持するため、重量のある鍋やスキレットも安心して載せる事が可能です。
デメリットも正直レビュー
素晴らしいクッカーであるST-310にも、いくつかデメリットはあります。
✦ 点火装置が使えない
先ずは、先ほども触れましたが、点火装置が使いずらく、後付けのアシストレバーが必要になるという事です。
別売りですので、自分でつける手間などが掛かりますが、取付けも非常に簡単ですし、何より自分が好きなカラーのものを付けることが出来ますので、逆にメリットと捉える事も出来ます。

✦ 脚が熱くなる
ST-310の写真を見てもらうと分かりますが、ゴトクと脚が一体となっていますので、調理の際はゴトクの熱が脚側に伝わり、触ると火傷してしまいますので注意が必要です。
また、手指だけでなく、シートなどを敷いて使っている場合は、シートに穴が開いてしまう危険性もありますし、下が芝生の場合は、芝生を傷めてしまいますので、注意が必要です。
それらを防ぐため、脚のワイヤーに通すシリコンチューブがありますので、それを取付ける事をおすすめします。

ストーブ本体の脚に付けてある、オレンジ色のものがシリコンゴムになります。
このシリコンチューブは、アシストレバーとセットで売られていますので、自分の好きな色を購入して取付けることが出来るため、個性を出す事も可能です。
このアシストレバーとシリコンチューブは必須と言えます。
また、シリコンチューブを取付けても、その部分はかなりの高温になりますし、それ以外の部分は熱いままですので、十分に注意は必要です。

✦ 専用ケース
ST-310のケースは、柔らかな収納ポーチですので、持ち運びの際に本体が損傷する危険性がありますので、可能であれば別売りの専用ハードケースを購入する事をおすすめします。
いろんなメーカーから発売されていますので、自分の好みのものを探して持ち運べば、損傷の危険も無く、安心してキャンプに行くことが出来ます。
ST-310はこんな人におすすめ!
ST-310は、「信頼性と扱いやすさを求める人」に最適です。
【特におすすめの人】
●ソロやデュオキャンプで軽量ギアを揃えたい人
●初めてのCB缶シングルバーナーを探している人
●寒い時期でも安定した火力を求める人
●オプション品などを利用してカスタムしたい方
以上になります。
まとめ:ST-310はソロ・デュオキャンパーの強い味方
今回ご紹介した、SOTO の レギュレーターストーブ ST-310は、発売から十数年経ってもなお愛され続ける名機です。
その理由は、「シンプルで信頼できる構造」と、「何時でも安定した火力を得られる」ところにあります。
火力・安定性・拡張性の三拍子が揃ったST-310は、これからキャンプを始める人にも、長年の愛用者にも応えてくれる素晴らしいガスストーブです。
シングルバーナー選びで迷っているのなら、絶対に外せないのがST-310ですし、間違いの無いストーブです。
次回は、同じ一体型のCB缶ガスストーブである、FORE WINDS の マイクロキャンプストーブをご紹介したいと思いますので、お楽しみに。
それではまた!



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