
スロージギングと言えば、リール、ロッド、そしてメタルジグが注目されがちですが、実はその釣果を陰で支えているのは、目立たない小物たちです。
それぞれが確かな役割を持ち、その一つでも欠ければ釣りが成り立たない事も。
今回は、そんな縁の下の力持ちたちにスポットライトを当て、選び方や使いこなしのポイント等をじっくり解説します。
それでは始めます。
事前準備関係
高速リサイクラー2.0
高速リサイクラー2.0とは、第一精工から発売されている製品で、リールのライン巻き替えを驚くほどスムーズにしてくれる超便利アイテムです。

Yobo爺が使っている高速リサイクラー2.0の写真になります。
本体下部のクランプを使い、テーブルなどにセットして使います。
主な特徴
●新品のラインを適切なテンションをかけながらリールに巻くことが可能。
●リールからラインを空スプールに素早く回収し、保管ができる。
●ギア比3.5:1を採用しており、高速巻取りが可能で、作業時間の大幅短縮が可能です。
●3つのボールベアリングを内蔵し、スムーズな巻き取りが実現されている。
●単体スプール用のシャフトと、連結スプール用のロングシャフトを使い分け可能。
これは、スロージギングアングラーのみならず、釣りをする方なら必須と言えるアイテムです。
ノットアシスト2.0
ノットアシスト2.0とは、これもまた第一精工から発売されている製品で、PEラインとショックリーダーを結ぶ際に使う補助器具になります。
必須と言う訳ではありませんが、ノットに自信がない方や、強度が安定せずに悩んでいる方には非常に有難いツールです。
特にFGノットやPRノットなどの「編み込み系ノット」を確実に結束できるようにするためのツールで、 指でやろうとすると難しいテンション管理や均一な編み込みを、道具の力で安定させるのが最大の役割です。
主な特徴
●PEラインを強く・均等に張ったまま編み込みできるので、滑らず安定した結束が可能。
●リーダーをしっかりとホールドするラバー素材のパーツが付いており、滑りにくく、力を入れやすい。
●手で直接ラインを持つより摩擦や傷の心配が少ない。
●難易度の高い結束も安定して作成可能。
初心者の方でも安定した結束強度を得られるため、結束が苦手な方にはおすすめのアイテムです。
必須小物関係
ここでは、これがなければ釣りにならないという必須小物についてご紹介します。
予備リーダー
根掛かりや高切れなど、スロージギングに限らず釣りにはそのようなトラブルが付きものですので、予備のリーダーは必ず持ち歩くことをおすすめします。

予備のリーダーは、海水による劣化などを防ぐため、写真のようなポーチなどに入れてタックルボックスに収納しています。
100円ショップにあるもので全く問題ありませんので、自分の好きなものを選んで下さい。
スプリットリングオープナー
スプリットリングオープナーとは、スプリットリングを開いて、フックやジグを素早く交換するための専用ツールです。
アシストフックやメタルジグを頻繁に付け替えるスロージギングでは必須の小物になります。
スプリットリングプライヤーという、スプリットリングを開くためのオープナーと、プライヤーが一体となったというものもありますが、スプリットリングを開くには正直使いずらいというのが本音です。
ただ単に、スプリットリングを開くためだけのものですが、スプリットリングオープナーが有ると無いとでは、ジグ交換の際の手返しが全く違います。

写真はYobo爺が使っている、オーナーばりのスプリットリングオープナーです。
非常に使いやすく、今では手放せない必須ツールとなっています。

先端部の突起が、スプリットリングの溝にピッタリとハマり、開きやすくなっています。
フィッシングプライヤー
ここで言うフィッシングプライヤーとは、主に魚に刺さったフックを安全に外すための専用のペンチの事です。
スプリットリングプライヤーや多機能タイプのプライヤーなど、種類も様々ありますが、いろんな機能が付いたものは便利そうに思いますが、意外に使いずらいものが多いものです。
一番の目的は、魚に刺さったフックを安全に外す事にありますので、特別な機能が付いていない釣り専用の普通のステンレス製のプライヤーが使いやすいと思います。
また、フックを外す際に魚が暴れて、フックが手指に刺さってしまう危険性が有りますので、最低でも全長で20cm以上の長さが必要と考えますが、あまり長過ぎるものも扱いずらいのでおすすめしません。
それと、プライヤーの先端部がストレートのものとカーブのものがありますが、その辺は個人の好みで選んで構わないと思います。

写真は、Yobo爺が使っているフィッシングプライヤーです。
20年以上使い続けているので、大分サビ付いていますが、何ら問題無く使えますし、これから何年もお世話になるツールです。

先端部はカーブタイプとなっていて、全長は23cm程となっています。
見た目も大事ですが、長く使い続けるものですので、とにかく丈夫なものがおすすめです。
ラインカッター
スロージギングに使用するPEラインは、繊維を編み込んで作られているため、通常のハサミでは潰れるだけで切れない場合が多くストレスとなりますので、専用のラインカッターが必要となります。
専用のラインカッターは細かいギザ刃(セレーション加工)や特殊な刃角度 を採用しており、PEラインもスパッと切れますし、フロロやナイロンのリーダーも問題無く切る事が可能です。
スロージギングは海釣りになりますので、ステンレス製やチタンコーティングなど、錆びに強い素材が必須となります。

写真は、Yobo爺が20年ほど使い続けているステンレス製のラインカッターです。
若干切れ味が悪くなってきたような感じがあるので、そろそろ買い替えかなと思っています。
とにかく切れ味と防錆性能が大事ですので、多少高くても良いものを選ぶ事をおすすめします。
有れば便利な小物関係
ここでは、必須と言うわけではありませんが、有ると便利な小物関係をご紹介します。
フィッシュグリップ
フィッシュグリップとは、大きな魚や歯の鋭い魚の口を掴み、安全かつ確実に魚をキャッチするためのアイテムです。
特に青物(ブリ、カンパチ、ヒラマサ)や大型の根魚はパワーが強いため、滑りにくく確実に保持できるホールド力が必要となります。
さらにオフショアでは、ステンレスやアルミ合金、チタンなどのサビに強い素材が主流で、内部のバネやネジ部分も錆びやすいので、防錆コーティングが施されているモデルが安心です。
また、フィッシュグリップで魚を掴み、吊り下げる事により、暴れる青物のフックも比較的楽にフックを外す事が出来ます。
現在は、グリップ機能に重量を計測できるスケール機能が付いているものもあり、簡単に魚の重さを量ることが出来ます。
さらに、釣った魚をフッシュグリップで掴んで持つことにより、奇麗な写真を撮る事も出来ますので、SNS等にアップしたい方には必須のアイテムとも言えます。

Yobo爺が使っているフィッシュグリップです。
数年前に4,000円程度で購入したもので、使い勝手も悪くないのですが、友人が持っている某有名メーカーの高価なものと比べると、ホールド力が劣ります。
イナダクラスでは問題無いのですが、ワラサやブリになると明らかにホールド力の違いが分かり、これが価格の差に表れるているのだと思います。
是非欲しいという方は、その辺を考慮し、ある程度の価格のものがおすすめとなります。
フィッシングナイフ
フィッシングナイフなんて必要なの?と思われる方もいると思いますが、釣れた魚を〆て鮮度を保ったまま自宅に持ち帰るための必須アイテムとも言えるものです。
ナイフにもキャンプ用やアウトドア用などのいろんなタイプのナイフがありますが、フィッシング用のナイフが魚を〆るには適していますし、錆にも強いのでおすすめです。

写真は、Yobo爺が30年以上使い続けているもので、通称「まきり」と言われるもので、漁師さんが使っている小刀です。
非常に切れ味も良く、持ち手も太くて握りやすくて力を入れやすいので、魚を〆るには持って来いです。

刃渡りは12cm程度で、30年以上砥いで使い続けていますので大分痩せてきていますが、まだまだ現役で使えます。
フィッシングナイフは、どんなに高価なものでも使っているうちに切れ味が落ちてきますので、定期的に刃を研ぐ必要がありますので、砥石も用意しておく事をおすすめします。
その際は、フィッシングナイフだけではなく、家庭で使う包丁も一緒に研ぐことで、かみさんのご機嫌取りにもなりますので、おすすめです。
スケール
スロージギングで釣り上げた魚の重量を正確に把握するために便利なのが フィッシングスケール(デジタルスケールとも呼ばれる) です。
必須と言うアイテムではありませんが、魚の種類ごとの自己記録の把握や、友人達と競争しながら釣りを楽しむには便利なツールです。
フィッシングスケールには、デジタル式とアナログ式があり、それぞれに特徴があります。
デジタル式は、100g単位や10g単位まで測れる高精度モデルもあり、正確な重量の測定に向いていますし、アナログ式は電池不要で耐久性が高く、シンプルで壊れにくいのが特徴です。
通常のスロージギングに使用する場合、最大で20kgまで測定できれば問題無いと思いますが、大型のキハダやカンパチを狙う方であれば50kg程度まで測定できるものが必要になります。

写真は、Yobo爺が使っているDaiwaのデジタルスケール 25です。
最大で25kgまで測定可能で、測定したデータを10個までメモリー可能となっています。
写真下にあるフックを魚のあごに刺してぶら下げて測定しますが、なかなか刺さりずらいので、フィッシュグリップであごを掴み、フィッシュグリップごと測定し、後でその分を差し引いています。
釣れた魚の長さも大事ですが、スロージギングの場合はどちらかと言うと重量のほうが大事かなと個人的に思っています。
自分のレコードを更新して行く楽しみもありますので、興味のある方は是非試してみて下さい。
メジャー
スロージギングのみならず、釣りをする人にとって、釣った魚のサイズを測ることは大きな楽しみのひとつですし、その全長を測るために必要となるのがフィッシングメジャーとなります。
フィッシングメジャーには2種類あり、船のデッキにメジャーを置き、そこに魚を置いて全長を測定するタイプがあり、これは写真撮影用としても非常に便利ですが、かさ張るのがデメリットです。
もう一つは、全長を測定するだけの細いメジャーで、目盛りも小さいので写真撮影用には適しませんが、コンパクトで持ち運びが楽なのがメリットです。

写真は、Yobo爺が使っているメジャーで、非常にコンパクトで、1.5mまで測定可能なものです。
ボタンを押すと、メジャー部分が本体に収納される仕組みになっていますが、中のバネが錆びると収納できなくなりますので、使った後は水で洗い、よく乾かしておく必要があります。

写真の通り、細くて目盛りも小さいので、写真撮影用にはなりませんが、個人的には重量のほうを優先していますので、特に問題無く使っています。
ロッドグリップテープ
ロッドグリップテープとは、ロッドのバット側(竿尻側)に巻いて使用するテープ状の滑り止めになります。
もともとはテニスやバドミントンのラケット用として普及していたグリップテープが釣具に転用され、滑り止めや快適性の向上を目的に使われています。
スロージギングの場合、ロッドのバット側を肘に当ててジャークする事が多いのですが、その際にロッドが滑って肘から外れる事があり、それを防ぐ目的で使用されます。
また、別の目的としては、ロッドスタンドに立てた際のロッドの傷付き防止や、様々なカラーのものがありますので、アクセサリー感覚で独自性を出す場合にも有効です。

写真は、Yobo爺のロッドに巻いたブラックカラーのグリップテープです。
雨の際に、レインジャケットを着ていても滑りにくいですし、ロッドの傷付き防止にもなりますので、全てのロッドに巻いています。
ブルー、レッド、イエローなどの単色のものや、柄物まで様々なタイプがありますので、自分の好みのものを巻いて自己主張するのもおすすめです。
必須ウエア
ここからは、必須のウエアについてご紹介していきます。
ライフジャケット
ライフジャケットは、落水などの何らかのトラブルの際に、自分の命を守るための必須のウエアですし、現在は遊漁船に乗る場合も着用が義務付けされている必須アイテムです。
特に、遊漁船に乗って釣りをする場合は、国土交通省が定めた安全基準に適合した「桜マーク」が付いているものでなければなりませんので、注意が必要です。
また、桜マークには、用途に応じたタイプが定められており、遊漁船に乗って釣りをする場合、全ての小型船舶に対応した最も安全基準が高いAタイプが必須とされていますので注意して下さい。
基本分類
固定式(フォームタイプ)
固定式とは、発泡材(ウレタンや発泡スチロールなど)が内蔵されており、常に浮力を発揮するタイプのライフジャケットです。
●メリット
常に浮力があるため信頼性が高い。
故障や作動不良の心配がない。
比較的安価で長寿命。
●デメリット
かさばるため、動きにくい。
夏場は暑い。
●適した釣り
磯釣り・堤防釣り・湖での岸釣りなど。
特に初心者や子供用はこのタイプが安心。
膨張式(インフレータブルタイプ)
膨張式とは、普段はコンパクトに折りたたまれており、落水時に自動または手動でガスが注入されて膨らむタイプです。
●種 類
手動膨張式:落水時に自分で紐を引いて膨らませるタイプ。
自動膨張式:水に浸かるとセンサーが反応して自動的に膨らむタイプ(手動操作も可)。
●メリット
普段はスリムで軽量なため動きやすく、釣り動作の妨げになりにくい。
夏でも快適に着用できる。
●デメリット
自動式は誤作動や作動不良の可能性がある。
ボンベ交換などメンテナンスが必要。
固形式に比べて高価。
●適した釣り
オフショアフィッシング全般。
岸釣りで動きやすさを優先したい人。
スロージギングの場合、手動及び自動膨張式が快適でおすすめです。
着用タイプ
着用タイプには、ベストタイプとウエストタイプに分けられます。
ベストタイプ
胴体に着用する一般的な形状のライフジャケットです。
落水時は上半身が浮きやすく、仮に気を失っていても頭部は浮いている状態となるが、ウエストタイプに比べると夏場などは快適性に劣る。
ウエストタイプ
腰に装着するもので、普段はコンパクトで、落水時に膨らんで首回りや胸元を浮かせるタイプで、非常に動きやすく、夏場は快適。
ただし、上下を間違って装着すると、いざと言う時に下半身が浮いてしまうので注意が必要。
ライフジャケット紹介
写真は、Yobo爺がメインで使っている手動膨張式のベストタイプで、Aタイプのライフジャケットです。

何故自動膨張式ではなく手動式を選んだかと言うと、以前使っていた自動膨張式が、特に水を被ったり落水したわけではなかったのですが、勝手に膨張してしまった事があったからです。
これは、Yobo爺だけではなく、周りの方にもそのような経験をした方がいたので、それ以降は手動式のものを選ぶようにしていますし、勝手に膨張する事も一切なくなりました。
あくまでも20年ほど前の話ですので、現在はこのような事は無いと思いますが。

このタイプは、中の膨張する部分に桜マークが付いていますので、「あれっ、付いて無い」と思わずに、中を確認してみて下さい。
次は、ウエストタイプのライフジャケットの紹介です。

これも手動膨張式のAタイプのライフジャケットになります。
20年以上使っていて、中のガスボンベも2回ほど替えてあります。
夏場専用として使っていますが、大分汚れてきて見た目もあまり良くないので、そろそろ買い替えかなと思ったりしています。

このライフジャケットは、裏側に桜マークが付いていますが、他の物は中の膨張する部分に付いているものもありますので、事前に確認しておいて下さい。
フィッシンググローブ
スロージギングに使用するフィッシンググローブは、単なる手の保護だけでなく、釣果や操作性にも関わる重要なアイテムですので、それらについてご紹介していきます。
フィッシンググローブの役割
手の保護
●PEラインやリーダーを直接扱う際の摩擦によるケガの防止。
●フックや魚の鋭い歯・ヒレからの保護。
●根掛かり時や強引なファイトの際の怪我予防。
グリップ力の向上
●ジグの交換時や魚を掴む際のグリップ力の向上。
●ロッドやリールを濡れた手で握っても滑りにくい。
疲労軽減
●手のひらのクッション性により、長時間シャクリ続けても疲れにくい。
●特に重いジグを多用するスロージギングでは有効。
フィッシンググローブの種類
フルフィンガータイプ
●全ての指を覆うタイプのグローブで、安全性が高い。
●防寒性が高く、寒い時期に適している。
●結びや細かい作業はやりづらいため、いちいち外す必要がある。
●夏場は暑くて快適性に劣る。
ハーフフィンガータイプ(ハーフカット)
●夏や春秋の気温が高い時期に快適。
●ラインやリーダーのノットなどの細かな作業が可能。
●指先が露出しているため、若干安全性に劣る。
●保温性が低く、寒い時期には使用不可。
グローブの素材
ネオプレーン
●ダイビングスーツにも使われる合成ゴム素材で、伸縮性と保温性が高い。
●水を含んでも体温を逃がしにくく、冬の釣りや寒冷地向き。
●夏場は暑くて蒸れやすくい。
寒い時期に使用するのに適した素材です。
合成皮革
●本革に似せて作られた人工素材で耐摩耗性が高い。
●水や汗に強く、グリップ力が高い。
●本革より軽く、メンテナンスも容易。
●安価なものは劣化しやすく、本革のような自然な馴染みはやや劣る。
オールシーズン使用できる素材で、種類も多く初心者の方におすすめの素材です。
本革製
●牛革や鹿革など、天然素材を使用したもので、強度とグリップ力に優れる。
●耐摩耗性が高く、ジギングや大物釣りで活躍。
●手に馴染む使用感が高い。
●重くて乾きにくく、乾燥後の硬化に対するメンテナンスが必要。
大物釣りに適した素材です。
グローブ紹介
次の写真は、Yobo爺が使っているグローブになります。

上:合成皮革のハーフフィンガータイプ
Shimano:ベーシック グローブ 5
春~秋の暑い時期に使用。
中:合成皮革のフルフィンガータイプ
Shimano:オシア ベーシック グローブ
春・秋の比較的涼しい時期に使用。
下:タイタニウム製のフルフィンガータイプ
RBB:タイタニュームグローブ
冬や春先の寒い時期に使用。
手指を守る安全性と、グリップ力の向上が目的のグローブは必須ですので、先ずは最低限、合成皮革のフルフィンガータイプと、ハーフフィンガータイプを揃える事をおすすめします。
便利小物のまとめ
今回は、スロージギングを陰で支える小物についてのご紹介でしたがいかがでしたか?
本当に小さなアイテム達ですが、これがなきゃスロージギングは始まりませんし、安定した釣果も得られない、非常に重要な小物たちです。
今回の記事を参考に、自分のタックルを今一度見直してみてはいかがですか?

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