
スロージギングの世界に足を踏み入れると、まず最初に直面する悩みの一つが「リール選び」ではないでしょうか。
特に、ベイトリールの中心的な機能の一つである「レベルワインド」の有無については、多くのアングラーが頭を悩ませるポイントです。
「レベルワインドがあった方が糸巻きが楽なのは分かるけれど、なぜベテランはレベワイなしの『オシアジガー』や『ブルーヘブン』を使っているのか?」「初心者がいきなりレベルワインド無しを使うとトラブルだらけになるのか?」
ネット上では、「レベルワインドは必要無し!」というストイックな意見もあれば、「今のリールは性能が良いからレベルワインド有りで問題無し!」という意見もあり、情報が錯綜しています。
この記事では、スロージギングにおけるレベルワインドの役割を、メリット・デメリットから、実釣における操作性、さらには狙う水深や魚種による使い分けまで、徹底的に深掘りしていきます。
読み終える頃には、あなたのフィッシングスタイルに最適なリールがどちらなのか、確信を持って選べるようになっているはずです。
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そもそもレベルワインド機構とは?
レベルワインド機構とは、リールのハンドルを回した際に、スプールの前にあるガイド(ラインを通す穴)が左右に往復運動をする仕組みのことです。
この動きによって、ラインがスプールに対して均一に、そして美しく整列して巻き取られます。
レベルワインドの基本的な仕組み
通常、ベイトリールの内部には「ウォームシャフト」と呼ばれる螺旋状の溝が掘られたシャフトが入っています。ハンドルを回すとこのシャフトが回転し、その溝に沿ってレベルワインドのガイド部が左右に駆動します。
この機構があるおかげで、釣り人は「ただハンドルを回すだけ」で、ラインが重なったり偏ったりすることなく回収できるのです。


ちなみにこの写真は、レベルワインダー無しのShimanoのオシアジガーFカスタム 1501HG になります。
レベルワインダー無しの場合、リール上部には何も無く、オープンになっていることが分かると思います。
スロージギングリールにおける現状
汎用的なバスフィッシングやタイラバ用のリールには、ほぼ100%レベルワインドが搭載されています。
しかし、スロージギングで使用されている大型の「ジギングリール」の多くには、この機構が付いていません。
なぜ、進化した現代のリールにおいて、あえて「自動巻き取り機能」を排除したモデルが存在するのか。
それは、スロージギングという釣りが「感度とスピード、そしてパワーを必要とされる釣り」だからです。
レベルワインドがないリールでは、アングラーが自分の親指を使ってラインを左右に振り分けながら巻く技術が必要になります。
この手間を代償にしてまで得られるメリットが、スロージギングには存在するのです。

初心者におすすめはレベルワインド付きリール
個人的な結論を言いますと、「初心者にはレベルワインド付きリール」をおすすめします。
何と言っても、ハンドルを巻くだけで勝手にラインを巻き取ることが出来、釣りに集中できるというのは、初心者にとっては非常に大きなメリットです。
レベルワインド付きリールには、カウンターというラインの放出量が一目で分かるリールもあり、サクラマス釣りの際には非常に便利です。
【レベルワインド付きリールのおすすめ】
◆ シマノ:オシアコンクエストCT 300XG・301XG
◆ ダイワ:ソルティガIC 300HL-SJ-C・300HL-SJ-C
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レベルワインド機構の種類と特徴
レベルワインド機構にも種類がありますので、その代表的な種類についてご紹介します。
シンクロレベルワインド機構
「シンクロレベルワインド機構」とは、連動式や同調式とも呼ばれいて、スプールの回転とレベルワインダーの動きが連動する機構です。
ライン放出時にもレベルワインダーがラインが出て行くのに合わせて動くため、ライン抵抗が少なく、よりスムーズな放出が可能です。
比較的高価なリールに多く採用されており、リールを購入する際にはこの「シンクロレベルワインド機構が付いているリール」をおすすめします。
非連動式レベルワインド機構
「非連動式レベルワインド機構」とは、ライン放出時にレベルワインダーは動かず、ライン巻き取り時のみ左右に動く機構です。
多くのベイトリールに採用されていますが、ライン放出時にガイドリングにラインが擦れるため、若干ではありますが抵抗が大きくなり、ラインの劣化も早まります。
連動式に比べると構造が簡単なため安価で、購入しやすいのも特徴です
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レベルワインド機構の仕組み
ここではレベルワインド機構の仕組みを簡単にご紹介します。
基本構造
【基本構造】
◆ ウォームシャフト:ハンドルの回転と連動して回転するネジ状のシャフトです。
◆ ガイドリング(レベルワインダー):ウォームシャフトの溝に沿って左右に移動するパーツで、ラインを通すための穴や溝があります。
◆ ギア: ハンドルからの回転をウォームシャフトに伝えるためのギアです。

これがウォームシャフトやガイドリング(レベルワインダー)を示した写真になります。

動作の仕組み
【レベルワイド機構の仕組み】
◆ ハンドルを回すとスプールが回転し、ラインの巻取りを行う。
◆ 同時にギアを介してウォームシャフトも回転する。
◆ ウォームシャフトのネジ溝にガイドリングの突起が噛み合っているため、ウォームシャフトの回転に合わせてガイドリングが左右に移動。
◆ ガイドリングの左右移動によってラインがスプール幅全体に均一に整列して巻き取られる。
以上、簡単ですがレベルワインド機構の動作の仕組みになります。

一方この写真は、ShimanoのオシアジガーFカスタム 1501HGのスプールの写真です。
ラインが凸凹に、そしてバラバラに巻かれているのが分かると思います。
Yobo爺が下手くそなのもありますが、実際にこのようになりますし、ひどい時はもっと偏ってしまいます。
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レベルワインド付きリールの特徴
ここでは、レベルワインド付きリールのメリット、デメリットについてご紹介します。
【レベルワインド付きのメリット】
① 指でラインを整える必要が無く、釣りに集中出来る
② ラインが食い込むことが無く、スムーズにラインを放出できる
③ 巻取りスピードが安定する
以上がメリットになりますので、それぞれ詳しく見ていきましょう。
① 指でラインを整える必要がない
最大のメリットは、何と言っても「巻き」に集中できることです。
ジグをシャクり上げている最中や、魚とのファイト中に、スプールのラインの状態を気にする必要がありません。
特に初心者の方にとって、不慣れなシャクリ動作と同時にラインを整列させるのは至難の業です。
② ラインの食い込み現象が無い
魚がヒットし、ドラグが出されるような場面では、スプールのラインが整列していないと「食い込み」という現象が起きます。
ラインが一部分に山盛りになってしまうと、次にラインが出ていく際に下の層にラインが挟まり、ロックして高切れ(ラインブレイク)を招くことがあります。
レベルワインドがあれば、常に平坦に巻かれるため、このリスクを最小限に抑えられます。
③ 巻取りスピードが安定する
スロージギングでは、フォールだけでなく「追わせの巻き」も重要です。
レベルワインドがあれば、ラインの巻き取り径が急激に変わることがないため、一定のスピードでリトリーブしやすくなります。

レベルワインド機構のデメリット
【レベルワインド付きのデメリット】
① 摩擦抵抗によるフォールスピードの低下
② 構造的な強度の限界
③ メンテナンスの複雑化
以上がデメリットとですが、それぞれ詳しく解説していきます。
① 摩擦抵抗によるフォールスピードの低下
レベルワインドのガイドをラインが通る際、必ず摩擦が発生します。
特にラインがスプールの端にある場合、ガイドとの角度が急になり、放出抵抗が大きくなります。
スロージギングにおいて「誰よりも早く着底させること」は釣果に直結するため、この僅かな失速が命取りになる場面もあります。
※現在は、ラインの位置に合わせてガイドが動く「シンクロレベルワインド」という機構が採用されています。

② 構造的な強度の限界
レベルワインドは細かなパーツの集合体です。
超大型のカンパチやマグロといった魚を相手にする際、レベルワインド自体が負荷に耐えきれず破損したり、ガイド部が歪んで動作不良を起こしたりする可能性があります。
③ メンテナンスの複雑化
海水の飛沫を浴びるジギングでは、ウォームシャフトに塩が噛みやすいのが難点です。
レベルワインド周辺の洗浄・注油を怠ると、すぐに動きが悪くなり、異音の原因になります。
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レベルワインド無しのリールの特徴
一方、レベルワインドを排除したリール(シマノのオシアジガーなど)は、本格的なスロージギングの代名詞とも言える存在です。
レベルワインド無しのメリット
【レベルワインド無しのメリット】
① 圧倒的なフォールスピード
② ダイレクトな感度
③ 堅牢性とドラグ性能の維持
以上が主なメリットになります。
① 圧倒的なフォールスピード
ラインがスプールから直線的に放出されるため、抵抗が極めて少なくなります。
重いジグを200m、300mといった中深海へ落とす際、レベワイなしのリールは圧倒的な速さを誇ります。
また、潮の流れが速い状況でも、抵抗が少ない分、ラインが流されにくくなります。
② ダイレクトな感度
レベルワインドが無いことで、ラインがリール本体のパーツに触れる箇所が減ります。
指でスプールエッジを触りながらサミング(フォール制御)をする際、ラインから伝わる「フワッ」とした食い上げのアタリや、底質の変化をよりダイレクトに感じ取ることができます。
③ 堅牢性とドラグ性能の維持
余計な機構がない分、メインギアやボディの剛性を極限まで高めることができます。
また、レベルワインドによるラインの角度変化がないため、ドラグが作動した際もスムーズにラインが滑り出し、熱を持ちにくいという特徴があります。

レベルワインド無しのデメリット
【レベルワインド無しのデメリット】
① 指でラインを整える必要がある
② 指の疲労と怪我のリスク
① 指でラインを整える必要がある
これが最大のハードルです。
ハンドルを回しながら、左手の親指(右ハンドルの場合)を左右に動かし、ラインを均等に散らして巻く必要があります。
これをおろそかにすると、ラインがスプールの片側に寄り、サイドプレートに擦れてバックラッシュしたり、最悪の場合リールがロックしたりします。
② 指の疲労と怪我のリスク
特に深場から重いジグを回収する際、常にラインに触れている親指には大きな負担がかかります。
PEラインは鋭利なため、素手で長時間行うと指の皮が削れることもあります。
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レベルワインダーの有無による違い
「レベルワインド機構」が付いているリールと付いていないリールの特徴を表にしましたので、購入の際の参考にして下さい。
| 比較項目 | シンクロレベルワインド付き | レベルワインド無し | |||||||||
| ラインの均一な巻き取り | ◎ | △ | |||||||||
| ラインの放出のしやすさ | 〇 | 〇 | |||||||||
| 釣りへの集中のしやすさ | ◎ | △ | |||||||||
| ラインの劣化のしにくさ | 〇 | 〇 | |||||||||
| メンテナンスのしやすさ | △ | 〇 | |||||||||
| トラブルが起きにくい | 〇 | 〇 | |||||||||
| 扱いやすさ | ◎ | △ | |||||||||
| 購入のしやすさ(価格) | △ | 〇 | |||||||||
| 堅牢性 | 〇 | ◎ |

初心者にはレベルワインド付きリールがおすすめ
「レベルワインド機構」の付いたリールは、ハンドルを回すだけで勝手にラインを均一に巻き取る事が出来ますので、その分ラインの偏りを気にする事無く釣りに集中出来るのが特徴です。
これに関しては、特に初心者の方にとって非常に大きなメリットになります。
レベルワインダーが付いている分、若干強度は落ちますが、10kgを超える程度のブリを狙うのであれば強度的には全く問題ありません。
このように、初心者にとってはメリットしかないと思いますので、「最初に購入するリールはレベルワインド機構の付いたリール」をおすすめします。
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おすすめのレベルワインド付きリール
カウンター無しレベルワインドリール
Shimano:オシアコンクエスト
先ずは、シマノのフラッグシップモデルである「オシアコンクエスト」をおすすめします。
堅牢性・剛性・ドラグ性能など、全てにおいて高性能なリールです。
おすすめのモデルは「300XG・301XG」になります。
Daiwa:ソルティガ300
次は、ダイワの「ソルティガ 300」をおすすめします。
このリールも非常に高性能なリールで、大型両軸リールにしか付いていなかった、スプールロック機構が付いているため、リールを傷める事なく根掛かりしたラインを切る事が可能になりました。
おすすめのモデルは「300H・300HL」です。
カウンター付きレベルワインドリール
Shimano:オシアコンクエストCT
カウンター付きのおすすめは、まずはシマノの「オシアコンクエストCT」をご紹介します。
先に紹介した「オシアコンクエスト」にカウンターが付いたもので、非常に丈夫で高性能なリールです。
おすすめのモデルは「300XG・301XG」になります。
Daiwa:ソルティガIC
最後は、ダイワの「ソルティガIC」をご紹介します。
Yobo爺も使っていますが、非常に良く出来たリールで、最大ドラグ力が10kgとなっていて、大物とのやり取りも非常に楽です。
これにコンピューターが組み込まれた「ソルティガIC-C」というリールもありますが、非常に高価になりますので、費用的に負担の少ない「ソルティガIC」をおすすめします。
レベルワインド機構のまとめ
今回は、スロージギングに於けるベイトリールの「レベルワインド機構」についてのご紹介でしたが、いかがでしたか?
特に「シンクロレベルワインド機構」は非常に優れた機能であり、ライントラブルを軽減させるだけでなく、大きな魚とのやり取りの際にも釣りに集中することが出来ます。
リールの購入を検討している方は、是非この記事を参考に検討する事をおすすめします。
次回はリールのギア比やカウンターなどについてご紹介したいと思いますので、お楽しみに。
それではまた。
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