
キャンプ飯好きなら一度は悩む「メスティン?それとも丸形クッカー?」問題。
数年前のキャンプブームで一気に人気に火がついたメスティンと、キャンプの定番として愛されてきた丸形クッカーは、多くのキャンパーがどちらを選ぶべきか悩むポイントではないでしょうか。
「メスティンは炊飯に便利そうだけど、汁物は作れるのかな?」 「丸形クッカーは定番だけど、メスティンのように色々な使い方ができるの?」
そんな疑問を抱えているあなたのために、今回はメスティンと丸形クッカー、それぞれの特徴からメリット・デメリット、そして得意な料理まで、徹底的に比較していきます。
この記事を読めば、あなたのキャンプスタイルにぴったりのクッカーが見つかるはずです。
さあ、キャンプ飯の新たな歴史を刻む、熱き戦い?を始めましょう! でも、結論から言うと…結局どっちも欲しくなるんですが(笑)。

初心者には・・・
結論から言いますと、初心者の方が最初に揃えるべきは、丸型クッカーです。
これはあくまでもYobo爺の個人的な意見ですが、キャンプでの調理に慣れていない事を考慮すると、自宅で使っているような感覚で、いろんな調理が可能な丸形クッカーの方が使いやすいからです。
それでは、なぜ初心者には丸形クッカーをおすすめするのか、詳しく見て行きましょう。


そもそもメスティンと丸形クッカーって何?
【メスティン】とは、四角いアルミ製の飯盒(はんごう)で、主に炊飯を得意とするギアです。
トランギアの製品が有名で、数年前のキャンプブームの際は、一時は手に入れるのも難しいくらい人気のある定番アイテムです。
四角い形が特徴で、スタッキング(収納)がしやすく、特にソロキャンパーからは絶大な人気を誇りましたが、現在はその人気も落ち着いています。

これは、Yobo爺が使っているメスティンです。
左のラージメスティンが2.5号炊き、右のメスティンが1.5号炊きです。
ネットで安い奴を探して購入したので、メーカーは不明ですが、構造や材質は有名メーカーのものも同じですので、炊き上がりは全く同じです。
ちなみに、ラージメスティンの中に普通のメスティンが収納可能で、さらにその中に様々な小物が収納可能です。

小さい方のメスティンは、蒸し料理に使う底あみが付いているので、シュウマイなども作ることが出来ます。
しかし、実際にはいまだに使ったことがありません。
最初はいろいろ作ってみようと考えていたのですが、実際には思っていたより使わないものです。
一方、【丸形クッカー】は「小鍋」や「片手鍋」みたいなもので、普段家で使っているものと同じ様なものと思って下さい。
アルミやチタン、ステンレスなど、素材も豊富で、煮る・茹でる・炒めるが得意で、炊飯も問題無くこなすことが出来ます。
調理の幅が広く、万能的なクッカーです。

これが、Yobo爺が主に使っている丸形クッカーです。
左:スノーピーク アルミパーソナルクッカーセット
中:プリムス ライテック トレックケトル&パン
右:プリムス イージークック・ミニキット

この中で、一番出番が多いのが、アルミパーソナルクッカーセットで、大小のポットと大小のフライパン(蓋)によって、様々な調理が可能となっています。

ライテック トレックケトル&パンとイージークック・ミニキットをスタッキングした写真になります。
こうする事によって、アルミパーソナルクッカーセットと同じように様々な調理が可能となりますし、デュオクッカーとして使う事が出来ます。
片方で炊飯し、もう片方でカレーを作るなど、調理の幅が広がります。


メスティン
まずは、数年前のキャンプブームを支えた代名詞とも言えるメスティンから見ていきましょう。
メスティンの特徴
メスティンは、スウェーデン語で「飯盒」を意味する「Messtin」が語源で、その名の通り、ご飯を炊くことに特化した調理器具と言えます。
四角いお弁当箱のようなユニークな形状をしており、アルミ製で非常に軽量なのが特徴で、その四角い形状のおかげで、さまざまなギアを中に収納できるスタッキング性の高さも大きな魅力となっています。
得意なメニュー
【メスティンの得意メニュー】
●定番の「ほったらかし炊飯。」
●四角くいため、「パスタ」は意外にいける。
●浅いため、「アヒージョ」や「パエリア」などは比較的向いている。
●底網を使えば、「蒸し料理」や「燻製」も可能。

私 見
Yobo爺の私見になりますが、メスティンは炊飯が得意で、ほったらかし炊飯が出来るくらい誰でも簡単に作ることが出来ると言われています。
しかし実際には、形状が長方形であることから、熱が全体に均等に伝わりずらく、直接火が当っている中央部が焦げ付きやすくなっています。
他の調理も同様な事が起こりやすいので、全体に熱を伝えるためには、バーナーパッドを使って調理する必要があります。

丸型クッカー
次 に、昔からキャンパーに愛され続けてきた定番のギア、丸形クッカーを見ていきましょう。
丸型クッカーの特徴
丸形クッカーは、その名の通り丸い形状をした鍋やフライパンがセットになったものです。
素材はアルミ、ステンレス、チタンなど多岐にわたり、サイズもソロ用からファミリー用まで幅広く展開されており、蓋がしっかりと閉まるタイプが多く、高い密閉性も大きな特徴です。

得意なメニュー
【丸型クッカーの得意メニュー】
基本的に全ての調理に適応した、万能クッカーです。
●炊飯
炊飯はメスティンと言われていますが、丸型も全く問題無く炊飯できます。
●鍋料理
●カレーやシチューなどの煮込み料理
●炒め物や焼き物

私 見
個人的には、丸型クッカーは万能クッカーだと思います。
煮物や炒め物、焼き物や煮込み料理まで、全ての調理が可能ですし、炊飯に関しては、むしろ丸形クッカーの方が作りやすいですし、熱が全体に伝わりやすいので美味しく炊けるように感じます。
また、メスティンと比べて収納が苦手と言われていますが、OD缶のガス燃料と一緒にバーナー本体も収納可能なものが多く、必ずしも収納性に劣るとは言えません。
焦げ付きにくいようにフッ素加工などが付されたクッカーも多く、初心者にはおすすめなクッカーと言えます。

徹底比較!メスティンvs丸型クッカー
ここからは、それぞれの特徴を踏まえた上で、具体的な使用シーンを想定して比較してみましょう。
調理のしやすさ
炊 飯
炊飯に関しては、メスティンが得意とされていますが、丸型でも全く問題無く炊飯が可能です。
むしろ、丸型の方が全体に熱が伝わりやすく、固形燃料を使った「ほったらかし炊飯」も楽々こなすことが出来ます。

煮 物
煮物などの汁が多い調理に関しては、深さのある丸形クッカーの方が使いやすくなっています。
炒め物
炒め物は、ある程度の深さがあるメスティンが使いやすいですが、大き目のフライパンがセットになった丸形クッカーであれば、炒め物も作ることが出来ます。
また、浅型の丸形クッカーであれば、ある程度具材が多い炒め物も、難なくこなす事が出来ます。
蒸し料理や燻製
蒸し料理や燻製に関しては、底網が付いたメスティンが適しています。

収納・携行性
四角い形状の目ステインは、バックパックなどにパッキングしやすく、内部に他のギアも収納できるので、荷物をコンパクトにまとめることが出来ます。
丸型クッカーは、その形状からデッドスペースが生まれやすいですが、中にOD缶のガス燃料と、バーナー本体が収納できるものが多く、必ずしも収納性に劣るとは言えません。

この写真は、プリムスのライテック トレックケトル&パンとフェムトストーブ、それに250のOD缶ガス燃料の写真になります。

この写真は、ライテック トレックケトル&パンにストーブ本体とOD缶を収納した写真になります。
収納性は、必ずしもメスティンに劣っていない事が分かると思います。

人 数
ソロキャンプであれば、メスティンも丸型クッカーも問題無くキャンプ飯を作ることが可能ですが、多人数の場合は、サイズの種類が多い丸形クッカーの方が適しています。
価 格
価格に関しては、レギュラーサイズであれば定価で500円程度~2,000円程度で買うことが出来ますし、ラージメスティンでもせいぜい3,000円も出せば買うことが出来ます。
一時のキャンプブームの際は、有名メーカーのものは価格が高騰し、また売り切れで購入する事が難しかったのですが、今では価格も落ち着き、何時でも購入可能となっています。
丸型クッカーのソロやデュオ用であれば、2,000円程度~5,000円程度までと、メスティンに比べると高価になっています。
高価な要因としては、焦げ付きにくいように加工されていたり、またハンドルが丈夫で熱くなりにくいのもその理由と考えられます。

結局どっちがおすすめ?
冒頭でも、そして記事内でも触れましたが、Yobo爺的には 丸型クッカーがおすすめ です。
煮る、焼く、炒める、そして炊くなど、一般的にキャンプで調理するメニューに関しては、全く問題無く調理出来ます。
特に、キャンプ飯を作り慣れていない初心者の方には、焦げ付きにくい加工がされているものが多い丸形クッカーが、選択肢も広く、自分の好みのクッカーを探す事が出来ます。
先ずは丸形クッカーで調理に慣れる事を優先し、慣れてきたらメスティンで、蒸したり燻製したり、様々なメニューを試してみる事をおすすめします。
また、丸型クッカーを購入する場合、ソロクッカーのようなポットとフライパンだけの組合せでは、初心者の方が作れるメニューが限られてきますので、あまりおすすめできません。
可能であればアルミパーソナルクッカーセットや、スタッキング出来る大小のソロクッカーを用意する事により、初心者の方も様々なメニューを楽しむ事が出来ます。

おすすめのクッカー
ここからは、おすすめの丸型クッカーとメスティンについてご紹介していきます。
丸型クッカー
丸型クッカーは、全てアルミ製のものをご紹介します。
チタン製は焦げ付きやすく、火力の調整が初心者には難しいと思いますし、ステンレス製はファミリーやグループ向けの大きなものが多いため、扱いやすくて軽いアルミ製をおすすめします。

スノーピーク:アルミパーソナルクッカーセット
先ずは、2~3人用のクッカーとしては最も使われているのではないかと思う、非常に人気の高いスノーピークの浅型クッカー、アルミパーソナルクッカーセットのご紹介です。
2~3人用となっているので、大き過ぎるのではないかと思われるかもしれませんが、全くそんな事は無く、ソロでも全く問題ありませんし、様々な調理が可能なのもおすすめのポイントです。
大小のポットが2つに、大小の蓋(フライパン)が付いていますので、小さなポットでご飯を炊き、蒸らしているうちに大きなポットでラーメンを作ることも出来ますので、調理の幅がグっと広がります。
また、250のサイズのOD缶ガス燃料と、プリムスのフェムトストーブなどの小型のストーブがスタッキング出来てコンパクトになるのも、OD缶ストーブを使っている方には嬉しいポイントです。
ちなみに、CB缶ガス燃料は無理ですが、FORE WINDSのコンパクトキャンプストーブや、同社のマイクロキャンプストーブなどの、CB缶ストーブ本体は収納可能です。

これがコンパクトキャンプストーブをスタッキングした写真になります。
ケースから取り出して収納する必要はありますが、クッカーの中で暴れる事も無いので、問題は無いと考えます。
【アルミパーソナルクッカーセット】
●Lサイズポット 1,150ml
●Lサイズ蓋 550ml
●Sサイズポット 800ml
●Sサイズ蓋 350ml
●本体:アルミ ハンドル:ステンレス
●重量 500g
●定価 5,544円(税込み)
スノーピーク:トレック1400 + トレック900
次もスノーピークの製品で、トレック1400とトレック900をご紹介します。
どちらも深型のポットと、フライパン(蓋)がセットになった、スタッキングが可能なクッカーになります。
スタッキングの際は、トレック 900に110サイズのOD缶ガス燃料と、同社の小型のOD缶ストーブ、ギガパワーストーブ 地 オート本体を収納出来ますので、コンパクトに持ち運ぶ言事も可能です。
容量に余裕があるので、トレック 1400でカレーやシチューなどを作り、トレック 900でご飯を炊いて食べるなど、大食いのデュオキャンパーでも満足の行く食事が可能です。
どちらか1つでも全く問題無くキャンプ飯を食べる事は出来ますが、2つ用意する事で、より使い勝手が広がるクッカーですので、可能であれば2つ購入する事をおすすめします。
【トレック 1400】
●ポット 1,400ml
●蓋 500ml
●重量 305g
●定価 3,960円(税込み)
【トレック 900】
●ポット 900ml
●蓋 250ml
●重量 265g
●定価 3,564円(税込み)
プリムス:トレックケトル&パン + イージークック・ミニキット
次は、プリムスのライテックトレックケトル&パン と イージークック・ミニキットのご紹介です。
ライテックトレックケトル&パンは、深型のポットとフライパン(蓋)のセット、イージークック・ミニキットは、深型のポットと浅型の小ポットのセットです。
当然の事、この2つのクッカーはスタッキングが可能で、その場合はスノーピークのアルミパーソナルクッカーセットを少し小さくしたようなクッカーセットになります。
この2つを組み合わせる事で、調理の幅がグッと広がりますし、様々な調理を楽しむことが出来ます。
スタッキングした場合、同社の110サイズのOD缶とフェムトストーブのような小型のストーブの本体がスタッキング出来ますので、コンパクトに持ち運ぶことが可能です。

これが、スタッキングした写真になります。
まだ若干余裕がありますので、小型のトーチなどの小物がスタッキング出来ます。
また、FORE WINDSのコンパクトキャンプストーブや、同社のマイクロキャンプストーブなどの、CB缶ストーブ本体であれば収納可能です。

ケースから取り出してスタッキングする必要がありますが、新聞紙などを緩衝材として使えば、何ら問題無いと思います。
【ライテック トレックケトル&パン】
●ポット 1,000ml
●フライパン φ110mm
●重量 280g
●定価 4,950円(税込み)
【イージークック・ミニキット】
●ポット 840ml
●ミニポット 485ml
●蓋 0ml
●重量 272g
●定価 3,630円(税込み)
キャプテンスタッグ:アルミクッカーSセット
次は、キャプテンスタッグのアルミクッカーSセットのご紹介です。
大ポットと蓋、小ポット(小)と蓋、それにフライパンが付属したクッカーセットで、これが有れば2~3人用の様々なキャンプ飯が楽しめます。
カレーを作って米を炊いて、その他にフライパンで何かもう一品という豪華なデュオキャンプ飯を楽しむことが出来ます。
浅型のクッカーなので調理がしやすいですし、全ての取っ手はフェノール樹脂でライニングされているので、調理の際も熱くならずに安心です。
【アルミクッカーSセット】
●ポット(大) 2,000ml
●ポット(小) 1,200ml
●フライパン φ17cm
●重量 720g
●定価 12,000円(税込み)
モンベル:アルパインクッカー 16+18 パンセット
次は、モンベルのアルパインクッカー 16+18 パンセットのご紹介です。
セットの構成は、先に紹介したキャプテンスタッグのアルミクッカーSセットと同じで、ポットの大小と蓋、それにフライパンという内容になっています。
大きさ的にはさらに大きくなっていますので、豪華なデュオキャンプ飯を楽しむには持って来いの大きさですし、取っ手の黄色いシリコンゴムが印象的なクッカーです。
このサイズにしては、定価が抑えられているのも嬉しいポイントです。
【アルパインクッカー 16+18 パンセット】
●ポット(大) 2,000ml
●ポット(小) 1,500ml
●ディープフライパン 1,340ml
●重量 763g
●定価 8,140円(税込み)
メスティン
メスティンに関しては、特にこれといったものは無く、値段の差はあるますが、どれも同じ様なものですので、よほどの粗悪品でもない限りは問題ありません。
いろんな調理を試してみたいのであれば、底網が付いたメスティンが必要ですし、大きさもレギュラーサイズやラージタイプもありますので、自分の好みや作りたいメニューによって選んで下さい。
まとめ:結局どっちも欲しくなるのがキャンパーの性
ここまで、メスティンと丸形クッカー、それぞれの特徴などを詳しく見てきましたが、いかがでしたか?
「初心者にはどちらがおすすめ?」と言われれば、初心者には丸型クッカーがおすすめ!となります。
その理由としては、炊飯から簡単な調理まで幅広くこなせる汎用性の高さは、初心者にとって心強い味方になってくれるからです。
しかし、どちらにも得手不得手があり、どちらが優れているということではなく、あなたのキャンプスタイルや作りたい料理によって最適なクッカーは変わるということも分かったと思います。
自分がどんなキャンプスタイルで、どんなキャンプ飯を作りたいのか、いろいろ迷うのも楽しみの一つだと思います。
そして結局は、どっちも欲しくなってしまう、これがキャンパーの性ではないでしょうか。
それではまた!

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