
スロージギングをしていると、「今日は潮が動いていないから釣れない」「大潮だから期待できそう」「潮止まりになったから食いが悪くなった」など、潮の状態を気にする場面がたくさんあります。
確かに、潮の動きは魚の活性やベイトフィッシュの動き、そしてジグの操作性にも関係する重要な要素です。
しかし、「大潮なら必ず釣れる」「潮止まりなら絶対に釣れない」というほど単純ではありません。
実際には、潮汐だけでなく、潮流の強さや向き、水温、ベイトフィッシュ、魚のいる水深、風、船の流し方など、いくつもの条件が重なって釣れるタイミングが生まれます。
この記事では、スロージギング初心者の方にも分かるように、潮汐と潮流の基本から、潮止まりや二枚潮への対応、潮が速い・遅いときの考え方まで詳しく解説します。
さらに、単に潮見表を見るだけではなく、実際に海に出てから「今、潮が効いているのか」「ジグを変えるべきなのか」「ここは時合いなのか」を判断する方法についても紹介します。
潮を読めるようになると、「今日は潮が悪いから仕方ない」と諦めるのではなく、海の状況に合わせて釣り方を調整できるようになります。
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スロージギングで「潮読み」が重要な理由
スロージギングで釣果を伸ばすためには、タックルやジグ選びだけでなく、海の状態を把握することも重要です。
その中でも特に意識したいのが「潮」です。
ただし、ここでいう潮とは、単純に大潮・中潮・小潮といった潮回りだけを意味するものではありません。
潮汐によって海面が上下することと、それに伴って実際に海水が動く潮流は別々に考える必要があります。
潮汐と潮流は同じものではない
潮を理解する第一歩は、「潮汐(ちょうせき)」と「潮流(ちょうりゅう)」を明確に区別することです。
【潮汐(ちょうせき)とは】
月や太陽の引力によって、海水面が一定の周期で上下に昇降する現象(満潮・干潮)で、 主に「縦の動き(水位の変化)」を指します。
【潮流(ちょうりゅう)とは】
潮汐に伴って、海水が水平方向に流れる現象の音で、主に「横の動き(水の流れ)」を指します。
タイドグラフ(潮見表)で確認できるのは「潮汐」です。
しかし、実際にジグのアクションやラインの張りに直接影響を与えるのは海底付近の「潮流」です。
潮汐上で大きく水面が動く時間帯であっても、地形や風の影響によって水中(特にボトム付近)の潮流が全く動いていないケースもあれば、その逆も存在します。
このギャップを理解することが潮読みの出発点です。
潮が動くと魚が動きやすくなる理由
潮が動く(潮流が効く)と、水中には様々な物理的・生物的変化が生じます。
【潮が動くと起こる事】
◆ プランクトンとベイトの移動
潮流によってプランクトンが一方向に流されると、それを捕食する小魚(ベイト)が集まり、遊泳を開始します。
◆ 酸素供給と水温の変化
水が循環することで、酸素が豊富な水塊や、魚の適温域となる海水が入れ替わりで供給されます。
◆ 遊泳効率と捕食行動
多くのフィッシュイーター(青物、根魚、マダイなど)は、流れに向かって頭を向け、流れてくる餌を待ち伏せする習性があります。
流れがあることで魚の姿勢が安定し、目の前を通るジグに対する反応速度(捕食スイッチ)が飛躍的に高まります。

潮が動けば必ず釣れるわけではない
「潮が動き出せば無条件で釣れる」というわけではありません。
潮流には「適した速さ」が存在します。
流れが弱すぎると、魚は底やストラクチャーにへばりついて運動量を減らし、ジグを見切りやすくなります。
一方で、流れが速すぎると、魚自身が泳ぎを維持するのに過度な体力を消費するため、積極的の追わなくなる場合があります。
また、潮流が強すぎるとアングラー側もジグの着底感を見失い、適切な入力(ジャーク)をジグに伝え未来くなります。
「潮が動いているか否か」だけでなく、「その流れがターゲットや仕掛けにとって適正な質・速さであるか」を見極めることが重要です。
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潮汐とは?まず知っておきたい潮の基本
まずは、潮流の発生源となる「潮汐」のメカニズムと、「潮見表(タイドグラフ)」の基本的な見方を理解しておく必要があります。
これらは釣行前のスケジュール立てやポイント選びの前提知識となります。
満潮と干潮
満潮は、その場所の海面が高くなるタイミングで、反対に、干潮は海面が低くなるタイミングです。
1日のうちに満潮と干潮は原則として約12時間周期で交互に(1日各2回)訪れます。
満潮から干潮へ向かう間は「下げ潮」、干潮から満潮へ向かう間は「上げ潮」と呼ばれています。
ただし、満潮時刻になった瞬間から潮が急に止まり、干潮時刻になった瞬間から急激に流れ始めるわけではありません。
潮の流れには変化の過程があり、実際の流れは海域や地形、風などによっても変わりますので、潮見表の時刻だけを見て「○時になったら釣れる」と決めつけないことが大切です。
上げ潮と下げ潮
流れの向きや質は、上げ潮と下げ潮で大きく変化します。
【上げ潮】
沖から沿岸部に向かって海水が差し込んでくることが多く、比較的クリアで水温が安定した海水が入りやすい傾向があります。
【下げ潮】
沿岸部や湾内から沖に向かって海水が払い出されるため、濁りや特定のベイト要素を含んだ水流になりやすい特徴があります。
ポイントの地形によって、「上げ潮で実績が高い場所」と「下げ潮で潮流が効いてチャンスになる場所」が存在するため、潮の方向性は非常に重要な要素です。
大潮・中潮・小潮・長潮・若潮
月の満ち欠け(月齢)に応じて、潮の干満差(潮位差)の大きさが変化します。
【大 潮】
新月および満月の前後。
干満差が最も大きく、水深の変化および潮流が強くなりやすい。
【中潮(なかしお)】
大潮の前後。
適度な干満差があり、潮の動きが安定しているため釣果が出やすいとされる。
【小潮(こしお)】
上弦・下弦の月の前後。
干満差が小さく、潮流も穏やかになりやすい。
【長潮(ながしお)】
小潮の後に訪れる、干満差が最も小さく潮の動きがだらだらと緩やかな状態。
【若潮(わかしお)】
長潮の翌日、再び干満差が大きくなり始めるタイミング。
「潮が若返る」とされる。
一般的に大潮は動く水の量が多いため「動きが激しい」、小潮や長潮は「動きがまったりしている」と捉えられます。

潮見表を見るときのポイント
潮見表(タイドグラフ)を確認する際は、以下の2点に注目します。
【潮位差(グラフの傾斜)】
グラフの傾きが急な時間帯ほど、単位時間あたりの水位変化が大きく、強い潮流が起きやすいことを意味します。
逆にグラフの頂点や底のフラットな部分は「潮止まり」を示します。
【時差の存在】
タイドグラフに記載されている数値は、指定された標準港の沿岸データです。
実際に釣りをする沖合や水深のあるポイントでは、グラフの満干潮時刻から30分〜多い場合は2時間程度遅れて潮が止まったり動き出したりするタイムラグが発生します。
潮見表だけで釣れる時間を断定するのではなく、「この時間帯に潮が変化する予定だから、実際の海ではどうなるのだろう?」という視点で見ることが大事です。
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スロージギングで狙いたい「潮が動くタイミング」
スロージギングでは、潮が変化するタイミングを意識しておくことが大切です。
特に注目したいのが、潮止まりの前後や、潮が動き始めるタイミングです。
潮止まり前後は本当に釣れない?
「潮止まり=釣れない」という説は概ね正しいものの、例外も多く存在します。
潮止まり(満潮・干潮のピーク時)は、一時的に水の流れが完全にストップする時間帯であり、流速がゼロになるとベイトの動きが止まり、フィッシュイーターの活性も低下しやすくなります。
しかし、「動きが止まる直前」や「動き出す瞬間」は、水中に変化が生じる最大のチャンスとなります。
また、潮が動きすぎていて魚が追えなかったポイントでは、潮が緩む潮止まり前後だけが唯一の喰い代(チャンスタイム)になることもあります。

上げ潮・下げ潮が動き始めるタイミング
最も実績の高い時合いの一つが、潮止まりを抜けて「潮が動き始める瞬間(動き出し)」です。
止まっていた海水が再び動き始めると、それまで底に静止していたベイトが流され始め、待ち構えていたフィッシュイーターが一斉に捕食行動を開始します。
このタイミングでは魚の警戒心が薄れ、ジグに対するリアクションバイトを引き出しやすくなります。
タイドグラフ上の潮止まり時刻から前後30分〜1時間は、集中力を最大にしてジグを投入し続けるべき時間帯です。
潮が効き始めたときに何を見る?
潮が動き始めたかどうかを船上で察知するには、以下の変化を観察します。
【スプールからのライン出方】
ジグをフォールさせている最中、スプールからラインが出ていく速度や抵抗感が変わる。
【船の流され方】
遊漁船がドテラ流し(風と潮に船を任せる流し方)やスパンカー立て(船を立ててラインを垂直に保つ流し方)を行っている際、船首の向きや流されるスピードが変化します。
【ロッドティップの戻り】
ジグをシャクった際、ロッドの反発でティップが戻る感覚(テンション感)が重く、あるいは軽くなります。

マヅメと潮が重なったとき
「朝マヅメ・夕マヅメ(ローライトな時間帯)」と「潮の動き出し(上げ三分・下げ三分など)」が重なるタイミングは、1日の中で最大のゴールデンタイムと言えます。
光量の変化による魚の視界の変化と、潮流による活性上昇が相乗効果を生むため、大型の青物や底物が連発する可能性が高まります。
この時間帯は手返しを最優先し、トラブルを避けた確実なアプローチを徹底することが大事です。
「大潮だから釣れる」とは限らない
大潮は潮位変化が大きく一見魅力的に思えますが、スロージギングにおいては必ずしも最善とは言えません。
水深100mを超える深場や、もともと潮流が速い海域(海峡部など)で大潮にあたると、潮が速すぎてジグが流されすぎ、底が取れなくなったり、二枚潮が極限まで悪化したりすることがあります。
むしろ、中潮や小潮のほうが適度な流速を長時間にわたって維持しやすく、水中でジグのアクションをコントロールしやすいケースも多く存在します。
「大潮=無条件で爆釣」という固定観念は捨て、海域と水深に応じた潮回りを見極める必要があります。
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潮流の強さでスロージギングはどう変わる?
潮流の速さ(流速)によって、ジグの操作感や魚の反応は変化しますので、各流速の状態を正しく認識し、適切なタックルセッティングや操作に切り替えることが求められます。
潮が緩いときの特徴
潮がほとんど動いていない(流速が遅い)状態では、以下のような現象が起こります。
【ライン抵抗の減少】
ラインがまっすぐ直下に向かって落ちやすく、底取り(着底の確認)が非常に容易になる。
【ジグの運動性向上】
水圧がかからないため、ジグが入力に対して過剰に飛びすぎる場合がある。
【魚の見切り】
水が静止しているためジグが見破られやすく、追いが悪くなる。
【対応策】
ロッドのパワー(番手)を落としてジグの跳ね上げを抑える。
フォールを長めに取ったり、ボトム付近を丁寧に探る。

適度に潮が効いているとき
スロージギングにとって最も理想的な状態です。
ジグに適度な水圧がかかり、ロッドの反発力を利用して横に向かせたあと、自重により自動的に魅惑的なフォールを行います。
【明確なアタリ】
魚が活発にジグを追うため、フォール中やジャークの初動で明確なバイトが多発します。
【操作の再現性】
ロッドにパワーを入力した分だけジグが素直に動き、着底感も明確に手元に伝わります。
この状態を維持できているときは、余計なセッティング変更を行わず、レンジ(タナ)の探りを丁寧に行うことに集中します。
潮が速すぎるとき
潮の流れが激しい場合、釣り人側には大きなストレスがかかります。
【ラインスラッグの増大】
水圧によってPEラインが大きく膨らみ、ジグの操作感が著しく低下する。
【着底が感じにくくなる】
ジグが流され続け、底に着いた感覚が手元に伝わらりにくくなります。
無理に底を取ろうとすると大幅に糸が出ておまつりの原因になります。
【ジャークのパワーが伝わりにくい】
いくらロッドを大きく煽っても、ラインの膨らみによってパワーが吸収され、海底のジグが全く動いていない状態になる場合がある。
【対応策】
ジグを重くする(ワンサイズ〜ツーサイズ上げる)、PEラインを細くして水圧抵抗を減らす、シルエットの引き締まった細身(セミロング〜ロング)のジグに変更するなどの対策が必須です。
ラインの角度から潮流を判断する
船上から海底の潮流を推測する最も手軽で確実な指標が「ラインの角度」です。
ジグを着底させた際、海面から入っていくPEラインの角度を観察します。
【垂直(0度)】
潮が全く動いていない、または船が潮と完全に同じ速度で流れている。
操作はしやすいが、魚の活性は低めの場合が多い。
【適度な斜め(15〜30度程度)】
上潮と下潮が同方向に適度な速さで流れている理想的な状態。
ジグに横方向の移動距離(滑走)を与えやすい。
【急な斜め(40度以上)】
潮が速すぎる、または風と潮の向きが逆で船が引っ張られている状態。
底取りが困難で、着底までに余分なラインが出すぎる。
ジグの動きから潮の状態を判断する
ロッドをシャクった際の手元の感触(引き抵抗)からも潮の状態を察知できます。
【急に重くなった場合】
ジグが潮の境目(潮目や重い潮の層)に入った証拠と考えられます。
魚が付いている可能性が高いため「勝負どころ」となります。
【急に軽くなった場合】
ジグが抜けの良い潮(動きのないスカスカした潮)に入ったか、または自分の方に向かって走る潮流の中にいることを示します。
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二枚潮・潮のヨレをどう読む?
オフショアのスロージギングにおいて、アングラーを最も悩ませる難敵が「二枚潮(にまいじお)」です。
複雑な潮の構造を理解し、海中で何が起きているかをイメージする能力が求められます。
二枚潮とは?
二枚潮とは、表層付近の潮(表層潮)と、海底付近の潮(底潮)の「流れる速さ」や「流れる向き」が異なる現象のことです。
さらに深刻な場合は、中層も含めて異なる動きをする「三枚潮」になることもあります。
主に、風によって表層だけが強く滑らされている場合や、黒潮などの強烈な本流の差込、河川からの淡水の流入などによって密度の異なる水塊が層をなすことで発生します。
二枚潮になると何が起こる?
二枚潮の状況下では、次のイラストの通り、水中のPEラインが「S字状」または「大きく屈曲した状態」になります。

このようにラインが湾曲すると、以下の問題が発生します。
【感度の著しい低下】
海底にジグが着底した瞬間の感触が、湾曲したラインに吸収されて着底が分からなくなる。
【操作感の消失】
ロッドをシャクってもラインの弛みを張るだけになり、ジグが海底でピクリとも動かない。
【バイトが伝わらない】
魚がジグを咥えても、手元にアタリが伝わらない。

ジグが底に入らないときの判断
二枚潮の際、「着底が分からないから」と言ってズルズルとラインを出し続けるのは厳禁です。
例えば、水深100mのポイントでラインが150m、180mと出続けている場合、ジグは底についているにもかかわらず、ラインの中間が引っ張られて糸が出続けている可能性が極めて高いと言えます。
このような時は、一度クラッチを入れてラインを張り、ロッドを持ち上げてみて、手元にしっかりとしたジグの重量感が感じられない場合は、底が取れておらずラインが流されているだけの状態です。
すぐに回収してアプローチし直す必要があります。
ジグを重くするべき状況
二枚潮の対策として最も基本的かつ効果的なのが「ジグの重量アップ」と「シルエットの変更」です。
水深や通常の仕掛け選びの基準に対して、以下のようにシフトします。
【ウエイトの変更】
通常200gを使っているポイントであれば、250g〜300g以上へ一気に重くします。
ジグの自重で表層の膨らむラインを引っ張り、まっすぐ海底へ落とし込むためです。
【ジグの形状の変更】
水圧を受けやすい幅広の平型(スロー系)ジグから、水切り性能の高いリアウェイト型やスリム形状(セミロングなど)のジグへ変更し、沈下速度を最優先させる。
潮目・ヨレ・反転流を狙う
潮流同士がぶつかり合う「潮目」や、島・根(海底の根)の裏側にできる「潮のヨレ」「反転流」は、ベイトが溜まりやすい絶好のポイントでもあります。
海面に伸びる泡の帯や白波の境界(潮目)を船が通過する際、水中では強い上下運動などがが発生しています。
この境界線にジグを通すことができれば、大型魚の強烈なバイトを誘発する最大のチャンスとなり得ます。
●スロージギングのフォールについてのこちら⇩


潮が良いのに釣れないのはなぜ?
「潮は完璧」「潮も適度に通っておりライン角度も理想的」という状況であっても、全くアタリが出ない時間帯が存在します。
潮以外の要素が複雑に絡み合っているため、原因を一つずつ潰していく必要があります。
ベイトがいない
どれほど潮の条件が良くても、その海域に捕食対象となるベイトフィッシュ(イワシ、アジ、イカ、キビナゴなど)が存在しなければ、フィッシュイーターは留まりません。
潮が良いのに反応がない場合は、魚探(魚群探知機)の映像を確認したりして、ベイトの有無を確認してみて下さい。
ベイトの気配が皆無であれば、潮が良くても早々にポイント移動を検討すべき状況です。
水温が合っていない
潮流によって運ばれてきた水塊の「水温」が魚の適正水温から外れている場合、魚の活性は著しく低下します。
特に、底潮に冷たい水が入ってきた場合(冷水塊の差し込み)や、季節の変わり目で前日比マイナス2度以上の急激な水温低下が起きた場合は、魚が口を使わなくなることがあります。
この状態では、いくら潮が動いていても魚の追いは期待できません。

魚がいるレンジを外している
スロージギングにおいて最も多い失敗が「タナ(レンジ)のズレ」です。
潮が動いている時は、魚が浮いて底から5m〜10m上のポジションで流れてくる餌を待っていることがあります。
一方で、潮が良すぎても底付近の特定ピンポイントにしか魚が付いていない場合もあります。
底から3巻きしか探っていないのに魚が7m上にいた場合や、逆に10m上まで巻きすぎていて魚の射程圏外を引いている場合は、どれほど潮が良くてもアタリは出ません。
底取りからの巻き上げ回転数をこまめに変え、立体的にタナを探る必要があります。
ジグが魚に合っていない
潮の速さとジグの重さがマッチしていても、魚が特定のベイトを偏食している場合、そのベイトのアクションやサイズ、カラーが外れている場合は無視されます。
【アクションが大きすぎる】
潮が効いているためジグが動いておらず、単にバタバタと暴れすぎて魚に警戒されている。
【マッチ・ザ・ベイトの欠如】
小さなイカを食べている魚に対して、長いロングジグを派手に動かしても反応しないなど、そのベイトとジグのサイズやカラーが掛け離れている場合は無視されることが多い。
潮が良い時ほど、ジグの選択(ノーマルスロー系、スリム系、ショート系)やカラーの切り替えが釣果を分ける場合があります。
潮が速すぎて魚が捕食しにくい
前述の通り、流速が速すぎる場合は魚にとっても「捕食の難易度が高い状態」と言え、ジグが目の前を通り過ぎるスピードが速すぎるため、魚がアタックを諦めてしまう場合があります。
このような場合は、あえてジグの重さを極限まで重くして移動距離を抑えたり、リアに重心のあるジグでボトム付近をネチネチとスローに誘うアプローチが必要になります。
潮ではなく「レンジ」が問題の場合
魚探に良い反応があり、潮も効いているにもかかわらず喰わない場合、ターゲットの意識が「ボトム(海底)」ではなく「中層のベイト帯」に完全にシフトしていることがあります。
この場合は、スロージギングの基本である「ボトム中心の探り」から切り替え、ボトムを捨てて中層の反応があるレンジ(例えば底から15m〜30m上など)までダイレクトにジグを巻き上げてフォールさせる「中層スローアプローチ」へ切り替える必要があります。
●スロージギングの「食わせの間」についてはこちら⇩


潮が悪い日にスロージギングでできること
オフショア釣行において、「潮が全く動かないスカスカの日」や「二枚潮で壊滅的な日」にあたる確率は決して低くありません。
条件が悪い日にボウズを回避するための実践的テクニックを解説します。
潮が動かないとき
海中が池のように静止している「ドテラ流しでも船が全く動かない」状態では、通常のアプローチでは魚の口を開かせることができませんので、以下の工夫を試みて下さい。
【ジグの軽量化】
アンダーウェイト(通常より軽めのジグ)のジグを選択し、少しでも水抵抗を利用してフォール速度を遅くし、見せる時間を長く取る。
【キャスティングにより広範囲を探る】
ジグを船下(直下)に落とすのではなく、アンダーハンドキャストで10m〜20mほど斜め前に投げ、斜め引き(横引き)のアプローチで探る範囲を広げる。
【入力(シャクり)を小さくする】
潮が動かない時は、大きなジャークはジグが必要以上に飛んで魚を脅かします
1/4回転や1/8回転といった小刻みなピッチ(微波動)で、底付近を優しく蠢かせる誘いが有効です。

潮が速すぎるとき
潮が流されすぎて底が保てない場合の攻略法です。
【高比重素材(タングステン)の投入】
鉛製のジグからタングステン素材のジグへ変更します。
同重量であれば体積が大幅に小さくなるため、水圧抵抗を劇的に軽減し、真下に素早く着底させることができます。
【ワンキャスト・ワンフォール】
何度も底を取り直すと、どんどん船から離れてラインが斜めになり底が取れなくなります。
「1回着底させて5m〜10m探ったら、迷わず全速回収して落とし直す」という手返し重視の釣りに徹します。
二枚潮のとき
二枚潮を攻略するキーは「ラインスラッグ(糸ふけ)を徹底的に取り除く」ことです。
ジグをフォールさせている最中、スプールに軽く指を添えて「メカニカルブレーキ」のようなテンションをかけながら落とす「サミングフォール」を行います。
これにより、表層の潮にラインが大きく膨らまされるのを極力防ぎ、一直線に近い状態で底まで送り込むことができます。
底が取れないとき
着底感が手元に伝わらない状態での釣りは、根掛かりの多発やアタリを取り損ねる原因になります。
【タックルの見直し】
メインライン(PEライン)の号数を、使える範囲で落とすことで、水抵抗を圧倒的に減らします。
【感度の高いロッドの使用】
:高弾性カーボンを採用した感度重視のスロージギングロッドを使用し、着底時の「ティップの戻り(ポンと跳ね上がる挙動)」を目視で確認します。
手元に伝わるのアタリ感度だけでなく、穂先の目感度を総動員して着底を見極めます。
魚探に反応があるのに食わないとき
魚は確実にそこにいるのに潮が悪くて喰わないという局面では、「リアクションバイト(反射喰わせ)」で喰わせるのが鉄則です。
スローな誘いから一転して、ハイピッチジャーク(速いワンピッチ)でジグを素早く逃し、途中でピタッと止めてフォールを入れるメリハリのあるアクションで魚の捕食本能を刺激します。
●魚のバイトパターンについてはこちら⇩


実釣で使えるスロージギングの潮読み手順
実際の釣行において、潮をどのように読み、行動に落とし込んでいくかのアクションプランをステップ順に解説します。
このルーティンを確立することで、現場での迷いがなくなります。
【釣行前】
ステップ①:潮汐表(タイドグラフ)で満干潮と潮位差を確認
ステップ②:大潮・中潮などの「名称」に惑わされず流速の山を予測
ステップ③:当日の風向きと潮向きの関係(同調か逆か)を確認
【現場・実釣】
ステップ④:1投目、ラインの入っていく「角度」を観察
ステップ⑤:ジグが着底した瞬間の「感触」と「糸でたメーター」を確認
ステップ⑥:魚探情報・水深・ベイトの有無と組み合わせて状況を整理
ステップ⑦:潮の変化に合わせてジグの重量・形状・誘いをアジャスト

①:釣行前に潮汐表を確認する
まず釣行日の潮回りを確認し、満潮・干潮の時刻を確認し、釣行時間と照らし合わせます。
ここでは「何時が絶対に釣れる」と決めるのではなく、潮が変化する時間帯を把握しておきます。
②:大潮・中潮などだけで判断しない
「大潮だからとか、中潮だから期待できる」と考えるだけでは不十分です。
潮回りはあくまで予測材料であり、実際の釣りでは、潮の速さや方向、風、船の流し方などを確認します。
③:当日の風向きと潮向きを確認する
風が強い日は、ラインが風に押されているのか、潮に流されているのか分かりにくいことがあります。
船長に「今日はどちらへ流れているのか」「潮が速いのか」などを聞いてみるのも有効です。
④:釣り開始後にラインの角度を見る
ジグを落としたら、まずラインの角度を確認します。
ほぼ真下なのか、斜めなのか、また、前の投入と比べて変化していないかなど、これだけでも潮の変化を感じ取ることができます。
⑤:ジグの着底感を確認する
着底した瞬間が分かるかどうかを確認します。
「さっきまでは明確に分かったのに、今は分かりにくい」という変化があれば、潮の状態が変わっている可能性があります。
⑥:魚探・ベイト・水深と合わせて判断する
潮だけを見るのではなく、魚探の反応やベイトの有無も確認します。
例えば、「潮が効いている」「ベイトもいる」「魚探にも反応がある」という条件が重なれば、その周辺を丁寧に探ってみる価値があります。
⑦:潮が変わったらジグと誘いを変える
潮の変化を感じたら、今までと同じ釣り方に固執しないことも重要です。
ジグ重量、フォール、アクション、探るレンジなどを調整します。
潮読みとは、潮の状態を当てることではなく、「海の変化を感じ取り、その変化に合わせて釣り方を変えること」だと考えると分かりやすいでしょう。
●スロージギングの根掛かり回避術についてはこちら⇩


潮読みで釣果を伸ばすために記録しておきたいこと
潮読みの精度を飛躍的に高める唯一の方法は、「自分の行った釣行の潮データを蓄積すること」です。
釣果があった時だけでなく、「全く釣れなかった時のデータ」こそが、次回以降の貴重なデータベースとなりますので、釣行メモやスマホのメモ機能に、以下の項目を残しておきましょう。
釣れた時間
ヒットした正確な時刻。
タイドグラフ上のどのタイミング(上げ五分、下げ止まり直前など)で喰ってきたかを照合するために不可欠です。
釣れなかった時間
「10時から12時までは船中ノーバイトだった」という情報。
その時間帯のタイドグラフの動き(潮止まりだったのか、潮が速すぎたのか)を後から検証します。

潮の向き
船から見て潮がどちらへ流れていたか(ドテラ流しでの払い出し・引き込み、船の立て方)。
潮の速さ
「直下へストレートに落ちる(緩い)」「45度の角度で流される(極太・激流)」など、感覚的・角度的なメモ。
水深
実際に釣りを行った水深(例:60mの浅場、150mの中深海など)。
水深によって潮の影響度は大きく異なります。
ジグの重量とカラー
その潮の状態で最終的にヒットに持ち込んだジグのスペック(例:200g・シルバー系・ロング形状など)。
釣れた魚種とレンジ
ヒットした魚の種類と、底から何メートル巻き上げた位置で喰ってきたか(例:ブリ・底から10m、アイナメ・底から2.5mなど)。
●何をやっても釣れない日の対処法はこちら⇩


スロージギングの潮読みでよくある質問
スロージギングにおける潮読みや攻略法に関して、アングラーから寄せられる代表的な疑問に回答します。
Q1:大潮と小潮ではどちらが釣れますか?
A:狙う水深や海域によって異なりますが、スロージギングでは「中潮や小潮」のほうが釣りやすく実績が高いケースも多いです。
大潮は潮流が強くなりすぎるリスクがあり、特に水深100mを超える深場では底取りが困難になります。
適度な流速が長く続く中潮や、潮が動きすぎない小潮のほうが、ジグのアクションを正確にコントロールできる時間が長く保てるため、釣果が安定しやすい傾向があります。
Q2:潮止まりは本当に釣れませんか?
A:潮が完全に停止している間は厳しいですが、「止まる直前」と「動き出す瞬間」は最大のチャンスです。
水流が完全にゼロになると魚の活性は落ちますが、その前後は潮流に変化が生じるため、魚の捕食スイッチが入りやすくなります。潮
潮止まりだからと休憩するのではなく、その前後30分は集中して仕掛けを投入し続けることをおすすめそます。
Q3:潮が速すぎるときはどうすればいい?
A:ジグの重量を増やし、水抵抗の少ない細身のジグへ変更するのがおすすめです。
まずはジグをワンサイズ〜ツーサイズ重くします(例:180g→250g)。
また、平型(ワイド形状)のジグからスリム形状やリアウェイト形状に変更して水切りを良くし、PEラインもワンランク細く設定することで、水圧抵抗を最小限に抑えて底取りを可能にします。

Q4:潮が動かない日は釣れませんか?
A:通常のアプローチでは厳しいですが、工夫次第でキャッチ可能です。
潮が動かない日は、ジグを軽くしてフォールスピードを遅くする、アンダーキャストで広範囲を探る、ジャークの振れ幅を小さくしてボトム付近を細かく誘うなどの対策が有効です。
魚がジグを見極めやすくなっているため、違和感を与えないナチュラルなアクションが鍵となります。
Q5:二枚潮のときはジグを重くすればいい?
A:基本はジグを重くすることですが、サミングフォールによるラインスラッグの抑制も同時に不可欠です。
単にジグを重くするだけでは、表層の強い潮にラインの中間が引っ張られる現象を完全には防げません。
重いジグを使用しつつ、フォール中にスプールに指を添えてサミングし、適度なテンションをかけながら落とし込むことで、海中のラインを直線状に保つようにして下さい。
Q6:上げ潮と下げ潮ではどちらが釣れますか?
A:ポイントの地形や沿岸の構造によって異なります。
一般的に、沖から綺麗な水が入ってくる「上げ潮」が良いポイントもあれば、湾内や浅場から栄養豊富な水が払い出される「下げ潮」でベイトが集まるポイントもあります。
そのエリアの船長に「ここは上げと下げ、どちらが良いポイントですか?」とあらかじめ確認しておくのが最も確実です。
Q7:潮が良いのに釣れないのはなぜ?
A:ベイトの不在、水温の適合性、あるいは魚のレンジ(タナ)がずれている可能性が高いです。
潮が動いていても、そもそもベイトがいなければ魚は集まりません。
また、底潮の急激な冷え込み(水温低下)があると魚は口を使わなくなります。
さらに、魚が底から浮いて中層にいるにもかかわらず、ボトム付近ばかりをシャクっているケースも非常に多いため、探るレンジを広げてみることが重要です。
Q:潮見表だけで釣れる時間を予測できますか?
A:大まかな目安にはなりますが、完全に予測することは不可能です。
潮見表に書かれているのは沿岸部の「潮汐(水位変化)」であり、沖合の「潮流(水流)」とはタイムラグや強さのズレが生じます。
潮見表で時合いの候補時間を絞り込みつつ、最終的には現場でのライン角度やジグの抵抗感といった「生の情報」をもとに判断する必要があります。
●初心者が最初に狙うべき魚についてはこちら⇩


まとめ|潮を読むとは「潮だけを見る」ことではない
スロージギングにおける「潮読み」とは、単にスマホのタイドグラフを見て一喜一憂することではありません。
海に立ち、ジグを投じ、ラインの角度、着底感、手元に伝わる重量感、ロッドティップの戻りといった「ジグとラインが発する微細なシグナル」を通じて、「目に見えない水中の状態をイメージすること」こそが、本当の潮読みです。
そして、潮を読むことの真の目的は、「潮の変化に合わせて自分が使うタックル、ジグの形状・重さ、そして誘いのアプローチを最適に修正すること」にあります。
◆ 潮が緩ければ、ジグを軽くして優しく魅せる
◆ 潮が速ければ、ジグを重くして直線的に落とす
◆ 二枚潮であれば、ラインスラッグを排除して着底を確実にする
◆ 潮が変わった瞬間に、集中力を最大にして勝負をかける
海の状態は一刻一刻変化し、同じ状況は二度と訪れません。
だからこそ、潮のメカニズムを理解し、海中からのシグナルを正しく読み解くスキルを身につければ、渋い状況下でも価値ある一匹を手繰り寄せることができるようになります。
次回の釣行では、ぜひタイドグラフの予測と手元の感触を照らし合わせながら、「今、底の潮はどう動いているか?」を想像しながらスロージギングを楽しんでみてください。
●スロージギングの基本的なタックルの選び方はこちら⇩








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