
スロージギングにおいて「ライン選び」は釣果を大きく左右する重要な要素です。
特にPEラインの号数(太さ)は、ジグの操作性や感度、さらには魚とのやり取りにまで影響します。
しかし初心者の方にとっては、「何号を選べばいいのか分からない」「種類が多すぎて迷う」と感じることも多いでしょう。
本記事では、スロージギングに適したラインの種類から、PEラインの特徴や太さの選び方、さらにはおすすめのラインまで徹底的に解説します。
これから始める方でも迷わず選べるよう、実釣に基づいた具体的な内容で分かりやすくまとめていますので、ぜひ参考にしてみてください。
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ラインの素材
釣りに使用されるラインには、主に「ナイロン」「フロロカーボン」「PE」の3種類がありますが、スロージギングにおいてはPEライン一つに絞られます。
まずはそれぞれの素材特性を理解しましょう。
ラインの素材の特徴
ナイロンライン
伸びが良く、魚の引きを吸収してくれる特性がありますが、吸水性が高く劣化が早いのが難点です。
また、伸びが大き過ぎるため、深場でのジグ操作には向きません。
フロロカーボンライン
根ズレに強く、比重が重いため沈みが早いのが特徴です。
しかし、硬さがあるためリールへの馴染みが悪く、メインラインとして長く巻くには不向きです。
PEライン
ポリエチレン素材を編み込んだラインで、「伸びがほとんどない」「直線強度が非常に高い」という特徴があります。
以上の3種類のラインを比較した表になります。
| 比較項目 | PEライン | フロロカーボン | ナイロン | ||||||||
| 伸びが少ない | ◎ | △ | △ | ||||||||
| ラインの伸び率 | 3%~5% | 20%~25% | 23%~25% | ||||||||
| 感度が良い | ◎ | 〇 | △ | ||||||||
| 耐摩耗性が高い | × | ◎ | △ | ||||||||
| 結束強度が高い | △ | 〇 | ◎ | ||||||||
| 同じ号数(太さ)の強度 | ◎ | △ | △ | ||||||||
| 水深が分かるマーキング | ◎ | × | × | ||||||||
| 価格が安価 | △ | 〇 | ◎ |
ご覧になると分かると思いますが、ラインの伸び率がPEラインと他の素材のラインでは全く違うという事です。
ラインの伸び率は感度に影響を及ぼす非常に大事な要素で、水深が深くなればなるほどその差は歴然となります。

スロージギングにはPEライン
スロージギングにおいて、PEライン以外の選択肢はありません。
その理由は、スロージギングが「ジグの自走(フォール)」と「繊細な入力」を重視する釣りだからです。
水深50m、100m、あるいは中深海の200m以深を攻める際、伸びのあるラインではアングラーのロッドアクションがジグに伝わりません。
PEラインは伸び率が極めて低いため、深場でもジグの動きを明確に把握でき、魚の微かなアタリを手元までダイレクトに伝えてくれます。
耐摩耗性は低いですが、ショックリーダーを接続する事で対処出来ますし、感度の良さは他の物で補えるものではないため、それを考えるとPEライン以外の選択肢はないという事になります。
次の表は、100m当たりどのくらい伸びがあるのかを示した比較表になります。
| 種 類 | 伸び率 | 水深100mの伸び | ||||||
| PEライン | 3%~5% | 3m~5m | ||||||
| フロロカーボンライン | 20%~25% | 20m~25m | ||||||
| ナイロンライン | 23%~25% | 23m~25m |
伸びの少ないPEラインでも3m~5mもラインが伸びる事になり、フロロやナイロンでは20m以上も伸びる事になります。
もちろんこれは限界まで引っ張った場合の数値ですので、実際にはもっと少なくなりますが、それでも少なからず伸びは発生してしまいます。
その伸びが少なければ少ないほどアタリの感度は良くなりますし、アワセを入れた時もしっかりとフッキングさせることが可能になるため、PEラインが最も適しているという事になります。
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PEラインの「太さ・長さ・編み数」
スロージギングにおけるPEラインの役割は、単なる「糸」ではなく、ジグを自在に操る「伝達装置」です。
PEラインの特徴
PEラインは極細のポリエチレン繊維を複数本編み込んで作られています。
最大のメリットは、同じ太さ(号数)ならナイロンの約3〜4倍という圧倒的な強度です。
これにより、ラインを細くすることができ、潮流の影響を最小限に抑えながら重いジグを素早く沈めることが可能になります。
一方で、熱や摩擦に弱いという弱点があるため、必ず「ショックリーダー」を結束して使用するのが鉄則です。
価格はどうしても他の素材のものに比べて高価になりますが、感度の良さ等による釣果のアップなどを考えると、高価とは言えないと思います。

PEラインの太さ
スロージギングに使用するPEラインの太さは、自分が行くポイント、もしくは行こうと考えている釣り場で、通常釣れる最大のターゲットに合わせて選定します。
スロージギングの場合、いつ大物が食い付くか分かりませんので、「根魚だけ狙うので、大きなブリに合わせなくて大丈夫。」と言う訳には行きません。
ジグを投入し、着底直前でブリが掛かる場合もありますので、あくまでもそのポイントで釣れる最大の魚に合わせて太さを決めるという事になります。
以前投稿した「リールの糸巻き量とドラグ調整」でもご紹介しましたが、Yobo爺の考えによるターゲットの重量とラインの太さの目安を以下の通りご紹介します。
| 魚の大きさ(重量) | 魚 種 | PEラインの太さ | ||||||||
| 1kg~3kg | アイナメ、ソイ、ヒラメ、イナダ、桜鱒 | 0.8号~1.2号 | ||||||||
| 3kg~6kg | 根魚、桜鱒、ヒラメ、ワラサ、真鱈 | 1.0号~1.5号 | ||||||||
| 6kg~10kg | ヒラメ、真鱈、ブリ | 1.2号~2.0号 | ||||||||
| 10kg~15kg | ヒラメ、ブリ | 1.5号~2.5号 | ||||||||
| 15kg~20kg | カンパチ、ヒラマサ、キハダマグロ 他 | 2.0号~2.5号 | ||||||||
| 20kg超 | カンパチ、キハダマグロ 他 | 3.0号~ | ||||||||
これはあくまでもYobo爺の経験と考えによるものですので、他のブログなどに載っているものと違うかもしれませんが、全くの間違いではないと思います。
ここに載ってる太さであれば、結束がしっかりとなされていて、ドラグ性能がしっかりしていれば、魚とのファイトで切れる事は無いはずです。
太ければ当然その分安心感は増しますが、太いと潮流の影響を受けやすくなり、ジグが流されやすくなりますので、あまり太すぎるものはおすすめしません。
また、細すぎるとトラブルが発生しやすく、特に初心者の方には1.5号未満の細いラインはおすすめしません。
ちなみにYobo爺の行っている釣り場で、通常釣れる最大の魚は10kg~15kg程度のブリになりますので、ラインは1.5号を使用していますが、魚とのファイトで切れた事は今までありません。
【ラインの太さ】
個人的には、近海のスロージギングに於いては「1.5号」を基準 にし、大物狙いや根ズレが不安な場合は「2.0号」とすることをおすすめします。

リールに巻くラインの長さ
リールに巻くPEラインの長さについても、「リールの糸巻き量とドラグ調整」でご紹介していますが、Yobo爺の基本的な考え方は以下の通りとなります。
【ラインの長さの考え方】
ラインの長さL=ポイントの最大水深×3倍+下巻き としています。
最大水深の3倍のPEラインを巻いてあれば、何らかの原因でラインが水面付近で高切れしても、残りのラインの長さが水深の約2倍残っていることになり、その後も問題無く釣りを継続出来るからです。
これが、水深の2倍のラインを巻いていて水面付近で高切れした場合、残りのラインの長さは水深と同じになってしまい、潮流によってラインが斜めになると下巻きのラインまで出されることになります。
【ラインの長さの凡例】
◆ 釣り場の最大水深 100m
◆ 釣れる最大魚 ブリ
◆ ラインの太さ 1.5号
ラインの長さL=100m×3倍+下巻き
=300m+下巻き
PEラインの1.5号を最低300m+下巻きとなり、逆の言い方をすると最低でもこれだけのラインを巻けるリールが必要と言う事になります。
おすすめのリール
● Shimano:オシアコンクエスト 300XG・301XG
● 〃 :オシアコンクエストCT 300XG・301XG
● Daiwa:ソルティガIC 300H-SJ・300HL-SJ
● 〃 :ソルティガ300 300H・300HL

PEラインの編み数
PEラインは、ラインを構成する原糸(細い繊維)を何本か編み込んで1本のラインにしており、一般的に「4本編み」「8本編み」「12本編み」などがあり、それぞれ特徴が異なりますのでご紹介します。
以下が、それぞれの特徴を比較した表になります。
| 比較項目 | 4本編み | 8本編み | 12本編み | |||||
| 低伸度 | △ | 〇 | ◎ | |||||
| 感 度 | △ | 〇 | ◎ | |||||
| 直線強度 | △ | 〇 | ◎ | |||||
| 結束強度 | ◎ | 〇 | △ | |||||
| 耐摩耗性 | ◎ | 〇 | △ | |||||
| 表面平滑性 | △ | 〇 | ◎ | |||||
| 糸鳴りしない | △ | 〇 | ◎ | |||||
| 購入しやすさ(安価) | ◎ | 〇 | △ | |||||
編み数が多くなるほど伸びが少なくて感度が良く、直線強度は高くなりますが、結束強度と耐摩耗性に若干劣りますし、価格が高価になります。
また、4本編みは結束強度が高く、張りもあって使いやすくて価格も安価ですが、ラインがガイドを通る際の糸鳴りするラインもあります。
たかが糸鳴りと思うかもしれませんが、魚が釣れるたびに糸が鳴ると、さすがにうるさくてストレスになりますので、糸鳴りしないラインを使う事をおすすめします。

おすすめは8本編み
【おすすめのPEラインの編み数】
◆ おすすめは価格と性能のバランスに優れた「8本編み」となります。
表面が滑らか
ガイドとの摩擦抵抗が少なく、ジグのフォールスピードが上がります。
また、糸鳴りもしないため、ストレスも溜まりません。
真円に近い
断面が丸いため、潮の抵抗を受けにくく、二枚潮などの悪条件下でもジグを操作しやすくなります。
強度バランスが良い
4本編みに比べて直線強度が安定しており、安心感があります。
確かに12本編みのPEラインは性能的に素晴らしいと思いますが、費用対効果と言う点ではあまりにも価格が高すぎるため、個人的にはバランスに欠けるように思います。
特に初心者の方はどうしてもライントラブルも多くなるため、12本編みのメリットをフルに生かすことが出来ないままライン交換と言う事も考えられます。
これらを考慮すると、性能と価格のバランスに優れた8本編みのPEラインがお勧めと言う事になります。

PEラインのカラー
PEラインのカラーは大きく分けて3種類あり、単色(ソリッドカラー)タイプとマルチカラータイプ、そして蛍光カラータイプのものがあります。
性能的に差はありませんが、それぞれに特徴がありますのでご紹介していきます。
単色(ソリッドカラー)タイプ
単色タイプとは、ライン全体が一色で統一されたラインの事で、イエローやライムグリーン、ブルーやダークグリーンなどのカラーが使われています。
【単色の特徴】
◆ 視認性の高いイエローやライムグリーンなどのカラーを選択可能。
◆ 魚に警戒心を与えにくいブルーやダークグリーン等を選択出来る。
◆ 自分の好きなカラーを選択出来る。
※オフショアやシーバスフィッシング、エギングなど、幅広く使われる事が多い。
マルチカラータイプ
マルチカラータイプとは、一般的に10m毎に5色で色分けされ、さらに1m毎にマーキングされているラインの事です。
【マルチカラーの特徴】
◆ 水深(ラインの放出量)を確認できる。
◆ 船長の指示棚や魚探の反応に合わせてジグを送り込む事が可能。
※スロージギングやタイラバ等のオフショアフィッシングで使われることが多き。
蛍光カラータイプ
蛍光カラーは、読んで字の如くイエローやピンク等の蛍光色の非常に目立つカラーのラインの事です。
【蛍光カラーの特徴】
◆ 非常に視認性が高く、ラインの軌道を確認しやすい。
◆ ナイトゲームで有利。
※オフショアで使われることはほとんど無く、アジングやメバリング、ナイトゲーム全般で使われることが多い。
おすすめはマルチカラー
スロージギングでは「10m×5色のマルチカラー」をおすすめします。
水深を把握出来る
ベイトリールで底を取る際や、魚がヒットした棚を正確に把握するためです。
カウンター付きリールでない限り、ラインの色を数えるのが水深を知る唯一の方法です。
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おすすめのPEライン
ここからは、実際に多くのアングラーに支持されている、間違いないPEラインを厳選して紹介します。
おすすめのコスパ重視のPEライン
初心者の方や、頻繁にラインを巻き替えたい方におすすめのモデルです。
Shimano:グラップラー 8 PE
先ずは Shimano の グラップラー 8 PE のご紹介です。
シマノのジギング専用PEライン。
独自の「ヒートシンクコーティング」により、熱に強く、タフな使用に耐えます。8本編みながら非常にリーズナブルで、最初の一本に最適です。
Seaguar:シーガー PEX8
次は、シーガー の シーガー PEX8 のご紹介です。
「コスパ最強」との呼び声高いラインです。
伸びが少なく、感度も申し分ありませんし、しなやかで扱いやすいため、ベイトリールでのバックラッシュを軽減したい初心者におすすめです。
価格も安価な事から、ラインの消耗の激しい初心者には持って来いのラインではないでしょうか。
VARIVAS:バリバス 8 マーキング
次は、VARIVAS の バリバス 8 マーキング のご紹介です。
老舗ラインメーカー、バリバスのスタンダードモデル。
品質の安定感が抜群で、10mごとのカラー判別が非常にしやすいのが特徴です。
Daiwa:UVF ソルティガデュラセンサー8+Si2
最後は、Daiwa の UVF ソルティガデュラセンサー8+Si2 をご紹介します。
ダイワの独自技術「マッスルPE」を採用。
耐摩耗性が非常に高く、従来のPEラインよりも擦れに強いのが自慢です。
長持ちさせたいアングラーにおすすめです。
コスパ重視のラインのまとめ
以下の表は、今回ご紹介したコスパ重視のラインを比較した表になりますが、最大強力については全て1.5号の強度とし、価格は300m巻きの価格となっています。
比較項目 | Shimano | Seaguar | VARIVAS | Daiwa | ||||||||||
| グラップラー 8 PE | シーガー PEX8 | バリバス 8 マーキング | デュラセンサー8+Si2 | |||||||||||
| 最大強力(kg) | 14.4 | 11.8 | 14.0 | 12.0 | ||||||||||
| 最大強力(lb) | 31.8 | 26.0 | 31.0 | 26.0 | ||||||||||
| 定 価 | 4,500円 | オープン価格 | オープン価格 | 4,150円 | ||||||||||
| 実売価格 | 3,800円~4,200円 | 2,800円前後 | 4,300円~4,900円 | 3,500円~3,900円 |
この表を見るとShimano の グラップラー 8 PE が最大強力が最も高くなっていますが、結束強度やしなやかさなど、実際に使った感覚ではどれも同じように感じました。
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おすすめの高性能PEライン
感度、強度、水切れ性能を極限まで高めたモデルをご紹介します。
SUNLINE:ソルティメイト アメイザー×8
先ずは、サンライン の ソルティメイト アメイザー×8 をご紹介します。
スロージギング専用設計ライン。
特殊コーティングにより水切れが極めて良く、ディープエリアでもジグにキレのある動きを与えられます。
高性能のラインの中では比較的安価なのも魅力です。
Shimano:オシア 8 PE
次は、Shimano の オシア 8 PE のご紹介です。
シマノPEのフラッグシップラインです。
強度が非常に高く、同じ号数でも他社よりワンランク上の強さを発揮し、大型のカンパチやマグロを狙うスロージギングには欠かせません。
DUEL:モンスターゲーム® 9 バーチカル
最後は、デュエルのモンスターゲーム® 9 バーチカルのご紹介です。
最新の「9本編み」構造を採用したラインです。
8本編みの中心に芯を入れることで、さらなる真円性と強度を実現し、潮の影響を極限まで減らしたいエキスパートから支持されています。
性能重視のラインのまとめ
以下の表は、今回ご紹介した性能重視のラインを比較した表になり、全て太さは1.5号で長さが300mのラインで比較したものです。
比較項目 | SUNLINE | Shimano | DUEL | ||||||||
| ソルティメイト アメイザー×8 | オシア 8 PE | モンスターゲーム 9 バーチカル | |||||||||
| 最大強力(kg) | 15.0 | 15.0 | 14.0 | ||||||||
| 最大強力(lb) | 33.0 | 33.0 | - | ||||||||
| 定 価 | 8,500円 | 10,500円 | オープン価格 | ||||||||
| 実売価格 | 5,800円前後 | 7,000円~8,300円 | 6,500円~7,500円 |
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ラインのまとめ
スロージギングにおけるライン選びは、魚との唯一の接点を選ぶ重要な作業です。
◆ 素材はPEライン一択。
◆ 太さは1.5号を基準に、状況に応じて1.2号〜2.0号を使い分ける。
◆ 長さは最低水深の3倍+下巻き。
◆ 構造は操作性と感度に優れた「8本編み」がベスト。
◆ カラーは棚を把握できる「10m×5色のマルチカラー」。
これらを守れば、ライン選びで失敗することはありません。
最初はコスパの良いラインから始め、慣れてきたら高性能ラインでその感度の違いを体感してみてください。
適切なラインを選んで、スロージギングの奥深い魅力を存分に楽しみましょう!
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