
スロージギングに限らずどの釣りも、どれだけ経験を積んでも「今日は本当に何をやっても釣れない」という日が必ずあります。
潮が動かない、魚の活性が極端に低い、船の流れが悪い・・・、理由はいろいろですが、そんな日ほど気持ちが焦り、体力だけが削られていきます。
しかし、釣れない時間はただの「無駄な時間」ではありません。
実は、次の釣行につながるヒントを得たり、普段できない船上の過ごし方を楽しんだりする絶好のチャンスでもあります。
本記事では、釣れない日にこそ意識したい船上での過ごし方、メンタルの整え方、そして未来の釣果につながる行動を、スロージギングの視点から詳しく解説していきます。
船の上での時間の使い方を見直して、ボウズを回避し、次こそ大物を仕留めるための準備を整えましょう。
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なぜ“何をやっても釣れない日”が起こるのか?
スロージギングは、潮と海中の状況に大きく左右される釣りです。
どれほどジグの動きを工夫し、タックルを最適化しても、魚がジグを追わない日というのは確実に存在します。
大きな原因として挙げられるのは「潮が動かない」「水温差や濁りなどの環境変化」「ベイトがいない」「ドテラ流しの角度が合わない」といったものです。
特に潮が動かない時間帯は、ジグが本来のアクションを演じにくく、魚も追いません。
また、水温差による温度の層ができていると魚が散ってしまい、アタリが出づらくなります。
こうした要素は、アングラーの努力ではどうにもなりません。
しかし、だからこそ「釣れない時間をどう使うか」が大切です。
むやみに焦ってシャクリ倒すより、一度立ち止まって状況分析や休憩を取り、次のチャンスに備えるほうが効果的なことも多いのです。
「釣れない」をチャンスに変える船上戦略
「釣れない」という状況は、魚がいないわけではなく、「今、魚が口を使わない何らかの理由」が存在するサインです。
これをチャンスと捉え、冷静に状況を分析し、戦略を大胆に変更することが最重要となります。
船上の状況を「超」細かく分析する
【チェック項目】
◆ 水温のチェックと記憶
船長に聞くか、魚探に表示されている水温を、スマホなどに記録しておきましょう。
水温が急激に変化していないか、または特定レンジに水温の壁(サーモクライン)がないかを把握します。
これが魚の活性を決める最大の要因の一つでもあります。
◆ ベイトの反応位置の確認
魚探にベイトの反応はあるか?もしあるなら、それは底から何メートルか?そしてそのベイトの反応は広範囲に散っているか、等々「釣れないレンジ」ではなく、「ベイトがいるレンジ」を徹底的に攻めます。
◆ 潮の流れの予測と検証
船が流れる方向だけでなく、ジグを落としたときのラインの入り方(角度)を見て、中層から底潮の流れを予測します。
潮止まりで完全に無反応なのか、二枚潮でジグが動いていないのかを検証し、潮が動き始めるタイミングを予測します。

大胆かつ極端なアプローチの変更
いつも通りのアプローチが通用しないなら、その逆を試す必要があります。
【スピードの極端な変化】
◆ 超ハイスピードへの移行
全く反応がない場合、むしろ魚のスイッチを入れるため、一気に速いジャークでリアクションバイトを誘います。
スローピッチではなく、ハイピッチジャークを意識的に取り入れ、魚の捕食スイッチを強制的にオンにするイメージです。
◆ 超デッドスローへの移行
スローピッチの概念を超え、フォール幅を最小限に抑えた、ほとんど動かないような「フワフワ」とした誘いに切り替えます。
これは、低活性の魚がわずかに口を使う瞬間を狙うための究極のテクニックです。
【狙うレンジの極端な変更】
◆ 底から5m以内を徹底的に
渋い時は魚が底に張り付いていることが多いものです。
ワンピッチジャークで誘うのではなく、底取り後、ジグが着底する寸前(スラックが出る直前)まで誘い上げ、またすぐに落とすという、底ベッタリの誘いを繰り返します。
◆ 中層の放置プレイ
魚探にベイトや魚影が映っているにも関わらず、口を使わない場合、そのレンジまでジグを上げ、ほとんど動かさず(船の揺れを利用する程度)放置する時間を設けます。
回遊魚系には特に有効な手とされています。
船長や同船者との「情報共有」
釣れない日こそ、周りのアングラーとの情報交換が命です。
【情報共有】
◆「釣れた」情報よりも「試した」情報の共有
「何色のジグを試したけどダメだった」「フォールを意識したけどダメだった」など、失敗した情報も重要です。
これにより、同船者全員が無駄なルアーローテーションを避けられます。
◆ 特定の魚種に絞った仮説立て
「今日の状況なら、この魚種なら口を使うはず」と仮説を立て、それに特化したパターンを徹底的に探り、船長に報告することで、船全体で攻略の糸口を見つけることができます。
次の1匹に繋がるタックル徹底点検術
釣れない状況は、普段見過ごしがちなタックルの微細なトラブルを発見し、解消する絶好の機会です。
これらの点検が、突然訪れるチャンスを逃さないための保険になります。
PEラインとリーダーのダメージチェック
ラインはジグと魚を繋ぐ唯一の生命線です。
無反応時にこそ、普段疎かにしがちなライン点検を徹底します。
【チェック項目】
◆ PEラインの毛羽立ちチェック
ジグを回収し、リールから数メートル出したPEラインを指で挟み、滑らかさや毛羽立ちがないかを確認します。
少しでも違和感があれば、その部分をカットすることで、ラインブレイクの可能性を最小限に抑えます。
◆ リーダーのザラつきと結び目点検
リーダー全体、特にジグのアイに近い部分や結び目付近に、岩や魚の歯によるザラつきがないかを指で丁寧に確認します。
ザラつきがあれば、即座にリーダーを交換します。渋い状況では、魚はリーダーを凝視して警戒している可能性もあるため、透明度を保つことが重要です。

ジグのフックとアシストシステムの総点検
フックが万全でなければ、貴重なバイトも獲ることができません。
【フックのチェック項目】
◆ フックポイントの再研磨
僅かな時間でも、フックシャープナーを使ってフックの先端を研ぎ直します。
渋い魚の硬い口周りに確実にフッキングさせるため、指の爪に刺さるほど鋭利にすることが絶対条件です。
◆ アシストラインのチェック
アシストラインにキンク(折れ癖)やほつれがないか、結び目に緩みがないかを確認します。
特にフォール中のバイトが多いスロージギングでは、フックがジグの挙動を邪魔しないか等を再確認します。
リールの違和感チェックと注油
釣れない間にリールをメンテナンスすることで、次に魚がヒットした際の万全な状態を保ちます。
【リールのチェック項目】
◆ ドラグ設定の再確認
渋い状況でやっと口を使った魚は、想定外の大物である可能性があります。
ドラグを緩めすぎたり締めすぎたりしていないか、軽くラインを出して再調整します。
◆ 可動部の簡易注油
スプール軸やハンドルノブなど、船上ですぐにアクセスできる可動部に、念のために少量のリールオイルを注油します。
違和感の原因を解消し、スムーズな巻き上げを準備します。

集中力と気分をリセットする小さな習慣
無反応な時間が長引くと、アングラーの集中力は低下し、「どうせ釣れない」というネガティブな気持ちが広がります。
しかし、釣果はポジティブな気持ちと集中力に比例することが多いです。
ネガティブなループから抜け出す「5分間の強制休憩」
ネガティブな思考は、往々にして集中力を奪い、アクションを雑にします。
【強制休憩】
◆ 強制的な中断と視点変更
5分間、強制的にロッドを置き、ジグを上げます。
海面ではなく、水平線や遠くの山を見て、深呼吸を3回繰り返し、身体の力を抜き、肩の緊張を解き、一連のルーティンをリセットします。
「釣れない」という結果から一度意識を切り離し、「今の状況で何ができるか」という問題解決モードに切り替えます。
◆ 「ゼロベース思考」の導入
「今まで試したことは全て忘れ、今のこの瞬間、自分が持っている最高のジグとアクションは何だろう?」と、初めてこの場所で釣りを開始するつもりで思考を再構築します。

釣れない日こそ「アタリを感知する」集中力トレーニング
無反応な状況でも、海中では必ず何かが起こっています。
集中力を維持するために、「アタリではないもの」に意識を向けます。
【集中力トレーニング】
◆ ラインの微細な変化を観察
釣れない時ほど、フォール中のラインのたるみ具合、水中で受ける抵抗の変化、潮の流れの変化によるラインの角度を注視します。
「今、潮が効き始めた」「今、ジグが潮流から外れた」といった情報を掴むためのトレーニングだと意識します。
◆ ヒットのシミュレーション
目を閉じ、次に魚がヒットする瞬間を鮮明にイメージします。
「ラインが急に止まるフォールバイト」「巻き上げ時に急に重くなる瞬間」など、様々なアタリ方を具体的にシミュレーションすることで、実際にアタリがあった際の反射速度を高めます。
船上での栄養補給と水分摂取の徹底
肉体的な疲労は、メンタルの低下に直結します。
【栄養と水分の補給】
◆ こまめな水分補給
喉の渇きを感じる前に水分を補給し、集中力の低下を防ぎます。
◆ ブドウ糖やアメ玉の摂取
短時間でエネルギーに変わる糖分を少量摂取することで、脳を活性化させ、モチベーションを維持します。
特に釣れない時ほど、小さな喜び(美味しいお菓子など)で気分転換を図ることが有効です。

船の上で試したい「ジギング以外の楽しみ方」
集中力を維持するためには、適度な休憩と気分転換が不可欠です。
釣れない時にロッドを置いて行う、「ジギング以外の過ごし方」を紹介します。
スマホをフル活用
これは単なる暇つぶしではなく、次の釣行で最も役立つ「生きたデータ」の収集です。
【スマホを利用したデータの記録】
◆ 釣行データの徹底的な記入
試したジグのカラーと重量などのデータを、スマホのメモ帳などに記録する。
「ブルーの160gを水深70mで試したが無反応」といったネガティブな結果も重要です。
◆ 潮汐・気象の詳細記録
潮位、風向き、風速、気温などを記録し、釣果との相関関係を後で分析できるようにします。
◆ 船長の会話のキーワード
船長が発した「二枚潮」「底荒れ」「魚が浮いた」などの重要なキーワードもメモします。
◆ 船上での写真・動画記録
自分のジグアクションを他人に撮ってもらう、あるいは同船者のアクションを動画に収めます。
後で自分のアクションを客観的に見直すことで、「あの時、もっとこうすればよかった」という反省点や発見に繋がります。
風景や船上の雰囲気を撮影するだけでも、良いリフレッシュになります。

普段できないタックルボックスの整理整頓
釣れない時間を利用して、タックルボックスを整理整頓し直します。
【整理整頓】
◆ ジグケースの整理
絡まったジグを取り外し、系統立てて並べ直します。
この時、「次に試すならこのジグだ」という戦略的なシミュレーションも同時に行います。
◆ 小物の点検
スプリットリング、ソリッドリング、予備のリーダーなどを点検し、次のヒットに備えます。
船上で風に飛ばされないように注意し、細かな作業に集中することで、ジギングのストレスから一時的に解放されます。
友人や同船者とのコミュニケーション
釣れない日の船上は、仲間同士の会話が増えるタイミングでもあります。
この時間が実はとても重要で、情報交換により見落としていたポイントに気づくことも多いです。
「そのジグ、どう動かしてる?」
「リズムは早め?遅め?」
「ライン角度どう?」
こういった何気ないやり取りがヒントになり、突然釣果に直結することがありますし、仲間のシャクリを横目で見て「自分は力みすぎていた」と気づくケースもあります。
釣りは結局、1人で完結するようでいて、周囲の情報が非常に価値を持つ「チーム戦」的な側面があります。
釣れない日は特に仲間との会話を大切にしてみてください。

船長との雑談は宝の山
船長の情報は、アングラーの何十倍も価値があります。
潮の変化、過去の同条件時の傾向、反応の出やすい棚など、経験の塊と言っていいほどの知識を持っています。
【船長とのコミュニケーション】
◆ 船長から学ぶ「海の知識」
「この時期、このエリアでベイトがつくのはどんな根回りか?」「魚探のこの反応は何が多いか?」など、直接的に釣りに繋がる情報を聞きます。
◆ 趣味や仕事に関する会話
釣りから少し離れた話題で会話をすることで、心の緊張を解きほぐします。
船上でのコミュニケーションは、釣りの楽しさを再確認させてくれる重要な要素です。

次に繋がる敗戦の極意「釣れない日のルーティン」
釣れない日で終わらせず、その経験を糧として次の釣行に活かすための、帰港後の行動こそが最も重要です。
敗因を知識として定着させる「反省録」
船上でのメモや記憶が新鮮なうちに、敗因を明確に記録します。
【敗因の分析】
◆ 環境要因
潮の動きが予測と違った、水温が低すぎた、ベイトがいなかったなど、自分ではコントロールできない要因。
◆ 道具要因
リーダーがザラついていた、フックが甘かった、ジグの選択がズレていたなど、事前に準備できたはずの要因。
◆技術要因
アクションが単調だった、レンジを外しすぎた、フォール中のラインコントロールが不十分だったなど、自身のスキル不足による要因。
この分析に基づき、「次に何を改善するか」という具体的な行動計画を立てることで、釣れない日を「失敗」ではなく「価値あるデータ収集日」に変えることができます。
帰宅後のタックルメンテナンスを「徹底的に」行う
すぐにタックルを洗い、次の出番に備えることは基本ですが、特に釣れなかった日には、タックルへの感謝と反省を込めて入念に行います。
【タックルメンテナンス】
◆ PEラインの塩抜きと乾燥
リールからPEラインを全て出し、真水で丁寧に塩抜きを行い、日陰で完全に乾燥させます。
ラインにダメージがないか、改めて目視で確認します。
◆ ジグ・フックの防錆処理
使用しなかったジグも含め、全て真水で洗い、乾燥後、フックやスプリットリングに防錆スプレーを軽く吹き付けます。
まとめ:釣れない日こそ、最高の成長機会
スロージギングにおける「釣れない日」は、アングラーの真価が問われる日です。
ただ時間を浪費するのではなく、戦略的な状況分析、タックルの徹底点検、そしてメンタルの賢いリセットを行うことで、この日を「次の大物に繋がる成長の日」に変えることができます。
ボウズは恥ではありません。
釣れない日の経験は「あなたにしか積み上げられない財産」になるのです。
その日が良い釣りだったかどうかを決めるのは、釣果ではなく、あなた自身の受け取り方です。
この船上での極意を実践し、スローアングラーとして一歩先のステージへ進みましょう。
あなたの次の釣行での爆釣を、心から祈っています!




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