スロージギングロッドは何が違う?普通のジギングロッドとの違いを解説

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 「スロージギングを始めたいけど。普通のジギングロッドと一体何が違うのだろう?」「手持ちの普通の青物用ロッドで代用してはダメなの?」

 これからスロージギングに挑戦しようとする方が、最初に必ず突き当たるのがこの「ロッドの違い」ではないでしょうか?

 見た目はどちらも似たようなルアーロッドに見えますが、結論から言うと、この2つは「設計思想も、水中でジグを動かすメカニズムも180度異なる、全く別の生き物」です。

 普通のロッドをそのまま使っても、スロージギング特有の「釣れる動き」を作り出すことはできません。

 この記事では、スロージギングロッドと普通のジギングロッドの決定的な違いを6つのポイントで徹底比較します。

 なぜ専用竿が必要なのか、どう選べば失敗しないのか、その理由が100%理解できるはずです。

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目 次

そもそも「スロージギング」と「普通のジギング」は何が違う?

普通のジギング(ハイピッチ)は「スピードと人間の力」で食わせる

 一般的なジギング(ハイピッチジャーク)は、主にスピニングタックルを使い、ドンドンと力強くリズミカルに竿をしゃくり上げていきます。

 これは「人間の腕の力」と「リールの巻き上げスピード」を組み合わせて、ジグを上へ上へと猛スピードで逃げ惑う小魚(ベイト)のように動かすアクションです。

 魚の捕食本能や、スピードによるリアクションバイト(反射喰い)を誘発するスタイルであり、ターゲットは主にブリやヒラマサ、カンパチといった遊泳力の高い青物が中心となります。

スロージギングは「ジグのフォール(落ちる動き)」で食わせる

 一方、スロージギング(スローピッチジャーク)は、上へ逃げる動きではなく、ジグが「ヒラヒラと力なく落ちていく動き(フォール)」で魚を誘います。

 瀕死の小魚や、群れから遅れて落ちてくるベイトを演出するため、激しく竿を振り回す必要はありません。

 ジグを一瞬「ポンッ」と上に向けて跳ね上げたら、すぐにテンションを緩めてジグを水中で真横に向けます。

 その直後、ジグが自重と水圧で平を打ちながら自由落下(フォール)する瞬間こそが最大のバイトチャンスです。

 遊泳力の低い根魚(キジハタやソイ)から、マダイ、青物、さらには中深海のタチウオやアカムツまで、海のほぼ全ての魚がターゲットになります。

狙うアクションが違うから、ロッドに求められる役割も180度変わる

 このように、普通のジギングが「人間の力でジグを上に引っ張り上げる釣り」であるのに対し、スロージギングは「ロッドの力でジグを横に向かせ、あとは勝手に落とす釣り」です。

 そのため、普通のロッドに求められるのは「激しいジャークに耐える粘りと強度」ですが、スロー用ロッドに求められるのは「重いジグを自力で跳ね上げるための強烈な反発力」になります。

 この役割の違いが、ロッドの構造や素材の決定的な差となって現れるのです。

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スロージギングロッドと普通のジギングロッド「6つの違い」

① ブランクス(芯材)の性質:高弾性・高反発 vs 低・中弾性

 そもそも、ロッドの本体であるブランクスに使われるカーボン素材が根本的に違います。

 スロージギングロッドには、薄肉で極めて硬い「高弾性カーボン」が使われています。

 これにより、竿先を曲げた後に「パンッ!」と元の真っ直ぐな状態に戻ろうとする力(復元力・反発力)が爆発的に高められています。

 人間が意図的に操作しなくても、ロッドが自力でジグを弾き飛ばしてくれるのです。

 近年は、この高弾性チューブラー(中空)に加えて、芯までカーボンが詰まった「フルソリッド」でありながら、高い反発力と極上の粘りを両立したモデルも人気を集めています。

  対する普通のジギングロッドは、魚の急な突っ込みや激しいしゃくりでパキッと折れないよう、粘り気のある「低・中弾性カーボン」をメインに、肉厚に作られているのが特徴です。

② ロッドのテーパー:パラボリック(胴調子) vs ファースト(先調子)

 竿の曲がり方のクセ(調子)にも明確な違いがあります。

 スロージギング用ロッドは、一般的にロッドの中央部分から綺麗に弧を描いて曲がる「レギュラー(本調子)やスロー(胴調子)」に設計されています。

 重いジグの重みをロッド全体できっちり受け止め、溜めたパワーを弓矢のように解放してジグを真横に弾き出すためです。

  普通のジギングロッドは、ジャークの切れ味を高めたり、魚を掛けたあとに主導権を握りやすくするため、竿先がスムーズに曲がりベリー(お腹)からバット(根本)がガチッと残る「ファーストテーパー(先調子)」寄りの設計が多くなっています。

③ リールシートとグリップ長:脇挟み・肘当てのホールド性

 スロージギングは、水深100mを超える深場や200g以上の重いジグを日常的に扱うため、手元を極限まで安定させる必要があります。

 そのためロッドはベイトタックル用に作られたものが多く、リールシートには指を掛けて手のひら全体でリールを包み込める「トリガー(突起)」が付いています。

 さらに、リアグリップ(リールより後ろの持ち手)が長く設計されており、脇の下へガッチリと挟み込んで、テコの原理で楽にロッドをコントロールできるようになっています。

 普通ジギングのロッド(特にスピニング)は、腕全体を大きく使ってしゃくるため、リアグリップは肘に当てる程度のやや短めな設計が一般的です。

④ ガイドのセッティング:多点・小口径配置

 糸が通る「ガイド」の数と大きさにも違いがあります。

  スロージギング用ロッドは、非常に小さくて軽いガイドが、一般的なロッドよりも「多く、細かく」配置されています(多点セッティング)。

 これは、糸とロッドの隙間を無くすことで、ブランクスの強烈な反発力を1mmのロスもなくラインへ伝えるためです。

 また、しゃくった瞬間に糸が弛む(スラッグが出る)釣りであるため、糸が竿に絡みつくトラブルを防ぐために、ガイドを螺旋状に配置した「スパイラルガイド仕様」のロッドも多く存在します。

 それに対して、普通のジギングロッドは、太いラインやリーダーがスムーズに抜け、ジャーク時の摩擦抵抗を減らすために、口径の大きなガイドが適度な間隔で並んでいるのが特徴です。

⑤ 長さと重量:軽量・高感度へのこだわり

 スロージギングロッドの長さは、6ft0inch~6ft6inchが主流で、竿の反発力を最大限に引き出しやすい長さとなっていおり、驚くほど細くて軽いのが特徴です。

 水中のジグが今どういう向きになっているか、フォール中に魚がジグの針に一瞬「触れただけ」の微細なアタリ(触れアタリ)を手元にビンビン伝えるための、超軽量・超高感度設計になっています。

 一方、 普通のジギングロッドは、パワーや耐久性を担保するためにある程度の自重があり、遠投性やストロークを確保するために長さの選択肢も幅広くなっています。

⑥ ルアーウェイト表記の基準

 ロッドに印字されている「適合ジグウェイト」の数字の持つ意味が、両者で全く異なります。

  普通のジギングロッドの表記(例:MAX 80g)は、「これ以上重いものを全力で振り回すと竿が壊れますよ」という限界値を示しています。

 それに対し、スロージギングロッドの表記(例:適合ジグ 200g〜350g)は、「この重さのジグを使った時に、一番綺麗にロッドが反発してジグを横に向かせることができますよ」という、あくまで快適にアクションさせるための適正値を示しています。

 そのため、スロージギング用ロッドは驚くほど細い見た目なのに、300g以上の超重量級ジグが扱えるような表記になっているのです。

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普通のジギングロッドで「スロー」は代用できる?

結論:おすすめしません!

 普通のジギングロッドを、スロージギングに使用するのは「おすすめしません!」

 全く釣れないわけではありませんが、スロージギング用ロッドのようにジグを操作するのは非常に困難だからです。

 それらの詳しい理由について解説していきます。

理由1:ジグが「横」を向かない(ただ引っ張るだけになる)

 「普通のジギングロッドがあるから、それにスロー用ジグを付けて落とせばいいのでは?」と考える方は非常に多いですが、これは上手くいきません。

  普通のロッドはティップ(穂先)が柔らかいため、重くて平べったいスロー用ジグをしゃくった瞬間、ジグの水圧と自重に負けて竿先がボヨンとお辞儀してしまいます。

 これでは高弾性ロッドのような「弾き」が生まれないため、ジグは水中で寝ること(横を向くこと)ができず、ただ上下に虚しく引きずり回されるだけになります。

 スロージギング最大の武器である「食わせの間(ま)」が作れないため、釣果は激減します。

理由2:リール主導の「1/4ピッチ」などの微細な巻取りに対応できない

 スロージギングの基本テクニックに、ハンドルを1回転させる「ワンピッチ」だけでなく、ハーフピッチ(1/2)や1/4ピッチなど、その都度ジグをほんの少しずつ移動させてアピールする技があります。

 この時、専用ロッドであれば、リールをほんの少し巻くだけでカリッと竿が追従してジグを動かしてくれますが、先調子の普通のジギングロッドでは、その動きが海中のジグまで伝わりません。

理由3:最悪の場合、ロッドが破損するリスクも

 普通のロッドの感覚で、スペック以上の重いスロー用ジグを無理やり跳ね上げようとすると、ロッドの一部分に過剰な負荷が集中します。

 特にジャークの頂点から竿が戻る際、想定外の重量に耐えきれなくなったブランクスがパキッと破断してしまうリスクがあります。

 道具を安全に、長く使うためにも代用は避けるべきです。

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【初心者必見】最初の1本を選ぶときの「失敗しない基準」

基準①:まずは「ベイトタイプ」を選ぶのが絶対条件

 スロージギングには、スピニングタックルではなく「ベイトタックル」を選ぶ事をおすすめします。

 スロージギングは、フォール中(落ちていく時)にアタリが頻発する釣りです。

 そのため、ラインがパラパラと出て行くスピニングリールでは、フォール中のアタリを取るのが非常に難しくなります。

 一方、ベイトリールであれば親指で糸に軽く触れる(サミングする)ことで、落ちていく途中の「フッ」と糸が止まるような小さなアタリを確実に手元や目視で捉えることができます。

 また、底に着いた瞬間にクラッチを戻して一瞬で巻き始められるため、根掛かりを回避し、底付近にいる魚に最初に見切られないという絶対的なメリットがあります。

基準②:通うエリアの「水深」と「ジグの重さ」から逆算する

 ロッドのパワー(番手)を選ぶ時は、自分が通う予定の海の「水深」と「使うジグの重さ」を船宿に事前に確認し、そこから逆算するのが鉄則です。

 例えば、一般的な近海(水深50m〜100m前後、ジグ150g〜200g目安)であれば、各メーカーの「#2(2番)」や「#3(3番)」クラスが最も汎用性が高く、最初の1本に最適です。

  なお、近年の世界的な気候変動に伴う潮流の変化(潮が複雑に流れる二枚潮など)のせいで、浅い水深でも底を取るためにワンサイズ重いジグが必要になるケースが増えています。

 迷ったら、少し重めのジグまでカバーできる番手(近海なら#3)を選んでおくと安心です。

基準③:チューブラー(管状)とフルソリッド(無垢)どっちがいい?

 「スロージギングロッドはチューブラーとフルソリッドどっちが有利?」という記事でも触れていますが、初めてのスロージギングロッドをには、「チューブラーロッド」をおすすめします。

 その理由は、スロージギングの本質が「海中の情報を正確に察知し、アングラーの意図通りにジグを動かして食わせる釣り」だからです。

 チューブラーが持つ「圧倒的な手に伝わる感度」と「ジグをコントロールする操作性」は、スロージギングの基本を習得し、上達するためにどうしても欠かせない要素です。

 「潮の重みを感じ、海底の着底を逃さず、ジグを自走させる」という一連のプロセスは、チューブラーを使ってこそ最も高い次元で成立すると考えるからです。

 また、ディープエリアやドテラ流しなど、日本のあらゆるフィールド・天候に対応できる「懐の深さ(汎用性)」という意味でも、最初の1本はチューブラーを選ぶのが間違いのないと考えます。

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価格帯別おすすめスロージギングロッド

【エントリークラス】予算2~3万円前後:まずはここから!

 「まずは初期費用を抑えてスロージギングを体験してみたい」という方におすすめのロッドの紹介です。

【エントリークラスのおすすめ】

Daiwaアウトレイジ BR SJ
Shimanoグラップラー タイプ スロー J
Major Craftジャイアントキリング5G スロージギングモデル

 購入しやすい価格帯でありながら、上位機種に迫る本格的な高弾性ブランクスを搭載しています。

 入門機とはいえ、近海の青物や大型根魚と十分に渡り合えるパワーと感度を備えており、最初の相棒として申し分ない完成度です。

【ミドルクラス】予算3〜4万円前後:本格的にやりたい人向け

 趣味として本格的にスロージギングをやりたい方には、最もコストパフォーマンスと性能のバランスが良いこの価格帯がベストです。

【ミドルクラスのおすすめ】

Daiwaアウトレイジ SJ
Shimanoゲーム タイプ スロー J
Major Craftジャイアントキリング7G スロージギングモデル

 このクラスになると、ロッドのネジレを抑えるカーボンテープの特殊構造が採用され、軽い力で面白いようにジグが横を向くようになります。

 自重もさらに軽くなり、1日中しゃくり続けても疲れない快適性を手に入れることができます。

【ハイエンドクラス】予算5万円以上:極上の感度と操作性を求めるなら

 最高峰の道具でシビアな大物と対峙したい方は、フラッグシップモデルがおすすめです。

【ハイエンドクラスのおすすめ】

Daiwaソルティガ SJ
Shimanoオシアジガー リミテッド (ベイト)
Ever Greenポセイドン スロージャーカー

 超高弾性カーボンの塊のようなロッドで、水深100m以深の「ジグが今どう動いたか、魚が追尾してきたか」という情報が、まるで手元で直接触っているかのように伝わります。

 一生モノのロッドを探している方におすすめのロッドです。

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スロージギングロッドの「正しい扱い方とファイトのコツ」

魚が掛かったら「竿を立てて曲げない」が鉄則

 普通の釣り竿は、魚が掛かったらギュンと竿を立てて綺麗に曲げて魚を浮かせます。

 しかし、チューブラーのスロージギングロッドでそれをやると一瞬で折れます

 スロージギングロッドは「ジグを跳ね上げる」ために極限まで肉薄・高弾性に作られているため、縦方向の引っ張り強度には非常にデリケートです。

 そのため、魚が掛かったら、ロッドの角度は海面に対して「水平、あるいはやや下向き」をキープするのが鉄則です。

 竿を曲げて耐えるのではなく、「リールの強力な巻き上げ力」と「スムーズなドラグ性能」によって魚を寄せるのが、スロージギングの基本であり、大物を確実にキャッチするコツです。

根掛かり時の注意点

 スロージギングは、海底付近をタイトに攻める釣りなので、根掛かりは付き物です。

 この時、普通の竿のように「ギュン、ギュン」と竿を煽って外そうとするのは絶対にやめてください。

 これも一発破断の原因になります。

 根掛かりしたら、可能な限りラインを巻き取り、その後ラインを手で掴んで煽る事によって、根掛かりを外します。

 その際は、ラインによって手が切れたりしないよう、必ずグローブをはめるか、タオルなどを使ってラインを掴んで下さい。

 それでも外せない場合は、ロッドを海面に向けて真っ直ぐにし、リールのスプール(糸巻き部)を手のひらでロックして引っ張って外す(またはラインを切る)ようにしてください。

乗船時・移動時の破損トラブルを防ぐ

 スロージギングロッドのトラブルの多くは、実は釣りの最中ではなく「移動中」に起きています。

 船のロッドホルダーに立てて移動する際、重いジグをセットしたままにしておくと、波の衝撃でジグが暴れて細い穂先にカツカツとぶつかり、目に見えない微小な傷(クラック)が入ることがあります。

 これが原因で、次にしゃくった時に突然折れてしまうことがあります。

 移動時は必ずジグを外すか、専用のジグホルダーに固定し、船の天井や隣のアングラーの竿と接触しないよう細心の注意を払って下さい。

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まとめ

 スロージギングロッドは、普通のジギングロッドとは設計思想が大きく異なります。

 通常のジギングロッドが「強く速く動かす」ためのロッドなのに対し、スロージギングロッドは「自然に見せて食わせる」ためのロッドです。

 そのため、柔らかさや曲がり方、ジグ操作の方法まで大きく違います。

 普通のロッドで無理に代用しようとしても、ジグが水中で上手く動かないばかりか、大切な道具を壊してしまう原因にもなりかねません。

 まずは自分のホームグラウンドに合った信頼できる1本を選び、竿の反発力でジグが勝手に踊るような、あのスローピッチジャーク独自の快感を是非体感してみてください!

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