メタルジグの重心で釣果が変わる?スロージギングの使い分けを解説

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  「スロージギングを始めてみたいけど、店頭に並ぶさまざまなジグの中からどれを選べばいいのか分からない…」 「釣具屋で『センターバランス』や『リアバランス』と書かれているけれど、実際にどう使い分ければいいの?」

 このような疑問や悩みを抱えていませんか?

 オフショアのルアーフィッシングの中でも、特にターゲットの幅が広いのがスロージギングで、青物だけでなく、根魚(アイナメ・ソイ)やタチウオなど、多種多様な魚種を狙えるのが魅力です。

 しかし、スロージギングで安定した釣果を伸ばすためには、「ジグの重心バランス」と「水深・潮流に応じた重量選定」の2つの要素を理解し、現場の状況に合わせて的確に使い分けることが欠かせません。

 適当にジグを選んでしまうと、「ジグが着底した感覚が分からない」「フォール中に潮に流されておまつりばかりする」「魚が反応するフォールアクションが演出できていない」といったトラブルに直面してしまいます。

 そこで本記事では、スロージギングにおけるジグの重心位置(センター・フロント・リア)ごとの水中アクションや得意なシチュエーション、水深や潮流・ライン太さに合わせたジグ重量の選定を分かりやすく徹底解説します。

 この記事を最後まで読めば、現場で迷わずに最適なジグを選択できるようになり、渋い状況でも価値ある一匹を引き出す力が身につきますので、是非参考にしてください!

●スロージギングの基本的なメタルジグの選び方はこちら⇩

目 次

メタルジグの重心位置と動きの関係

 メタルジグを選ぶ際、重量やカラーだけでなく、重心位置も確認したい重要ポイントです。

 重心の位置が異なると、水中での姿勢や動き、フォール時の挙動などに違いが生じる場合があります。

 ただし、重心位置だけでジグの動きを完全に判断できるわけではありません。

 同じセンターバランスでも、細長いジグと幅広いジグでは水の抵抗が異なり、フォールの速度やアクションに違いが出ることがあります。

 まずは、重心の基本と、なぜ重心によって動きが変わるのかを解説します。

メタルジグの重心とは?

 メタルジグの重心とは、簡単にいうとジグ全体の重量がバランスする位置のことです。

 ジグを手に持ってバランスを取ったとき、どの位置で支えると安定するかをイメージすると分かりやすいと思います。

 メタルジグには、一般的に次のような重心位置のタイプがあります。


【ジグのバランス位置】

センターバランス:中央付近に重心があるタイプ
フロントバランス:前方に重心があるタイプ
リアバランス:後方に重心があるタイプ

 ここでいうフロント・リアは、通常ジグの先端側や後方側を基準にした呼び方です。

 実際の製品では、重心位置が明確に3種類へ分類できないものや、独自の設計を採用しているものもあります。

 重心の違いによって、水中でジグがどの方向を向きやすいか、フォール中にどのような動きをするかなどに影響することがあります。

 ただし、重心位置が同じであっても、ジグの形状や材質によって挙動は変わりますので、重心の分類はジグ選びの出発点と言えます。

重心位置によって動きが変わる理由

 メタルジグを水中に落とすと、重力によって沈みながら、水の抵抗を受けます。

 このとき、ジグの重心位置と形状、さらに水の抵抗が働く位置との関係によって、ジグの姿勢や動きが変わります。

 例えば、ジグが水平に近い姿勢でフォールする設計であれば、水を受けながらヒラヒラと動きます。

 一方、前方や後方に傾きやすい設計では、別のフォール姿勢や動きを見せることがあります。

 ただし、これは重心位置だけで決まるものではありません。

重心以外にも影響する要素


【ジグの動きに影響を及ぼす重心以外の要素】

ジグの形状
 細長い形状、幅広い形状、厚みのある形状などによって水の抵抗が変わる。

ジグの厚み
 厚みや断面形状によって、水中での抵抗や姿勢に違いが出る。

表面積
 同じ重量でも表面積が大きく異なると、水を受ける状態が変わる。

材質・比重
 タングステンなど、鉛とは異なる材質を使用したジグもあり、材質によって、同じ重量でも大きさや形状が異なる場合があります。

ラインとフックの影響
 ラインの抵抗やフックの重量・取り付け位置も、ジグの姿勢や動きに影響する。

 以上ように、メタルジグの動きは複数の要素によって決まります。

 「センターバランスだから必ず水平フォールになる」「リアバランスだから必ず最も速く沈む」といった単純な判断ではなく、製品の設計や実際の動きを確認することが大切です。

【重心別】メタルジグのバランスと特徴

 ここからは、「センターバランス」「フロントバランス」「リアバランス」の特徴を解説します。

 それぞれのタイプには異なる設計思想があり、釣り方や状況によって使い分けを考えることができます。

 ただし、以下で説明する内容は一般的な特徴であり、全ての製品に当てはまるわけではないため、メーカーの説明や実際の使用感も確認する必要があります。

 メタルジグのバランス設計は、ジャークした際の「跳び」と、その後の「フォール」をコントロールするためにあります。

センターバランス

 「センターバランス」のジグとは、名前のとおりジグの中央部、もしくは中央付近に重心があるタイプのジグの事を言います。

 スロージギングにおいて最も標準的かつ「万能」と評価されるタイプであり、多くの釣り人にパイロットジグとして使用されています。

水中での挙動とアクション

 ロッドをジャークしてラインスラッグ(糸ふけ)を出した際、センターバランスのジグは素早く水平姿勢へと移行します。

  水平姿勢になったジグは、水の抵抗を大きく受けるため、左右にひらひらと身を翻しながら揺れる「ヒラヒラしたフォール」や、ゆったりとした「スライドフォール」を見せます。

 この「滞空時間の長さ(フォールスピードの遅さ)」こそが、センターバランス最大の特徴であり、「フォールで食わせる能力の高さ」です。

センターバランスの特徴

【センターバランスのメリット】

長いフォールタイムで「食わせの間」を作れる

 フォールスピードが緩やかなため、遊泳力の低い根魚や食い渋った魚に対してじっくりとジグを見せ、バイトに持ち込むチャンスを増やせます。

どのようなターゲット・状況にも対応する万能

 青物、底物、中深海ターゲットまで、あらゆる魚種に対して高い威力を発揮します。

【センターバランスのデメリット】

潮が速い場所では底取りが難しい

 水抵抗を受けやすい形状をしているため、潮流が速いエリアや二枚潮(上潮と底潮の動きが異なる状況)では流されやすく、着底感がボヤけてしまいます。

フォール中のオマツリリスク

 フォール時に大きく横移動・スライドするモデルの場合、乗合船などで隣のアングラーとラインが絡みやすくなることがあります。

 以上がセンターバランスのジグの特徴です。

センターバランスはどんな時に使う?


センターバランスが有効な状況】

◆ 潮流が緩やかな状況。
◆ ベイトに似せた自然なフォールが効果的な場面。
◆ 活性が低く、ゆっくりとジグを見せたい場合。
◆ 根魚から青物まで幅広く対応。

 ジャークに対して素直に横方向へスライドするものが多く、その後の安定した姿勢のフォールで魚のバイトを誘います。

 比較的オールマイティな性能を持ち、多くのジグに採用されており、初心者でも比較的扱いやすく、潮流の緩い場合には様々な魚種を狙える万能型のジグと言えます。

 それでは、センターバランスのジグをご紹介します。

ネイチャーボーイズの「スローライダー」です。

見て分かる通り、純粋なセンターバランスのジグで、特に春先の根魚攻略の際は大活躍のジグです。

 

これも純粋なエンターバランスのジグ、ビートの「ビーライン」です。

このジグも根魚狙いで大変お世話になっており、特に赤色はアイナメやホッケに、黒はソイに有効です。

●メタルジグの長さの違いによる使い分けはこちら⇩

フロントバランス

 フロントバランスとは、ジグの頭部(前側)に重心が寄せられている設計のジグです。

 一般的なショアジギングやハイピッチジギングでもよく用いられますが、スロージギングにおいても独特の存在感を発揮します。

水中での挙動とアクション

 ジャークした際、重い頭部が先導して水を切り裂くため、直線的で滑らかな抜け感(引き抵抗の軽さ)が得られます。

 ロッドアクションに対するレスポンスが非常に良く、上方向へのスライドや立ち上がりがスムーズです。

 ジャークの頂点に達してライン緊張が抜けた瞬間、重い頭部が下を向こうとするため、一瞬「ジグが水中でピタッと止まるような間」が生まれ、その後素早くフォールに移行します。

フロントバランスの特徴

【フロントバランスのメリット】

ジャークの引き抵抗が軽やか

 水切り性能が高いため、アングラーへの身体的負担が少なく、一日中ジャークを続けても疲れにくいのが魅力です。

立ち上がりの良さとメリハリのある動き

 ロッドワークに対するレスポンスが優れているため、キレのあるジャークから一瞬のステイ(停止)、そしてフォールというメリハリのある連続アクションを演出できます。

【フロントバランスのデメリット】

フォール姿勢の制御にコツがいる

 気を抜くとすぐに頭を下にして直線的に落下してしまいやすいため、ラインスラッグの出し方を調整して上手に水平姿勢を作ってあげるテクニックが求められます。

フロントバランスはどんな時に使う?


フロントバランスが有効な状況】

◆ 潮流が速い場合。
◆ フォールスピードを活かした深場狙い。
◆ 逃げ惑うベイトを演出したい場合。
◆ 状況が分からない時のパイロットジグ。
◆ イレギュラーな動きでリアクションバイトを誘発。

 「根魚から青物まで狙いたいが、潮流が速くてセンターバランスのジグが使えない」、そんな場合に重宝するのがフロントバランスのジグです。

 釣り場についたばかりで状況が分からない時のパイロットジグとしても最適なジグですし、全ての魚種に対応可能なジグでもあります。 

 それでは、フロントバランス(センター寄り)のジグをご紹介します。

ディープライナーの「スパイ-C」です。

このジグは青物に有効ですが、底物であるヒラメにも非常に有効なジグで、特に7月以降は外せないジグです。

 

ダイワの「鏡牙ジグ セミロング」になります。

一見するとセンターバランスに見えますが、よくよく見ると若干フロント側に重心があることが分かると思います。

太刀魚用に開発されたジグですが、根魚から青物まで狙うことが出来ますし、比較的安価な事から、根が荒い場所などを攻める時に重宝します。

 

シマノの「スティンガーバタフライ ぺブルスティック」です。

メーカーのHPでは、バランスが8:9となっていて、ほぼほぼセンターバランスといっていいジグです。

フォールが遅めのジグで、潮が緩い時の青物狙いに有効です。

●メタルジグの断面形状の違いによる使い分けはこちら⇩

リアバランス

 リアバランスとは、ジグの後方(お尻側)に重心が集中している設計のジグです。

 スロージギングの「フォールで魅せる」という概念とは一見対極にあるように思えますが、特定の厳しい条件下では欠かせない救世主となります。

水中での挙動とアクション

 重心が後ろにあるため、キャスト時や落とし込み時に矢のように真っ直ぐ、かつ最速で水中を落ちていきます。

 水の抵抗を最小限に抑えながらフォールするため、潮の抵抗を受けにくく、狙ったピンポイントへ素早くジグを届けられます。

  一方、ジャーク時にはお尻を引っ張る形になるため引き抵抗はやや重くなりますが、入力後はリアが引っぱられる形で素直にフォールへと切り替わります。

リアバランスの特徴

【リアバランスのメリット】

圧倒的なフォールスピードと抜群の底取り感

 潮が爆速で流れているエリアや、水深200mを超えるような中深海でも、明確に着底の感覚(トンッという手感度)を捉えることができます。

糸ふけ(ラインスラッグ)が出にくい

 直線的に落ちるため、二枚潮などの複雑な潮に入ってもラインが大きく膨らまず、仕掛けを真っ直ぐ立てやすくなります。

【リアバランスのデメリット】

フォール中のアピール力・滞空時間が短い

 ストンと素早く落ちてしまうため、フォールアクション自体で魚を惹きつける力はセンターバランスに比べると劣ります。

 魚が追いきれないケースもあるため、リアバランスで着底させた後、ショートジャークで喰わせるなどの工夫が必要です。

フロントバランスはどんな時に使う?


リアバランスが有効な状況】

◆ 二枚潮や潮流が速くて複雑な場合。
◆ 深場狙い。
◆ スピードのある動きに反応が良い場合。
◆ 高速巻きでのリアクションバイト。


 潮流が早かったり複雑な場合に非常に便利なジグで、二枚潮などの底を取りずらい場面でも、他のタイプのジグに比べて底取りしやすい。

 動きが早いため、特に遊泳力のある青物に有効なイメージがある反面、根魚を狙う場合には出番が少ないジグでもあります。

 これについては、あくまでもYobo爺の使い方に限っての事かもしれません。

 それでは、リアバランスのジグを紹介して行きます。

タックルハウスの「P-Boy Jig バーチカル 」です。

見ての通り、リアに重心があるのが一目で分かると思います。

キビキビした動きが特長で、潮が早い時の青物狙いで出番が多いジグです。

 

ダイワの「ソルティガ ジャイブチョッパー」です。

今シーズンから使い始めたばかりで、まだ使いこなしていると言えませんし、大物の実績もありませんが、非常に使いやすいジグである事は間違いありません。

●メタルジグのカラーの違いによる使い分けはこちら⇩

重心の違いによる比較表

 センターバランス、フロントバランス、リアバランスのそれぞれの特徴を表した比較表になりますので、ジグセレクトの際の参考にして下さい。

有効な使い方センターフロントリ ア
潮流が速い・複雑
深場狙い
潮流が緩い場合
青物狙い
根魚狙い
活性が低い場合
じっくりとジグを見せる
パイロットジグ
幅広く魚種を狙う場合
コントロールのしやすさ

 この表を見ると、「フロントバランス(センター寄り)」のジグがオールマイティーに使えるという事が分かりますが、言い換えれば、可も無く不可も無く、これといった特徴が無いとも言えます。

 初心者の方は、明らかに潮が緩い場合は「センターバランス」、潮流が速くて複雑な場合は「リアバランス」、その他の場合や状況がよく分からない場合には「フロントバランス」、というような使い方がおすすめです。

 そのような使い方をしていくうちに、自分なりの使い方が見えてくるはずです。

●メタルジグの「フォール」についての詳しい解説はこちら⇩

水深と潮流で変わる!最適なジグ重量の選び方

 30年以上も前の話ですが、スロージギングに使用するジグの重量について、最初のうちはどのくらいの重さのジグを使ったらいいのか全く分かりませんでした。

 今のようにネットで何でも調べられる時代でもありませんでしたし、メタルジグのバリエーションも少なく、yobo爺の住んでる田舎では80gほどのジグを手に入れるのがやっとでした。

 いろいろ試しながら、そして失敗しながら、試行錯誤を繰り返し30年以上が経過しましたが、今考えると随分遠回りしてきたような気がしますし、未だに分からない事だらけです。

 ここでは、30年以上の経験から分かった?ジグの重量の考え方などについてご紹介して行きます。 

ジグ重量の重要性

 スロージギングでメタルジグを選ぶ際、重心と並んで重要なのがジグの重量です。

 メタルジグには、80g・100g・150g・180g・200g・250gなど、さまざまな重量があります。

 初心者の方は「水深が深くなるほど重いジグを選ぶ」と考えがちですが、実際には水深だけで重量を決めることはできません。

 潮流の速さ、船の流し方、ラインの太さ、ジグの形状、底取りのしやすさなども関係します。

 ここからは、ジグ重量を選ぶ際の基本的な考え方を説明します。

ジグ重量に関係する主な要素


【ジグ重量の選定要素】

① 水深:深い場所では、ジグが着底するまでの距離が長くなります。
② 潮流:潮が速い場合、ジグやラインが流されることで、底取りが難しくなることがあります。
③ 船の流し方:船が潮や風によって移動すると、ラインが斜めに出やすくなる場合があります。
④ ラインの太さ:ラインの太さや種類によって水の抵抗が異なります。
⑤ ジグの形状:同じ重量でも、形状によってフォール中の水の抵抗が変わります。

 このような条件を考慮し、底取りができる範囲で重量を調整することが基本です。

水深と潮流によるジグ重量の基本的な考え方

 ジグの重量は「着底が明確に分かるかどうか」が最重要基準です。

 着底が分からない状態では、どんな高性能ジグでも意味がありません。

 どのくらいの重さがいいのかは、ジグの形状などの様々な要因によって変わりますので、一概に〇〇gと言えないのが正直なところですが、Yobo爺の基本的な考え方としては、

 ● ジグの重量 W=釣り場の水深(m)×2倍 ~3倍

 としています。 (あくまでもYobo爺の参考的な考え方です。)

 水深の2倍~3倍とかなり開きがありますが、潮が緩い場合は2倍、潮が速い場合は3倍として選定し、実際にジグを投入してその日の状況を確認し、最適なジグの重量や形状を決めていきます。

 とにかく大切なのは「底が明確に取れること」と「ロッドがジグの重さに負けていないこと」です。

 使用するロッドの適合ウェイトを確認し、その範囲内で最も扱いやすい重さを選ぶ事が重要です。

●スロージギングの「食わせの間」についてはこちら⇩

水深や潮流の早さによる重量の選定例

 水深や潮流の速さによるジグ重量の選定は以下の通り行っています。


ジグ重量の選定例】

水深80m±10m程度の場合の基準

 潮流が緩い場合 80m×2倍=160g前後
 潮流が速い場合 80m×3倍=240g前後

 このような場合、Yobo爺的には最初に付けるジグは、160g~180g程度のフォールが早めのセミロングジグをパイロットジグとしてスタートします。

 その後、潮が早いようであれば同じような形状の200g~230g程度のジグに変更するか、同じ180g程度のフォールがさらに早いジグを付けて様子を見ますが、この辺の判断は経験によるところになり、現場の状況を見て決めます。

 また、潮が緩い場合は、同じ160g程度の木の葉型のショートジグに替えるか、同じような形状の130g~150g程度の軽いジグに変更して様子を見ます。

 これについても経験と現場の状況により判断します。

 以上のような感じでジグの重量をセレクトしていますので、参考までに。

二枚潮(複雑な潮)が発生している場合


【二枚潮への対処】

対応ジグを重くし、シルエットの細い(水抵抗の少ない)モデルを選ぶ

理由
 表層の潮は右に、底の潮は左に流れているような「二枚潮」では、水中でラインが「S字状」に大きく湾曲します。
 この状態を打破するには、水抵抗を突き破って真っ直ぐ落ちる重めのジグ(場合によってはリア〜ややリア寄りのセンタージグ)を投入し、ラインの膨らみを最小限に抑えることが有効です。

使用するライン(PE号数)との兼ね合い


【ラインの太さとの兼ね合い】

高切れ防止と潮受けのバランス

 PEラインは太くなればなるほど、水中で大きな抵抗を受けます。
  例えば、同じ水深100m・200gのジグを使う場合でも、PE1.2号とPE2.5号ではラインが受ける潮の抵抗が全く異なります。
 太いライン(2号以上)を使用する場合は、潮抵抗の影響を相殺するために、通常よりも1段階〜2段階重いジグを選択するのが鉄則です。

ロッドの適合スペック(パワー)とジグ重量の関係

  ジグの重量を選ぶ際、必ずセットで確認しなければならないのが「スロージギングロッドの適合ジグウエイト」です。

 そこでお伝えしたいのは、「カタログに書かれているロッドの適合ジグウエイトは、あくまで『潮が全く動かないプールのような状態』での基準値である」ということです。

 実際の釣りでは、水深だけでなく「潮流の速さ」「風」「波」「船の流し方」といった数々の不確定要素が絡み合います。

 そのため、カタログに「適合:200g」と書かれていても、現場の潮が激流であれば300gを背負わせなければならないこともありますし、逆に潮が全く動かなければ130gに落とさなければならないこともあります。

 カタログ値はあくまで「スタートライン(目安)」であり、現場の状況に合わせて柔軟に応用していく応用力が必要になります。


【適正重量のジグを使うメリット】

基本バランス(適正表記)

 ロッドの適合ジグ重量に対して、適合重量のジグをセットすると、ジャークした時にロッドのティップ(穂先)からベリー(胴)が素直に曲がり、その戻り(反発)によってジグがポンッと心地よく横を向きます。
 これが最も基本となるセッティングです。

【適合範囲外のジグを使うデメリット】

適合最小値を下回る軽すぎるジグを使った場合

 ロッドの反発力がジグの重さに対して「勝ちすぎて」しまいます。
 しゃくった瞬間にロッドがパキーンと激しく戻るため、軽いジグは水中で過剰に弾き飛ばされ、ラインがフックに絡むトラブル(エビになる現象)が多発します。
 また、ジグに動きの「タメ」が作れないため、魚にとっても不自然で警戒心を煽る動きになってしまいます。

適合最大値を上回る重すぎるジグを使った場合

 今度はジグの重さと水圧に対して、ロッドの反発力が「負けて」しまいます。
 釣り人が一生懸命ロッドを煽っても、ロッドの穂先からベリー(中間部)がお辞儀をしたまま戻らなくなったりします。
 水中のジグは横を向くことなく、ただ上下に動いているだけの「ただの鉛の塊」と化し、スロージギング特有のフォールアクションを演出できません。
 さらに、限界を超えた負荷をかけ続けることは、高弾性ロッドの破損リスクを高める原因にもなります。

●海の色とジグカラーの関係についてはこちら⇩

魚種別のジグ選び

 ここまで、重心や重量の基本的な考え方を説明しましたが、ここからは、実際の釣行を想定して、魚種別のジグ選びを考えていきます。

根魚を狙う場合

 スロージギングで根魚を狙う場合、当然ですが底付近を意識した釣り方になります。

 そのため、底取りのしやすさや、底付近でジグをどのように動かすかが重要になります。

根魚狙いのジグ選び

 根魚を狙う場合でも、魚種や釣り場によって適したジグは異なります。

 例えば、底付近でフォールを組み合わせた誘いを行う場合は、ジグの姿勢や動きが選択のポイントになります。

 ただし、根魚狙いだから特定の重心が必ず有利になるとは限りませんので、水深や潮流、根の形状なども考慮して、適切な重量と形状を選ぶ必要があります。

根掛かりへの注意

 根魚を狙う釣りでは、底付近を攻めることで根掛かりのリスクが高まります。

 底を取り続けることだけを意識するのではなく、釣り場の状況や船長の指示に合わせて操作することが大切です。

 また、フックの取り付け方やジグの形状によっても、根掛かりの発生しやすさが変わる可能性があります。

 安全に釣りを続けるためにも、根掛かりが多い場所では状況に合わせた操作が大事になります。

青物を狙う場合

 青物を狙うスロージギングでは、魚の活性やベイトの状況などもジグ選びの参考になります。

 青物といっても、ブリ・ワラサ・ヒラマサなど魚種やサイズによって釣り方が異なり、釣り場の状況も大きく関係します。

青物狙いのジグ選び

 青物を狙う場合は、重心だけでなく、ジグの形状やフォールアクション、操作性などを確認することが大切です。

 例えば、フォール中の動きで誘いたい場合や、ロッド操作に対するジグの反応を重視したい場合など、目的に合わせて選ぶことができます。

 ただし、「青物にはリアバランスが必ずよい」といった一律の判断はできません。

 魚の反応やベイトの状況、釣り方に合わせて、ジグの特徴を確認する必要があります。


【青物狙いで確認したいポイント】

◆ 水深と潮流に合った重量か
◆ ロッドで操作しやすいか
◆ フォール中にどのような動きをするか
◆ 魚の活性に合わせた誘いができるか
◆ 使用するタックルが対象魚に対応しているか

 魚の反応が少ない場合は、ジグの重量だけでなく、動かし方やフォールの組み合わせも見直してみる事が大事です。

重心と重量を組み合わせた使い分け

 それでは、実際の釣行でどのように組み合わせて考えるかを解説します。

 重心と重量は別々の要素ですが、どちらもジグの動きや操作性に関係しますので、どちらか一方だけで選ぶのではなく、釣り場の状況と使用するタックルを踏まえて判断することが大切です。

重量を優先する場面

 重量を優先して考えたいのは、底取りや操作性に問題がある場合です。

 例えば、ジグを落としても着底が分かりにくい、ラインが大きく流される、ジグを操作しにくいといった状況では、重量の見直しが選択肢になります。

 ただし、重量を増やす場合は、ロッドの適合範囲や操作性も確認してください。


【重量変更を検討するケース】

◆ 着底が分かりにくい
◆ 潮流が速くラインが流される
◆ 水深が深く、底取りに時間がかかる
◆ 現在のジグでは操作しにくい
◆ 船長から重量変更の指示がある

 このような状況では、重量変更によって改善できる可能性があります。

 ただし、潮流や船の流し方などが原因の場合、重量変更だけでは解決しないこともあります。

重心や形状を見直す場面

ジグ重量が釣り場に適していて、底取りもできている場合は、重心や形状を見直すことが選択肢になります。

例えば、同じ重量のジグを使用していても、フォール中の動きや操作性が異なる場合があります。

魚の反応が少ないときは、ジグの重心や形状を変更して、誘い方を変えてみる方法があります。


【重心や形状を変更する目的】

◆ フォールの動きを変える
◆ ジャーク時の操作感を変える
◆ ジグの姿勢を変える
◆ 魚へのアピール方法を変える
◆ 使用するロッドとの相性を試す

 ただし、魚が釣れない原因はジグだけとは限りません。

 水深や潮流、魚の活性、ベイトの状況、釣り方なども影響しますので、ジグを変更する際は、他の条件も合わせて確認することが大切です。

初心者が最初に揃えるジグの考え方

 スロージギングを始めたばかりの方は、最初から多くの種類のジグを購入する必要はありません。

 まずは、釣行する場所の水深や潮流に合わせて、使用する可能性の高い重量を中心に準備することをおすすめします。


【初心者が考慮すべきポイント】

① 釣行する水深

 行く予定の釣り場の水深を確認する。

② 推奨されるジグ重量
 船長や地元の釣具店などから、使用する重量の目安を聞く。

③ 重量の異なるジグ
 同じ重量だけでなく、状況に応じて変更できるよう、複数の重量を検討します。

④ 重心や形状の違い
 必要に応じて、異なる設計のジグを試してみる。

⑤ ロッドとリールとの相性
 使用するジグ重量に適したタックルを準備する。

自分ならどう考えるか

 Yobo爺の場合、メタルジグを選ぶときは、まず「その日の釣り場で底取りができるか」を考えます。

 どれだけ魅力的なフォールアクションを持つジグでも、底取りができず、狙ったレンジを探れなければ、使いこなすのは難しくなります。

 そのため、初心者の方は、まず釣り場に適した重量を確保し、そのうえで重心や形状の違いを試していくことをおすすめします。

 もちろん、釣り方や狙う魚、船の流し方によって適切な選択は変わります。

 大切なのは、最初から「この重心が正解」「この重量が万能」と決めつけず、状況に合わせて判断することです。

【FAQ】ジグの重心と重量に関するよくある質問

Q1:スロージギング用メタルジグの重心とは何ですか?

A:メタルジグの重さが、どの位置に集中しているかを示すのが重心です。

 メタルジグの重心は、アクションやフォール姿勢、沈下速度などに影響する重要な要素で、一般的には、重心の位置によって次のような特徴があります。

フロントバランス(前方重心): ロッド操作に対する反応やフォール姿勢に特徴が出る。
センターバランス(中央重心): フォール中に水平に近い姿勢を取りやすい設計がある。
リアバランス(後方重心): 沈下時の姿勢や沈下速度に特徴が出る。

 ただし、重心だけでアクションが決まるわけではなく、ジグの形状、厚み、潮流、ラインの抵抗なども影響します。

Q2:スロージギングに適したバランスはどれですか?

A:どれが適しているかは、狙う魚やフォールアクション、釣り方によって異なります。

 フロントバランスは、ロッド操作に対するジグの動きやフォール姿勢に特徴が出る設計があります。
 一方、センターバランスは、水平に近い姿勢でフォールするよう設計されたジグもあり、フォール中のアピールを重視したい場面で使われます。
 ただし、同じ重心位置でもジグの形状やメーカーの設計によって動きは変わりますので、重心だけで判断せず、ジグの設計と実際の動きを確認することが大切です。

Q3:重量が重いほど、深場のスロージギングに適していますか?

A:基本的にはそうですが、必ずしもそうとは限りません。 水深や潮流、使用するタックルなどを考慮して選ぶ必要があります。

 重量が重いジグは、一般的に水深のある場所や潮流が速い状況で、ジグを狙った水深まで送り込みやすくなります。
 しかし、重すぎるジグを使用すると、ロッドへの負担が増えたり、操作しにくくなったりすることもありますので、重量を選ぶ際は、次の要素を考慮することも大事です。

◆ 水深
◆ 潮の速さと方向
◆ 使用するロッドの適合ジグウェイト
◆ ラインの太さ
◆ 船の流れ方

 「深場だから重いジグ」という単純な選び方ではなく、底を取りやすく、操作できる重量を選ぶことが基本です。

Q4.同じ重量のジグでも、重心によって沈み方は変わる?

A:重心位置やジグの形状によって、沈下姿勢や動きが変わります。

 同じ200gのメタルジグでも、重心の位置やボディ形状が異なると、フォール中の姿勢や水の受け方が変わります。
 例えば、水平に近い姿勢でフォールする設計のジグと、比較的速く沈むよう設計されたジグでは、同じ重量でも使用感が異なります。
 また、実際の沈下速度は重心だけでなく、次の要素にも左右されます。

◆ ジグの表面積や形状
◆ ラインの太さ
◆ 潮流
◆ 水深
◆ フォール時のロッド操作

 そのため、重量だけでなく、ジグの形状と重心の組み合わせを確認することが大切です。

Q5:軽いメタルジグを使用したほうが釣れる?

A:軽いジグが必ず釣れるわけではなく、その日の釣り場の状況に合った重量を選ぶことが重要です。

 軽いメタルジグは、潮流が穏やかな状況や浅場などで使いやすい場合があります。
 一方、潮が速い場所や深場では、軽すぎるジグだと着底しにくくなったり、狙った水深を維持しにくくなったりします。
 重量を選ぶときは、魚の活性だけでなく、底取りができるか、狙ったレンジを操作できるかを優先することが大切です。
 釣果はジグの重量だけで決まるものではなく、魚の活性、ベイト、潮の状況、アクションなども関係します。

Q6:重いメタルジグは、魚へのアピール力が高い?

A:重量が重いからといって、必ずしもアピール力が高くなるわけではありません。

 メタルジグのアピール力は、重量だけでなく、フォール姿勢、動き、フラッシング、振動など、さまざまな要素によって変わります。
 例えば、同じ重量でもボディ形状が異なると、フォール中の動きや水の受け方が違います。
 また、重いジグは潮流の影響を受けにくくなる場合がある一方、魚のいるレンジや活性によっては、軽いジグの動きが有効な場面もあります。
 重量は底取りと操作性を確保するための要素で、アピール力はジグ全体の設計で変わります。

Q7:水深100mでは、何gのメタルジグを使用すればいいの?

A:水深だけで重量を決めることはできませんが、まずは船宿や船長の推奨重量を確認するのがおすすめです。

 Yobo爺のジグ重量の選定の基本的な考え方は「水深の2倍~3倍」です。
 ですので、水深100mでは、潮が緩い場合は200g、潮が速い場合は300gが基本となりますが、使用するラインの太さや船の流れ方によっても適した重量は変わってきます。
 重量を選ぶときは、次の点を確認することが大切です。

◆ 船長が推奨するジグ重量
◆ 使用するロッドの適合ウェイト
◆ 潮の速さと水深
◆ 使用するPEラインの号数
◆ 底取りができるかどうか

 100mという水深だけを基準に「必ず何g」と決めることはできませんので、釣行先の状況に合わせて調整することが大事です。

Q8:ジグの重量は、ロッドの適合ウェイト内であれば自由に選べる?

A:適合ウェイト内であっても、釣り場の状況や操作性を考慮して選ぶ必要があります。

 ロッドの適合ジグウェイトは、使用できる重量の目安になりますが、適合範囲内ならすべての重量が同じように扱いやすいとは限りません。
 軽すぎるジグでは、ロッドの特性によっては操作感を得にくい場合があります。
 反対に、重すぎるジグでは、ロッドの負担が大きくなったり、意図したアクションをつけにくくなったりすることがありますので、選ぶ際は、次の点を確認することが重要です。

◆ ロッドの適合ジグウェイト
◆ ジグの実重量
◆ 水深と潮流
◆ ロッドの曲がり方や操作感

 特に初心者は、適合範囲の上限付近だけでなく、実際に操作しやすい重量を選ぶことが重要です。

Q9:メタルジグの重心位置は、釣れる魚の種類に関係する?

A:重心位置が魚種を直接決めるわけではありませんが、魚のいるレンジや捕食行動に合わせたジグ選びに関係することがあります。

 青物や根魚など、狙う魚によって釣り方やアクション、フォールの使い方が変わる場合があります。
 重心位置の異なるジグを使い分けることで、フォール姿勢や動きの違いを利用できる可能性があります。
 ただし、重心だけで魚種ごとの釣果が決まるわけではありません。
 魚の活性、ベイトの種類、水深、潮の状況、アクションなども重要な要素ですので、魚種だけでジグの重心を決めるのではなく、その日の状況と釣り方に合わせて選ぶ事が大事です。

Q10:ジグの重量が軽いと、フォール中に魚が食いつきやすくなる?

A:軽いジグだから必ず食いつきやすいというわけではありません。

 軽いジグは、水の抵抗や形状によってフォールの速度や姿勢が変わります。
 その動きが魚の反応を引き出すこともありますが、魚の活性やベイトの状況によって有効な動きは異なります。
 一方、重いジグでもフォール姿勢や動きが魚の捕食行動に合えば、反応を得られる可能性があります。
 重要なのは、重量だけで判断するのではなく、魚がいる水深までジグを届け、適切なフォールとアクションを演出することです。

ジグのバランスと重量のまとめ

 今回は、スロージギングで使用するメタルジグの重心の違いと、ジグ重量の選び方について解説しましたが、いかがでしたか?

 メタルジグには、センターバランス・フロントバランス・リアバランスなどの種類があります。

 重心位置によって、フォール姿勢やアクションなどに特徴が出る場合がありますが、ジグの形状や厚み、表面積などによっても動きは変わります。

 そのため、重心位置だけでジグの性能を決めつけず、製品ごとの設計や実際の使用感を確認することが大切です。

 また、ジグ重量を選ぶ際は、水深だけでなく潮流・ラインの角度・船の流し方・底取りのしやすさなども考慮する必要があります。

 特に初心者の方は、まず着底を把握できる重量を選ぶことを基本にし、そのうえでロッドの適合重量や操作性を確認することをおすすめします。

 これからスロージギングを始める方は、今回の記事を参考にしながら、自分の釣り場やタックルに合ったメタルジグを選んでください。

●スロージギングタックルの基本的な選び方についてはこちら⇩

 

  

 

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